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幕間 四章 雑談に花を咲かせる事に優秀なナレーターちゃん

 「いやぁ~長々と続いたインタビューも終わりの時が近づいてきました!このナレーターちゃんもしばらく皆様としばしのお別れを思うと惜しい気分です!しかしご安心ください。この世界はこれからの話には一切振り返らず、思い返さず、夢幻のものとして私だけの頭にしか残らないので、なーんの問題もありません!それでは今回のシメとして、最後のゲストはもちろんこの方です。それではどうぞ!」


 最初に美奈を登場させたように電子の海が現れるが、それは柱のように凝縮されたようにバチバチと電流のような音が聞こえて、一瞬でそれが消えるとその海があったところからふわりと静かに降り立つリラの姿が現れた。


 「ど、どうも初めまして…?」


 「はい!初めましてです!既に別の私から聞いていると思いますが、どうぞ緊張はポイポイして地面に叩きつけて足でぐりぐりすれば感謝しながら消えていくのでぜひそうしてあげて下さい!それが無理ならこうしましょう、緊張の緊張の~痛みとなっていやな上司の脚の小指に飛んでいけ~!はいっ!これで大丈夫です!ご安心ください!」


 「地味に痛すぎてもん絶する姿を考えるとそっちのほうが申し訳なさが多いんですが、それは…」


Q この世界に転生して来て始めて思ったことは?


A 「前の人がどんな人か走りませんが、私の場合は身体の変化より目が覚めた時に多くの人達に顔を覗かれた時の圧迫感がすごかったですね。怖いとかそういうのではなく、二次元の存在が目の前にいきなり現れているんですよ?ホラー定番のショッピングモールか学校で人魂やゾンビに追われた方がまだ、ショックが大分優しめだと思いますね」


 「私はホラー嫌いだし、同じ状況になった事はあるはずないので知りませんが、どっちもメンタルショックを受けていることに変わりはないのでそこそこの混乱はあったということですね!」


 「どちらかと言うと発狂して叫んでしまいそうでしたよ。しかも大勢に見られていると考えると尚更…これって集合体恐怖症になるんですかね?特にそんな症状はあった記憶ないのですが、これも起きた時の微睡に外部からの衝撃が症状を引き起こすというものなのでしょうか?」


 「いっその事、一周回って逆に冷静になるまではいかなかったっていうのが精神の安定を証明できていると考えればプラスだと思えませんか?」


 「流石に当時そんなことを考える暇はありませんでしたよ…戸惑うよりも先に歓喜の声で部屋が覆われましたし、その状況でどんな反応をすればいいのかなんて分かるわけないじゃないですか」


Q その姿をどう思う?


A 「この世界では珍しくない髪色が特徴的と思いますね。それが染髪ではなく生まれもっての地毛であるとすればなおさら特徴的だと思います。特に前世では髪色なんて校則で禁止とか奢侈禁止の場所があるのでそれが普通の事なら少し楽しいというかこの姿であのような姿をしている人の気持ちが分かったような気がします」


 「分かるぅ~!そうなのよ!好きな衣装や可愛いのを着ておしゃれしたいのにそれを禁止なんて自由に対する侮辱よ!外国のセレブや有名女優だってなんだかんだアウト寄りのセーフでチヤホヤされるのになんでこっちではガミガミネチネチ言われなくちゃいけないの!?差別よ!横暴よ!陰謀よ~!!はっ、はっ、はぁ~…取り乱しちゃった。なんで好きな服を着ているだけで怒られなくちゃいけないんだろう、露出も多くないし柄だってそんなに派手じゃないのに」


 「それは個人の基準が偏っているのでは?周りの人が白人だと黒人にはじめて遭うと怖がったり追い出そうと思う人と珍しさではしゃぐ人の2通りに分かれる事と同じで個人の基準から逸れたものに出会った時に偏った基準のせいで例えの前者に思いが出てしまったのだと思います」


 「あー、その個人の基準なんて滅んでしまえばいいのに…誰もがアウトっていう服はダメだって分かるから着ないし誰もがいけないことはしないのに、だれかの基準で自由が無くなって束縛される生き方を強要されなくちゃいけないんだろう。理不尽だよ…世の中って…」


 「比べるのはともかくこの世界では珍しくないとはいえ前世では2~3通りしかない髪色がここではカラフルで結構面白いですよ。半デフォルトの顔が可愛さやカッコ良さに拍車をかけていて…でも、憧れの顔にはどうもバランスが上手くいってなくて、そこは残念と言うか減点対象ですね」


Q その姿でいいと思ったのは?


A 「この身体、とても動きやすくて魔法も使いやすいんです」


 「動きやすさはともかく魔法の事なんて分かるの?前世では魔法なんて架空の能力で科学が発達しすぎて無理矢理理論で魔法や魔術の正体は科学技術だったりフィジカルの賜物だなんだって否定している世界なのに」


 「その点については何とも言えませんが、そもそも魔法が使える人種として考える事で理解しましょう。この身体には身体中に魔力が流れているのが分かるんです。それは魔法が日常に定着しているからそのようなものを感じ取れるんでしょう。それをどう使うのかどのようにして活用できるのか、やり方さえ分かれば後は慣れです。それで少し器用な事が出来るんですよ。美奈には負けますけどね。」


 「あの犬の魔法とか?あれって本物と見分けがつかないよね。いつかボルゾイを何体も作って軍隊で敵に向かって突撃させそう」


 「私はせいぜい蝶々のガラス細工ならぬ氷細工を作るのが精一杯ですけどね。動かすこともままならず動かすことが出来るのは雷系の魔法だけ、そこは固形と無形の違いと理解の限界が複雑な動きを妨害しているのでしょうね」


 「他の人達もそうなのかな、気孔も魔法も武器の扱いも、日常に定着していればそれを感覚的に理解して後は慣れで言っちゃう感じ?すごいね!神ってるよ!」


A2 「そこからちょっとだけ外れますけど、呪いに対抗が出来るんですよね。これ自体は私も分からなかったんですけど、あの認識阻害がされている本の事ですね。あの本を初めて見た時は自分が呪われている事もわからなくてそれを無意識に解呪させていた事に驚きました。」


 「私、呪いについてもあまり詳しくはないんだよねー、言葉しか知らない。人を呪わば穴二つってやつでも、穴二つとは言え手や足に穴が開いても治るならめっちゃ軽い代償だと思わない?」


 「言葉通りに理解すればそうなんでしょうね。でも現実は小説よりも奇なりと言う。言葉通りのイメージよりも何倍も辛い事が待っている事も考えられるのではないでしょうか、あの本の呪いは読んだ人に呪いがかかる単純かつ不特定だから、解呪もすぐに出来るらしいんですけど、中には無駄に複雑な呪いで特定の状況下で発動する呪いは自然に治るか、高度な解呪技術が必要だと教えてもらいました」


 「そこまでは考えてなかったけど…ともかく穴二つの言葉通りに考えるのが普通だと思うよ?言葉はその通りにあるから言葉なんだからね。言葉通りではなかったら、それは言葉の意味をいつしか曲げていたか、別の現象として捉えているだけ」


Q その姿で不便なところは?


A 「身体の調子が良すぎるのか、早めに眠くなってしまう事ですかね。一日中リエラと遊んでいると時間を忘れるのは仕方ないとして、遊びまくった結果眠気が最近いつもより早めにくるんです。自分でも分からないくらい猛烈な睡魔が前世より覆いかぶさるようになるんです」


 「それってただ早寝早起きがキチンと働いているだけじゃないの?何時に眠くなるの」


 「大体8時前あたり…その時には既に夕飯もお風呂も済ませているから特に日常生活に乱れがあるわけじゃないけれど」


 「そう言えばちゃんと歯磨きはしているよね、それで少し目は覚めないの?」


 「私が使っている歯磨き粉はいちご味なので逆効果です。リエラと共有してあるのでそれ以外は使わないと決めているんです。リエラは同じじゃないとヤダって駄々こねるので仕方なくというのもありますけどね」


 「ぶどう味もあるよね、あと一個はなんだっけ?そうそうりんご!私はりんごはあまり使わないけど、ぶどう味といちご味はよく使ってたな。それでも歯医者さんには磨きが甘いって言われたけど、歯茎にブラシを当てるとめっちゃ痛いんだよね、子供だから痛覚に慣れてなくて敏感になっていたというのもあるし」


 「最近はパイナップルや大人用の果物のパッションフルーツのやつもあるらしいですよ。女性に人気があるとか辛いのが苦手な人に向けた商品が結構注目されているみたいです。他にも様々なフルーツ歯磨き粉が増えて言って…というか1つの質問でどれだけ話が反れるんですかね」


 「だって、こんな機会でもなければ話せないし、私は普段ネットではペラペラ話せても現実ではぼっちでコミュ障だし、話そうとしても話せないどころか何を話せばいいのか分からないから、続かない、だからここでは私が思い通りのままに出来るから、ウェイ系になれる!実際現実でこぶしで語り合おうとしたこともあるけど、それは最後の手段だし問答無用で殴り合って芽生える友情ってなんだよって疑問が残るからやったこと無いし、したくない」


 (この人(?)まともなのかそうじゃないのか…この世界に私を連れ込んでいる時点で異端なのは間違いないとは思うけど)


Q 前世で後悔したこと、やり残したことはある?


A 「そうですね…あの時、個人的なスケジュールが結構あって月末までバタバタするはずなのでそれが全部吹っ飛んじゃったんですよね。後悔と聞かれると少し違うと思われるかもしれないですけど、そういうのは、終わらせたからこそ後の自由時間が楽しめるから、それを味わえない事が後悔してると言えると思いますね」


 「もしかして姫ちゃんって夏休みの宿題って早めに終わらせる人?」


 「ケースバイケースで少しズルをした方かな大量生産って言って例えば「休」の字を一列に書く時に人偏だけをズラリと書いて後に木を書くっていうのをしていた。小学3年生くらいには友達で集まって勉強会をしていたから、その予定日時までやらなかった時もあったし、でも流石に間に合わなかったのは、ないですかね。休みが明けてクラスのみんなが自分の中で存在を知らない宿題を提出した時は肝を冷やしましたけど」


 「それ、間に合っていないんじゃ?と言って滅茶苦茶分かるやつ。あれ?そんな宿題あったっけ?って言うより、頭の中が真っ白になって知らなかったと正直に言うよりも何か言い訳を先に考えちゃうよね。どっちにしろ注意されるか怒られるかその回答が試される」


 「実はそれが小学2年生の冬休みの出来事で、同じ状況になった人らが同盟を組んで創設されたのが小学3年生の長期休暇宿題終結連合です」


 「わぁ、すっごく部屋の中にガリガリ鉛筆の音鳴らしてそうな名前だね!」


 「学校ではシャーペン禁止されてた分、宿題では乱用してましたよ。中学生からは胸ポケットにシャーペンと赤ボールペン黒ボールペン、消しゴムペン、電動消しゴムペン、修正ペンを入れて歩いたり身をよじるだけでガチャガチャしてましたよ、ブレザーの時は厚みで音が吸収されてましたが、先生からやけに「多いね?」と言われましたよ。先生も胸にボールペン挟んでいるじゃないですかって言ったら「流石に五十嵐くんほど多くは入れないよ」って言われたのですが、何度も筆箱から取り出すのが面倒だから有効活用してたのにツッコミされたのかが分かりません」


 「そう言えばジーパンのポケットの中に更にポケットがあるやつって元々は懐中時計を入れるための専用ポケットらしいんだけど、もう懐中時計が時代劇以外で使われないから、どうしようって思う時があるよね」


 「すいません。前世ではジーパンは持ってなかったので…というか絹とかが多く使われた奴以外は肌に合わなくて…制服やジャージも下にTシャツを仕込んでなくちゃ着れない程肌が敏感なんです。この身体は更に敏感らしくてコートの後ろについているあの…なんでしたっけ?洗い方のやつが書いてある…なに?正式名称…タグ?があるとそれがチクチクしててそれを限界まで切らなくちゃ無理なんですよね」


 「あー、分かる分かる!本当にそれあるわ!自分が思っているよりも自分の肌に合わないと着れないのって多いのよね!だから、お母さんが勝手に服を買わせちゃうと肌に合わないのが多くてでもせっかく買ってきてくれたから我慢して着続けて以来自分も同行して手触りや試着を何度もして選んだりしたんだよね!もう成長限界だから黄ばんだり色抜けても私服として慣れたから着続けているのも何着も持ってるし」


Q 好きな魔法とかある?


A 「好きというよりは、使いたい魔法は熱とか火ですかね。私は氷と雷を使えるんですが、氷は夏とかに使えると便利ですが、冬だとちょっと…」


 「結構利便性に特化しているね。戦闘とかそういうのは考えてないの?」


 「細かいことを言うと氷魔法は厳密にいうと氷ではなく冷気を操っているので氷はその副産物みたいなものなんです。雷も同じで電気を発生させる磁場を発生させるのが本質でその副産物が理解出来る言葉で表現されているんです。美奈さんの水や土魔法組み合わせることで戦闘や探索に役立てることが出来るので、私一人では日常生活の利便性に適した使い方しか思いつかないんです」


 「なるほどね。魔法の本質を理解して、間違いが分かると出来る範囲も狭まってしまうのかー、それを考えるとそれも不便なところと言えるんじゃないかな?」


 「それも慣れるとそれ程不便ではなくなるんですよ。使い方もよい使い方をすればいいだけなので問題はないです」


Q これからやりたいことある?


A 「そろそろ学園生活が始まるので、それまでにしなくてはいけない事と考えると実はそれ程ないんです。レベルも序盤では結構あげられた方なので、後はのんびり練習してそれで上がったならそれでよしと思います」


Q 今世の友人の事について


A 「…あえて今一人称を戻させて貰います…俺にとっては彼女らはゲームキャラとして、見られなくなった。彼女らはちゃんと心も身体も人間として生きている。それはこの世界の誰にも言えることだけど彼女らは更に別の…上手く言葉にできないけれど、まるで別の次元…パラレルワールドから来た自分を見ているような気分なんだよ。おかしいよな、そんな経験無いのにそういう例えが出来るなんて…でもどこかでもしこの人に転生していたらこうなると思うっていう確証がないのにそうなりそうな予感がする。そんなミステリアスな気分なんだ」


 「心を前世に戻せる事で、彼女らの評価を真摯に考えることができる…か。全く、それは次の質問の答えになってしまうじゃないか…最後の質問もしたいけど、あんな質問をした自分が恥ずかしく思えたし、今回はここまでかな、それじゃあインタビューはここまで!それじゃあ皆様しばらくはごきげんよう!次回は4名全員に一斉にインタビューさせてもらいます。次回がいつになるかは分かりませんが私の気まぐれの次回までお楽しみに~♪」

次回1月中旬予定

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