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14話 お頭と回転寿司を食べる1


 これは少し前の話だが――そう、確か1月2日だった。


 大晦日に、大家が何らかの方法で異世界から日本へ呼んだ3人は新年を一緒に迎えた後、元の世界へ帰って行ったはずだったのだが――。


「こっちも冬の寒さは変わんねーなぁ」

「お頭さんはあっちに戻らなくていいんですか?」

「まぁちょっとくらい俺の居ない方が、あいつ等も羽根が伸ばせるだろう」


 若干の曇り空の下、今は2人で街中を歩いている所だ。

 まだ3が日内という事もあり、開いている店は殆ど無い。


 いつもの恰好では寒いだろうと、サイズは合わないが無いよりマシかと思い、俺の古い冬用のコートを貸している。

 若干ヘタった金髪に青いバンダナ、コートの下はいつものタンクトップだが、コートを羽織っていると外国人旅行者に見えなくもない。

 

「いやーしかし楽しみだなぁ。このチラシ見つけた時から、気になってしょうがなかったんだよ」

「こっちも文字、読めるようになったんですね」

「前は全然分かんなかったがなぁ……あの“扉”ってのをくぐったせいか?」


 鍵にはそういう効果もあると大家は言っていたが、お頭も鍵は持っていない。なので、帰る時は俺が扉を開けなくてはならない。


 それはそうと、とある店の年始セールのチラシが、面倒で未開封のまま置いていた新聞の中にあったのを目ざとく見つけたらしい。

 ちなみに新聞は営業が面倒なので1番安い所のを取っているが、それはそれとして外回り用に使う雑談のネタ仕入れに丁度良い。


「名前は全然分かんねーけど、刺身だとよく見るのもあるな」

「意外と似通っているのかもしれませんね……おっと」


 そんな話をしながら、俺達は目的地に着いた。

 

「着きましたよ」

「おぉ……ここがそうなのか」


 大手回転寿司チェーン店を前にして、お頭は少年のように眼を輝かせた――。



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