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Marginal Man  作者: 志藤天音
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1時間目 1-A

 「さて、この時間はホームルームだよ。まずは簡単に自己紹介から。俺は西原祐志。にしやんって呼んでね。英語の担当です。30歳。独身。大学は2浪して日東大学に入りました。大学院まで出たから教師になってまだ数年だけど、今年は初めての卒業生も送り出したし少しずつレベルアップしてるはず。みんなとも一緒に成長していきたいと思います。趣味は映画鑑賞、登山、歌を歌うこと。B組の前田先生とは同い年で仲良しなのでよく二人で歌ってます。放課後チャンスがあったら聞けると思うよ。よろしくお願いします」

 担任の長い自己紹介の後に、生徒たちの自己紹介だ。でもみんなだいたい名前の後に「よろしくお願いします」と言うだけだった。にしやんは詳しい紹介はまた学級便りに載せると言って、生徒たちに趣味や好きなことを小さい用紙に書いてもらっていた。

 また、にしやんは自分だけでなく、生徒たちにもお互いあだ名で呼び合いたいと言って、全員のあだ名を決めた。クラスみんなが仲良くなるようにとのことだった。いかにも女子校らしいやり方だ。

 「じゃあ次から次へと決めることがあるからね、よく聞いてね。まずは生徒会の委員を選ばなきゃいけないんだ。世の中だいぶ変化してきたけど、まだまだ社会のリーダーは男性がほとんどだよね。でもここは女子校だから、生徒会長も女子だよ。男性社会じゃやりたくてもやれないことを、是非女子校にいる間に経験して欲しい。今週中に立候補したい人は言ってね」

 女子校ならリーダーになれるチャンスは沢山ある。あえて自ら上に立って引っ張る経験を積んで、社会に出てからも活躍して欲しいという学校の方針のようだ。


 「えっと、それから授業のことだけど、英語と数学は3つの分類に分けて受けることになります。最初は、今日この後にやる実力テストを受けてもらってクラス分けします。その後は定期テストの結果で分けていきます。B組と合同で授業をしていくからね。分類によっては教室を移動して授業受けてもらうからよろしく。1類は俺が担当するから、俺の授業を受けたい人は頑張って勉強してください」

 生徒たちのレベルに合わせて授業をしていく。成績の良い生徒は1類、その後に2類3類に分けられるようだ。その方が授業を受ける生徒にも安心だろう。わからなくて置いていかれるということも少ないだろうし、頑張ればクラスが上がるので一年間で3類から1類に上がることもある。その逆もあるが。モチベーションを下げない為の方法なのだろう。


 「そして最後ね、入学したばかりで悪いんだけど、志望校を書いて提出してください。一応ここは私立だからね、受験も頭に入れて学校生活送ってください。そうは言っても最初だから、何書いてもいいよ。『東大』とか『ハーバード大』とか書いても何も突っ込まない。ただ三者面談やる時には親に見せるよ。本当に目指している大学を書いてもいいし、名前だけ知ってる大学を書いてもいい。わからない人は、将来の夢を書いてください」

 入学していきなり志望校を書かされたことに生徒たちは驚いた。ただ先生が生徒の夢を実現させる為に、参考程度に書いてもらっているという説明を受けて納得した。先生たちは生徒の夢を叶える為に全力でサポートすると、にしやんに熱く語られた。


 「はい。じゃあホームルームは終わり。次の時間からは実力テストを受けてもらいます。頑張ってください。以上!」

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