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Marginal Man  作者: 志藤天音
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ヨーロッパの旅(2/6)

〜〜〜


 ようやくイタリアにたどり着いた。眩しいほどの晴天で、イギリスのどんよりした雰囲気とは全く違った。

 人の性格は天気に左右されるのか、イギリス人は割と真面目そうな印象だったが、イタリア人はこの天気のように陽気な人が多いような気がする。


 スーパーでお金を崩すために買い物をする。ところが、生徒たちみんながみんな日本で例えると100円程度のものを買うのに10,000円札を出すみたいなことをしていたので、店員さんが大混乱していた。イタリア語も通じないし、迷惑な客だったと思う。

 レストランで夕食を取る。イタリアでの食事は期待出来る。なんと言っても日本人の味覚に近いと言われているからだ。


 スパゲッティやリゾット、ラザニアは全て「パスタ」というカテゴリーらしい。このパスタ3点セットがとても安心感のある味で大満足だった。

 ところで、今回の旅のレストランでの食事には必ず最初にサラダが出てくるのだが、どこで食事をしてもドレッシングが出てきたことはない。卓上にあるのは塩、胡椒、オリーブオイルだけ。最初は塩だけかけて食べていたが、後でオリーブオイルをかけて食べてもいいということに気づいた。そういえばドレッシングには油が入っている。今回の旅で、サラダはオリーブオイルと塩胡椒でオリジナルドレッシングを作って食べるということを学んだ。


〜〜〜


 翌朝、朝食後にローマ観光をするのでバスに乗り込む生徒たち。乗り込もうとすると、バスの中にはガイドさんだろうか、イタリア人の男性が座っており、生徒たちに「ぼんじょるの」と日本の発音で挨拶をしていた。その間抜けな言い方が可笑しくて、真似をしながら挨拶を返していた。さすがイタリア男性、心を掴むのが上手い。

 

 今日向かうのは、コロッセオやフォロ・ロマーノなどの遺跡やトレビの泉やスペイン広場などの観光名所である。

 こんなに大きな建物が2,000年以上も前に建てられたという。目の前の建物の存在感と、当時の建築技術の高さに圧倒された。

 人の多さにトレビの泉をしっかり見ることは出来なかった。コインを投げる余裕もなかった。簡単に写真を撮って退散した。この近くの「真実の口」も写真を撮る人で行列が出来ていた。生徒たちも列に並ぶが、写真を撮るチャンスは一度きり。例のイタリア男性のガイドさんに撮ってもらうが、タイミングが上手くいかず、変な顔で写ってしまい残念な思いをしたことも。ガイドさんも黙ってシャッターを押して「ハイ、トリマシター!」と事後報告だったから、いつ撮ったかわからない状況だった。

 都市部に歴史的建造物がたくさんあるということや、人気観光名所であることもあり、圧倒されっぱなしだった。人疲れした感じがした。

 スペイン広場の辺りで一時自由行動になったので、believerのメンバーは人通りの少ない路地裏を歩いたり、ジェラートを買って食べ歩きしたりした。

 ガイドさんや添乗員の直美さんが、「マフィアが潜んでるから気をつけて」と脅かしていたので、どこかで撃たれるんじゃないかと律子はビクビクしながら歩いていた。イタリアは良い所でもあるが、治安が悪いと何度も言われてきた。

 路地裏なんて歩いて大丈夫かと思っていたが、日本で言う裏原宿みたいにおしゃれな通りだったので、楽しめた。


 今日の夕食はカンツォーネを楽しめるレストランで食事をした。パスタ3点セット、肉料理にティラミスまで、美味しい食事はもちろん、初めて聴くカンツォーネも充分堪能した。

 あんなに楽しそうに、しかもお客さんも楽しませる演奏を食い入るように見ていたのはbelieverのメンバー。言葉も通じないのに、こんなに楽しくなるとは、と感動していた。ギターを打楽器みたいにして叩きながら弾く演奏方法が面白くて気に入った。パフォーマンスとしていつか取り入れたいと考えている。

 イギリスでギターを買った由香里と律子。ホテルの部屋に戻ったらすぐにポロンポロンとギターを弾くようになった。ただ隣の部屋には先輩が泊まっているので、遅くまでは弾かない。他のメンバーも少しずつ曲を書き始めているようだ。

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