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幕間 三章 話をスルスル進めることに定評のあるナレーターちゃん

 「んっ…ゴクッゴクッ…ぷはぁ!あれもうコマーシャルあけちゃってた?1分半も?ありゃりゃスケジュール管理はしっかりとするべきだね。え?字幕だけなのに飲み物飲めるのかって?そりゃあそうだよ。これでもちゃんとした飲食はするんだからね?とりあえず腹に貯まりやすい甘味と合う飲み物を試しているんだけど、意外とシュークリームと牛乳って合わないんだね。同じ原材料を使ってるのにこのアンマッチどころか口の中でミックスする前からこれはダメだと思った通り合わせたことを後悔しちゃったよ、やっぱりシューか?シューの部分がダメなのか?いやクリームもだな、液体とクリームの舌触りが味含めてバッド…はぁ、参った参った、そう言えば何でシュークリームって色々な種類があるのに同じ味が1つもなくてどれもいい所があるのに結局最後はチェーン店のやつが一番いいって終点にたどり着いちゃうんだろう?白いクリームより黄色いクリーム、ふわふわさよりなめらかさ、二つのクリームより黒い粒々が私は何よりも好き」


 「だから、それをよりよい合わせたら更に美味しいものになるのか、それを私は知りたいのです。というわけでどうぞ、3人目のゲストさーんいらっさーい」


 今度は辺りにカスタネットのようなカンカンという音と共に宙から黒い穴が出現して程なくしてレイラが落ちてくる。


 「うぅ…痛い…お尻ぶつけた…」


 「ごめんなさいね、天丼は好きじゃないから今度は伝統ではあるけれど爆発よりは幾分かマシとの定評がある上からの登場をさせてもらいました」


 (…伝統がどうのより、古いやり方をしている時点でネタを考える事をめんどくさがっているだけじゃないのか?)


 「はいはい!ここじゃ心の声も文字として浮かび上がっている事をお忘れなく!私のやり方は不満?不満じゃない?あら、そうそれじゃあ早速お待ちかね。美味しいシュークリームと合う飲み物を…!」


 「遠慮します」


 「シュン…(´・ω・`)」


Q この世界に来て初めて思ったことは?


A 「始めはただただこの姿に驚いたよ、この世界がストアドシリーズの世界だという事でさらに驚いたし、この身体は極度の人見知りで近所の人に見られるだけで思考と身体が固まった事で更に驚いた、驚きの連続で楽しいや不安を感じる暇もなかったよ。なんでこんな他人との交流が出来ない身体になっちゃったんだろうね、元々の精神が体にも影響を与えるのか精神の学問はそこまで興味がないから、よく分からないけど、実際にこの身体に入って分かった気がするよ。実体験でここまで不便さを感じるとは思わなかった事が唯一の誤算だね」


Q その姿の事をどう思う?


A 「恵まれた身体、恵まれた家族、恵まれすぎてて前世の俺が見たら羨ましいと思うほどのハイスペック、前世じゃ銃どころか剣を持って歩くだけで捕まるのにこの世界はその辺ルーズなのがいいね!この前、近所のおばさんに「その剣かっこいいね」なんて言われて少し嬉しかったよ。他の武器を試してみたけれどこの身体は武器の扱いを熟知しているみたいで素振りが楽しかったりしちゃう」



Q その身体でよかったと思ったのは?


A 「もちろん、料理!材料を見ただけで何を作るかとか、こういうのにアレンジ出来ないかと想像を膨らませると同時にガンガンと創作意欲が湧いてくる!料理(つくり)たくて食事(つくり)たくて仕方ない!素材の数々が美味しそうな料理になっていく姿がとっても嬉しい。それが自分の手で出来上がっていくとすれば尚更、それを他人に評価して貰えてそれが更に原動力として、次に作る料理が楽しみになっちゃうんだ、流石に免許を取らないと捌けない食材もあるけど…フグとか毒の処理を必要とするやつがが代表だね。流石にこの年齢じゃ、資格や免許は取れないからね。本当の事言っても受け入れてもらえるか怪しいし最悪頭のおかしな人だと思われるでしょ」


A2 「動物に好かれやすいって事かな、動物ふれあい広場にこの前言ったらさ、まん丸でふわふわな動物たちが周りに集まってきて一緒に遊んだんだけど、可愛かったな。どうやらそこの管理人さんによるとその中で乱暴で問題児な子もいたらしいんだけど、俺と遊ぶ時にはすごい無邪気で驚いたって言ってた。ガパルも同じ感じかなこの身体って動物たちにとっては親友のようなものだと思われていると思う」


Q その身体で不便なところは?


A 「やっぱり、他人との交流が上手くいかないところかな、家族以外の人だと全くと言っていいほどコミュニケーションが取れない、緊張が高まりすぎて一周回って逆に冷静になる事はあるけどそれが終わって我に帰ると身体中に鳥肌が立って途轍もなく不安が押し寄せてきて、静かに泣く、めっちゃ泣く。例外はお年寄りとか美奈達かな、自分よりも弱かったり、自分に害を与えられることが出来ない、或いは害を与えられても対処出来る。という直感が働く事で判断しているんだと思う。精神じゃなくて肉体が、そう思うと力をつけたり成長したら治ると思えば早く大人になりたいと思うね」


Q 今の家族について思うことは?


A 「か、家族?うーん、両親は冒険者ギルドにいる事が多いし、普段はアシュリーとエイラが家で暮らしているということ以外には特に…でも、よく母さんはギルドの仕事を早めに終わらせて昼に家に一時帰宅するし、お夕飯の時間には既に業務を終わらせているから、寂しくはないかな?父さんは結構遅くになっちゃうから、オフの日しか交流が出来ないけれど、ちゃんと家族の事を大事にしていることは分かる。この前遊園地ごっこしたんだ。父さんの腕が大きな飛行機みたいな乗り物に変形して庭で私とエイラを乗せてぐるぐる回転して、あの時は童心に帰ったようで楽しかった。前世と比べればとてもいい家庭だよ。あの時はいつの間にか歳を重ねていて、世界情勢しか話題が続かなかったから」


 「そうはならんやろ」


 「なっとるやろがい」


 見てないことに変わり種のツッコミがくるという思惑は砕かれ、更にその返しを思いつかなかった為にすぐに次の質問に移る。


 「もしかして案外後先考えなしで行動するタイプ?」


 「エンジンかかるとハンドル持たずにやっちゃうことが…週に4回くらい」


 「いかんでしょ」


Q  前世でやり残したことはある?


A 「うーん、あの時期は新しいゲームの発売が連日だったり、数日後になっていることが多かったんだよ。特にアドベンチャーゲームを多く予約していたから必死になって小遣い貯めて注ぎまくったゲームが出来ないってのはやり残してしまったと思ったな。まぁ、この世界のソシャゲで無課金勢としてそれ以上のゲームに出会えたから結果オーライかな、キャラも爽快感も感じるシナリオも中々面白い」


 「…そのゲームの名前、後で教えて」


 ゲーム…娯楽としてとしか認識していなかったけどさっきの子ら(美奈とアイシャ)の話からやってみようと思っちゃったな。最後の子までキチンと質問はしたいけど、もうこれで中断しちゃおうかな…いや、ダメダメ最後まで終わらせなくちゃ、失望されるに決まっている。


Q 好きな技とかある?


A 「それって武技のようなものならどれも好きかな、この身体は母さんから受け継いだ武器の扱いも父さんからも受け継いだ秀でた剣の腕前があるから、強さを求める技はどれも好きかな、でも過去作から見様見真似でやってみた「究極奥義」が使えるとは思わなかったよ。今の所三の太刀までなら使えるけど、いつかは終の太刀まで使えるようになりたいな。とりま、それが一番の目標」


 「でもそれって相手によっては効果がゴミカスにもなりうる記憶があるんだけど」


 「いや、もしそうだとしてもその後普通に戦闘を継続できるし、無駄だったら相手の戦力を測れるから全く問題ないとは言い切れないじゃん、物は考えようで使いようでしょ」


 「この所々でのポジティブさは生まれもっての才能だからどの子も同じなのかな」


 「…さっきからあの子とか言ってるけどもしかしてお前って毎日こんなことしてるの?」


 「しばらくは間をおいているかな、一日一日でやって3行で終わるインタビューなんて、誰も楽しめないでしょ?デートでも何の理由もなくおごるのは相手に対して失礼だと思わない?それと同じだよ」


 「前者の話しは分かるけど後者の例えで分からなくもないけど反応に困る例えはやめてくれない?」


Q これからやりたいことはある?


A 「そうだな…そろそろ創作料理のレパートリーを増やしてみようかな、複雑なものはあまり手を出さないようにしてたけど、そろそろそれにも手を出してみないとね。小学校の頃ケーキとラーメン同時に食べたら美味しいと思ってたバカな自分の共存を可能にできるかもしれないからね。昔カップ焼きそばでソースの代わりにチョコレートソースを入れたバレンタインデー商品が発売されたけど、不味いの一言で経った1日で発売中止になった奴があったけど、流石に成分分析0でやったからそうなっただけで旨味成分がマッチするように作ったらシーズン以外にも売れたと思うんだよね」


 「あー、あれか…友達と一緒に食べたけど一口目でリバースしちゃった、喉が全力拒否しているのにせっかく買ってきてくれたの思いで食べたら食事に必要な臓器全てが拒否反応起こして下水に流す結果になっちゃったからね…被害者にお金、返してもらえないかな」


Q 今世の友人について


A 「うん、最初は人見知りのせいでガチガチに固まってたけれど、お風呂でのぼせた時にエイラへの感情に似た方が勝っちゃって、それからその感情で接していたら今のような関係になれたって感じかな、誰にでもそういう感情を抱くことはできないから何かきっかけがあれば交友関係が生まれて自然に話せるようになると思う、これは今後の課題となるだろうね」


Q この世界について詳しく考えてみてどう思う?


A 「今は詳しく考えたくはないかな、この世界がストアドシリーズをもとにしているのは分かるけど、世界が危険とかこの国が戦時下というわけではない以上、下手に動いて敵を作っちゃうのは避けたいし、詳しく考えたところで解決策が見つかるとも思えない。そもそも問題の壁にぶつかってすらいないから解決策も何も必要無いからね」


Q 最後にあなたにとって人生とはなんですか?


A 「人生!それだけ!」


 「…ありがとうございました。シリアスな答えを期待してこんな質問を用意したけど…飽きてきたな、どうしよう。次回のインタビューからはこの質問はやめよっと、作業効率も悪くなりそうだし、テンション、モチベーション維持のためにも切り捨てた方がいいな」


 「まぁ、なんにせよもう一回落ちてもらうからそれでコマーシャル前にオチがつくってね!」


 「こんな雑に扱われるのも正直言って結構、心に刺さるね」

次回12月末予定

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