track_6 Sunday morning(2/4)
「うーん、なんとなく西嶋の事情はわかった。まあずっとは困るけど、夏休みの間だったらまたここに来ても良いぞ。一つぐらい居場所がないとな。新学期が始まったら、学校で居場所を見つけるようにしなさい。無理にとは言わないが、友達を作れ」
そういうわけで、西嶋はたまに俺の家に来るようになった。特に二人で何をするというわけではないけど、落ち着いた空間にいると思うだけでも本人的には満足だったのだろう。
最初に渋谷の街で会った時とは全然違う顔になっていた。もちろん良い意味で。
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新学期が始まってから、俺は西嶋のことが気になってA組の教室を覗くようになった。仮校舎だった為に、A組とE組はかなり離れたところにあるし、類別の数学の授業も俺はB組の教室でやっていたので、A組の教室を出入りすることはなかった。初めてA組の教室に入ったかも。
だから不自然にならないように、にしやんと戯れるフリをして教室に入ったりしてみた。
にしやんには西嶋のことをそれとなく聞いてみたよ。やっぱり孤立してるって、って言っても西嶋の方がバリア張ってるようだとにしやんは見てるみたい。他のJKが話しかけても伏し目がちに受け答えすると。にしやんも実際その場面を見たし、他のJKがそう言ってるのも聞いたらしい。
西嶋が家に来てることはにしやんには言わなかった。このことは俺だけで解決出来そうだと思ったからだ。でも本当は、学校側に報告しなきゃいけなかったんだけどな。勝手な判断をしてしまったのが間違いだった。
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「なあ、JK。将来やりたいこととか見つかったか? 卒業したら進学するのか?」
「そんなこと私が考えるわけないじゃないですか。先生は? 高校生の時って何になりたかったんですか?」
「俺? 俺は勉強もスポーツも苦手だったからな。ただ数学はパズルみたいで面白かったんだ。だから数学だけはやってもいいかなと漠然と思ってるだけで。それだけに固執してるなら先生になればいいじゃないかと親とか友達に言われて、頑張って大学入ったな」
「ふーん。で、バンドはいつから始めたんですか?」
「ん? バンド?」
「あっちの部屋、チラッと覗いたら楽器とかCDがいっぱいあったから。先生も弾くんですか? それともただのバンドのファン?」
「勝手に見るなよ! バンドは俺の趣味だ。この学校に赴任してから始めたんだ。今でも頑張って続けてるよ。だから、JK、お前も好きなこと一つぐらい見つけろ」
危なかった。俺がマージナルマンのメンバーだってバレたかと思った。
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学園祭。俺も西嶋も、特にあちこち見て回るっていうことをしないタイプなので、ずっと体育館にいた。そこでずーっと椅子に座り、演劇やら映画、バンドの演奏を鑑賞していた。特に約束していたわけではないけど、西嶋はずっと俺と一緒にいた。退屈じゃないのかな、誰かといろんな教室回ればいいのに、と俺は一人で考えていたが、西嶋には何も言わなかった。




