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Marginal Man  作者: 志藤天音
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イギリスへ〜believer編〜(3/3)

 ランチにはいよいよイギリス名物フィッシュ&チップス登場。ロンドンで有名だというお店に入った。

 飲み物や食事を提供してくれるウェイターのお兄さんがかっこいいと、恵美子と由香里は騒いでいる。爽やかで愛想の良い金髪白人青年である。

 何かを運んでくる度に、二人が大きな声で「サンキュー」と言うので、その度にお兄さんもニコっとしてくれる。

 フィッシュ&チップスの味は覚えていない。きっと美味しかったんだろうと思う。お兄さんに夢中になりすぎだ。

 デザートにはアイスが出てきた。バニラアイス。だけどよく周りを見ると、believerのテーブルだけアイスにチョコレートが載っている。サービスされた。お兄さんも悪い気はしなかったらしい。最後の最後に、恵美子と由香里の渾身の「サンキュー」が出た。

 店を出る時も、二人はお兄さんに挨拶をしていた。またお兄さんも、ウインクを返した。それがきっかけで、二人ともお兄さんを自分の彼氏だと思い込み、しばらく二人はライバルという設定になった。


 バスはロンドンの街並みを走る。お金持ちが多く住むエリア、メイフェア界隈。髪型のリーゼントの由来と言われるゆったりとしたカーブの道、リージェントストリート。人々の憩いの場、普段からランニングする人だけでなく、リスや馬も走るハイドパーク。『ロンドン橋落ちた』の歌で有名なロンドン橋。目線を先にやると、有名な観光名所タワーブリッジがある。こちらをロンドン橋と間違える人が多いとのこと。


 さて、次なる観光スポットはロンドン塔だ。要塞というか城塞というか、中世に築かれた女王のお城である。が、なかなか血生臭い過去があるようで、塔の中はなんだか不気味だ。カラスが多く飼われているし。飛んで行かないように処置されているらしい。それだけでも怖い。

 だけど、塔の案内人はみんな陽気なおじさんだった。ビーフィーターと呼ばれる守衛の格好をしている。だけど、この語源もビーフイーターだ。牛食い人ってなんだか怪しい。

 

 始終ミステリアスな雰囲気だったロンドン塔を出て、今度は神聖な場所に向かう。

 

 セントポール大聖堂。大きな教会。中に入ると、美しい装飾品やステンドグラスの数々。圧倒されて息を呑んだ。ここには多数の有名人が埋葬されているという。誰が誰だかわからないが、沢山の名前と顔の彫刻が飾られていた。外観も内部も圧巻だった。


 今日の観光はこれで終了。レストランで夕食を済ませて、各自ホテルでゆっくり休んだ。大英博物館で購入した絵葉書を使って、早くも家族に手紙を書いていた人もいた。

 

 believerもそれぞれ過ごしていたが、早速律子がやらかした。

 日本とイギリスでは電圧が違うのに、変圧器を使わずに日本から持ってきたドライヤーを使っていた。いきなり赤くなったと思ったら、「パンッ」と音を立てて壊れてしまった。

 パニックになった律子はメンバーの部屋に内線を入れて呼び出す。が、他のメンバーは冷静だったので、すぐに変圧器は? と訊ねる。

 

 天然の律子は今後も何かしらやらかす。メンバーたちは割とそれが楽しみだったりする。


 まだまだ短期留学は始まったばかり。これからも楽しく貴重な体験は続く。

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