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10話 異世界でケーキを食べる1

 

 季節は秋、11月初旬――。


 先月までは残暑もキツく、秋を感じる事はそんなに無かったのだが……さすがに11月ともなると、陰っている場所では肌寒さを感じる。

 しかし日向で活動していると、どうしてもハンカチが手放せない。

 いつだったかは11月丸々こういう感じで、冬用スーツだと若干汗ばんで、危うく風邪の引きかけたのだ。

 

「ふぅ……」


 俺は今、コンビニの前で少し休憩を取っている。

 こういう微妙な時期は、コンビニでコーヒーを買う時はホットとアイスどちらを買うべきが若干迷うだろう。

 今は外回りの帰りで昼過ぎだ。俺はアイスコーヒーを飲みながら、腕時計を見る。


(15時半……今から帰社して報告書まとめて帰ってたら18時くらいになるか)


 そう考えながら、ふと向かいの通りに目をやると――素朴な店構えのケーキ屋が目に入った。

 住宅街が近いと、ああいうこじんまりしたケーキ屋をよく見る気がする。


 もう誕生日にわざわざケーキを買ったりはしないし、クリスマスでもスーパーかどこかで売れ残りを見つけたら、気分次第で買って帰る程度だ。

 普段も喫茶店などに入ったとしてもわざわざ注文したりしないし……。


「最後に食べたのいつだっけな……」


 去年は仕事が忙しくて、適当にスーパーでチキンや総菜を買った記憶はあるがケーキはスルーしたのだろう。食べた記憶がない。

 もちろんパンケーキを、いわゆる洋菓子のケーキに含めるなら半年前に食べたのだが……。

 ここでいつもの癖が出てしまう。


「……せっかくだし帰りに寄ってみるか」


 残った氷の間に染み付いたコーヒーを未練がましく飲み干すと……俺は一旦コンビニへと戻るのであった。


 しかしながら、この選択はあまりよろしくなかった――。


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