26話 >羽柴
羽柴「おや大中さんは?」
「今は婚活に忙しいらしいので、しばらくは私1人でやります」
羽柴「分かりました」
羽柴「今回の事は女性には危ないかもしれないので、丁度いいかもしれません」
羽柴「彼を止めるには今一度、彼と話し合う必要があると考えています」
「本人に直接会えるように連れて来い、と?」
羽柴「そうです」
羽柴「彼と過激派のいる本拠地は、既にそれなりの規模の町になっています」
羽柴「そこからなんとかして彼を連れ出し、わたくしの下へ連れてきて欲しい」
「鍵を使って本人に会うのは?」
羽柴「それが、彼の鍵の能力なのか。直接彼のいる屋敷には飛べなくなっているんです」
羽柴「元々わたくしの鍵は、商品を欲しがっている人の下へ行けるようになっているので」
羽柴「彼のいる町へは行けるとは思うのですが、残念ながら向こうのメンバーにも」
羽柴「手配書が出回っているのか、わたくしの顔が割れているのです」
「じゃあ私が彼に会えるように、まずその町に向かえばいいんですね」
羽柴「いきなり行っても門前払い、運が悪ければその場で処刑でしょう。そこで、わたくしに良い案がありますので、後で必要な道具と共に手渡しに行きます」
「なるほど、分かりました」
羽柴「お連れの方にはお金など要らないと言われてしまいましたが」
羽柴「それでは私の気が収まりませんので、何かしらご用意させて下さい」
「では――そちらで取り扱っているエビやウナギをいくつか貰えたら嬉しいです」
羽柴「分かりました」
羽柴「とびっきりの商品をご用意させて頂きます」




