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10 異世界の生活は無理ゲーです

次の日からアレンさんの家の一部を借りて生活を始めた。


サエは昼間に冒険者ギルドで安全そうな依頼を探すのが担当だ。朝は走り込みに行ってるし、夕方はアレンさんに剣を教えてもらって張り切っていた。口には出さないが、クラーケンを倒して漁師達を救いたいと考えてそうだった。強くなろうと焦ってる気がするし、たまに海の方を見てボーッとしてることがあった。


ヒルは街の情報収集が担当だ。女の人の井戸端会議に入って色々な話を集めてきた。どこどこの店が美味しいとか、誰々が浮気しているとか、あまり役に立ちそうにない情報が多かったが、たまに魔法に関する情報も聞いてきてくれた。アレンさんと奥さんのエレンさんは魔法の知識がないらしいので、ヒルの情報が頼りだった。


僕は最も重要な役割を担当していた。水と食料の確保だ。異世界の生水は何が溶けているか分からないので、沸かすだけでは心配だ。水を沸かして出た蒸気を鍋で集めて冷やし、飲水を作った。食料は米っぽいのが食べられる事がわかったので、翌日は米と塩っぽいのを少量食べた。次の日は米と塩とブロッコリーっぽいのを少し、という具合にだんだん安全な食材を増やしていった。


お互いが集めた情報は夜ご飯の時に共有することにした。


「浜辺に亀みたいな魔物が大量発生してるらしいわ。討伐依頼が出てたから、明日行ってみる。無理はしないから大丈夫、アレンさんに教えてもらって強くなってるしね。そうでしょ?」


「ああ、サエは俺が自信を無くすくらい強い。そろそろ教える事がなくなってきた。」


1週間で?・・・まぁ、サエは転生前から何でも出来る天才だった。アレンさんの笑顔が引きつってるが、気にしないようにしよう。


「僕は以前魔法の本を貸してくれた人に会えたから、魔法の使い方を聞いてきたよ。基本的に魔法は、誰かの弟子にならないと使えないみたいだよ。呪文の最後は魔法を担当している神様の名前らしいんだけど、使ったことがある人からの紹介で登録しないと、魔法を使わせてもらえないんだってさ。登録なしで使えるのはナシテ神とか、一部だけだって言ってたよ。」


僕が魔法を使えたのはかなり運に助けられたようだった。魔法は意味がわからなくて怖いが、いずれ誰かに教えてもらった方がいいんだろうな。


「僕の方は、昨日キャベツっぽいのを食べて大丈夫だったから、今日はいよいよ…」


「お、ついに肉かい?」


「根菜に挑戦しようと思う!ジャガイモっぽいのを買ってきたよ!」


「オーマイガッ!」


ヒルが頭をテーブルに打ち付けた。前から肉を食べたがっていたが、僕はまだ異世界の肉を食べる勇気が出なかった。魔物の肉みたいだし何か毒があるんじゃないかと不安になってしまう。


落ち込んでいるヒルを見てエレンさんが声を掛けた。


「私のお料理で良かったら食べる?」


「気持ちは嬉しいけど、まだ食べたことない食材がいっぱい入ってるから危険だよ。」


「いや、レイリくん。僕は食べるよ。僕らは転生したんだから、体もこっちの世界に合わせて変わってるはずだよ。僕は見た目もイケメンに変わってるしね!」


ヒルは食べた。涙を流してウマいウマいと言ってエレンさんの料理を食べた。おかわりもした。とても幸せそうだった。そしてその後、お腹を壊して寝込んだ。

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