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28話 異世界への鍵を持つ者達13.5(アグリ到着)


 どうやら地図に記されていた場所へ到着できたようだ。


 気持ちが良いほどの青空の下、私は全身に受ける風を感じながら地上を確認する。


 思っていたより大きな町だ。なにやら馬車か何かに人が乗り込み、町の外へと脱出していくのが見えるが――。


 町の正面の森からは巨大な魔獣が2匹、押し寄せてきているようだ。

 あれでは全員の脱出は間に合わないだろう。

 

「あの魔獣の真上まで移動したら、お前は帰りなさい」

「ヒヒンッ」


 訓練生時代の鎧を引っ張り出し、剣も普段は家に飾っている父から譲り受けた無名の一振りだ。

 私は全身に魔力を巡らせるイメージと共に、呪文を唱える。


「我が魔力よ、肉体に留め、それに連なるものへ力を与えよ――顕現(イグジスト)


 全身と鎧、そして剣へと白く光る魔力が伝わっていく。


「いきます!」


 ペガサスから飛び降りた私は、全身に(まと)った魔力を推進力にして加速する。


「セイクリッド、ストラァァァイクッッ!!」


 声に呼応して魔力がさらに光り輝く――魔力と生命エネルギーが合わさり放たれるそれは“戦技”と呼ばれる。

 私の扱う技は、その中でも“聖戦技”と呼ばれるモノだ。

 魔法と同じように呪文が必要だが、この呪文は叫ぶだけでいいので分かりやすい。


 そして自身が光弾のようになった私は――赤い甲羅の魔獣の身体を、ぶち抜いたのだった。


「エビリャアアアア!?」


 魔獣の断末魔が耳元にまでよく響いてくる。

 上手く地上へと降り立った私は、向こうがこちらを認識する前に――すかさず隣の黒い蛇へと向き直り、次の攻撃へと移る。


 魔獣との戦闘の基本は、先手必勝。


「――貫け。ホーリースラスト」


 剣から放たれた突きは、まるで巨大な槍のような光り輝く姿形となり、その黒い身体と首を切断したのだった。

 

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