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Marginal Man  作者: 志藤天音
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クリスマスライブ

 12月に入ると、みんなそわそわする。クリスマスまでに彼氏を作らなきゃと焦る生徒もいれば、「クリスマスは本来家族と過ごすもの」だと主張して恋人を作らない宣言をする生徒もいる。わざと興味のないふりをして、強がって見せているだけかもしれないが。

 冬休みの前に期末テストもあるし、特に受験生にとっては最後の追い込みで、クリスマスも正月も関係ない。「受験生の正月は3月だ」と先生たちも気合いを入れる。

 本当に師走とはよく言ったもので、先生たちは毎日バタバタ走り回っている。


 軽音楽部は、期末テストが終わったらクリスマスライブをする。このライブは軽音楽部独自のイベントで、プライベートに行われるものである。マエちゃんが大学時代の仲間と組んでいるバンドが主催となり、生徒やマエちゃんバンドの演奏を披露する。クリスマスなので、ビンゴゲームでプレゼントを貰えるお楽しみもある。

 大きな音楽スタジオを借りて、日曜日の昼間に集まる。休日なのでみんな私服だ。

 今回はにしやんも特別ゲストとして参加する。


〜〜〜


 オープニングアクトはマエちゃんバンドの「レディオワン」だ。


『ドライブマイライフ』

さあ飛び出そう 新しい一日だ

誰も来ないうちに 出発しよう


夢の中で見た君 今は隣にいる

花咲く丘を越え ドライブに出かけよう


二人が恋をした

あの月明かり

一時の幸せに泣いた


さあ出発だ あの時の君から

貰った手紙を大切にして

僕は生きてきた


さあ出かけよう 当てのない旅に

曲がりくねった道の先に

見つけようスウィートホーム


 「どうもありがとう! レディオワンです! 今日は女子高生とおじさんの対バンあり、素敵なゲストとのセッションありと盛りだくさんでやっていきますんで、楽しみましょう!」


 そんなオープニングで始まったレディオワンのステージ。彼らは大学のフォークソング同好会で出会った仲間たちで、男性4人と女性1人の5人組である。

 ビートルズ好きが集まって出来たバンドなので、いつの間にかロックバンドとなっていった。

 オリジナル曲も多数あり、インディーズでCDも何枚か出している。

 全員が作詞作曲が出来るので、作ったメンバーがボーカルを取るビートルズ方式だが、マエちゃんがギターボーカルのパターンが多い。


 今回はオープニング曲の他に2曲披露した。にしやんと一緒に学校でも歌うことのある曲を選んだので、参加している生徒たちにも聴きやすかった。

 この後は生徒たちのステージなので、サラッと演奏して次に繋げた。

 マエちゃんと、レディオワンのメンバーのベースの永井は司会進行のため、その場にとどまった。軽快なトークで場を盛り上げた。


 そして、軽音楽部の生徒たちのステージだ。一年生と二年生のバンドの代表が立つ。一年生からはbelieverとBLACK Cherryが、二年生からは3つのバンドが参加している。予め出場順は決めてある。

 2番目にBLACK Cherry、そしてラストにbelieverが出ることになった。

 「緊張して全然楽しめないんだけど」believerで一番の小心者の智美が言う。

 「出ちゃえばなんとかなるでしょ」自分も緊張してるのに、みんなを励まそうと由香里は言う。


 「それではいよいよ、ラストのバンドです。さっきのBLACK Cherryと同じ一年生のバンドです。この二組のバンドは1年間切磋琢磨して頑張って来ました。だいぶ上達したんじゃないかな。これから軽音楽部を引っ張っていく存在になるでしょう。それでは宜しく! believer!」

 マエちゃんの紹介でbelieverの一曲目が始まった。今回は全部カバー曲。女性ロック歌手のアゲアゲな曲2曲と男性シンガーソングライターのクリスマスソングを演奏する。今回は全て律子が歌う。


 無事に演奏を終えたbeliever。

 「いやー、上手くなったねー。素晴らしい演奏でした! ありがとう!」

 「ではこれにて第一部は終わりです。第二部では豪華ゲストが登場します。お楽しみに! では、一旦休憩です」

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