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Marginal Man  作者: 志藤天音
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学園祭

〜前夜祭〜

 「りっちゃん、にしやんとマエさんの奥さん来るんだって。大丈夫? 予定変更する?」

 軽音楽部として数回ステージで演奏することになっているbeliever。予定している曲目の中には、律子が前田先生のことを詩にして先生に曲をつけてもらったものも入っている。この曲だけはピアノ演奏のみで歌おうと準備していたのだ。

 また、体育祭のステージだけでなく、小ホールでのゲリラライブにも出る予定で、そこでは前田先生とビートルズをデュエットすることになっていた。

 believerのメンバーは、律子のことが心配で、予定変更も視野に入れてミーティングを始めた。

 「そのことなんだけど……最初聞いた時はショックで……何が何だかよくわからなくなっちゃってたんだけどね、みんなにも迷惑かけちゃったよね。でも家に帰ってバーって泣いて、泣くだけ泣いたらスッキリしちゃった」

 「……じゃあ、大丈夫ってこと……?」貴子が恐る恐る聞く。

 「うん、大丈夫。もちろん今も大好きだけど、好きなだけで……これ以上どうにかなりたいとかじゃないんだよね。ただの憧れだったんだって、冷静になったらそう思えた」

 「そっか……。じゃあこれからも今まで通りに出来そう?」

 「じゃあさ、リハーサルがてら前夜祭出ちゃうか! マエさんと一回ぐらい打ち合わせしとかないとさ!」

 智美がもう一度律子に確認した後に、大丈夫だと確信した恵美子が、みんなを前夜祭会場の小ホールに連れ出した。メンバーは一瞬戸惑ったけど、この勢いで行っちゃおうと会場へと飛んで行った。


 A組の英語劇のリハーサルは体育館のステージで。B組の映画は教室で最終調整をしていた。どちらも大きなハプニングも無く、なんとか前日までに形になったようだ。後は当日に全力で挑むのみだ。


 体育館では、にしやんとマエちゃんが奥さんを先輩の上田先生と松井先生、ナガちゃんに紹介していた。このメンバーだったら場所を変えた方が良さそうなのに、何故か体育館での挨拶になってしまった。

 まあ、体育館には他にも先生たちや卒業生、生徒たちも入り乱れていたので、逆に自然に見えたかもしれない。


 「前田先生! 小ホールまでお願いします! リハーサル一回しておきたいんで」律子を始め、believerのメンバーたちが走ってマエちゃんを呼びに来た。その一瞬で、メンバーたちは奥さんを認識した。小ホールに向かおうとする前田先生と一緒に移動しようとしたbelieverは、奥さんへ会釈してまた走り出した。


〜学園祭当日〜

 「うわー! びっくりしたー! にしやん、ホントにインド人みたい。違和感ない」

 1-Cがカレーを販売している。結構本格的なカレーだ。カレーの他にもチャイなどのカフェメニューもあるし、民族衣装のサリーも試着出来る。男性用の民族衣装もあったので、たまたまカレーを食べに来たにしやんに着てもらったようだ。

 にしやんは地黒で彫りの深い顔をしているので、本当に違和感なく着こなしている。衣装が気に入ったにしやんは、そのまま校内を回っているところだった。

 「そろそろ英語劇始まるよー。みんな体育館に集合だよー」

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