幕間 二章 実況者ナレーターちゃん
「さぁさぁ、休憩を挟んだところで次のゲストにご登場いただきましょう。それとさっきの説明を何回もするのは面倒くさいので、別次元の夢で一通りの説明をそれぞれさせて頂いてまーす!時間も操作してお待ちする時間もしっかりと調整をしているのでご安心を!もちろん安心するのは待ち遠しさを覚えるゲストの人達ですがね!では2人目のゲストはこの方ですどーぞ!」
再び電子の海からアイシャがドルフィンジャンプのように飛び上がり、真っ白な空間にスマート着地する。
「よっと…うーん変な感じだな。感覚とかはしっかりと感じるのに夢だと認識してもそれが損なわれないのは生まれて初めての経験だな」
「はいはい!この空間の感想はこの空間だけの事、夢から覚めたら忘れる余計な考え事はポイポイしてもらうとして、早速インタビューをさせてもらいましょう!」
「あんたみたいな人か動物かも分からない正気の化物の行水に付き合う気はないんだが…まぁ、睡眠時の暇つぶしと思えばいいか。信じているわけじゃないが忘れるんなら特に問題ないし」
「さっきのゲストにも同じような事を言われたので同じ言葉を返すのですが、私は噓をよくつきますけど、自分の利益になるようなものについては真実しか話しません、例外はありますけどね。ダウトとかごきぶりポーカー、人狼ゲームなんて噓をつくゲームが例外の一部と予め言っておきます」
Q この世界に来て初めて思ったことは?
A 「もちろんこの身体になった事だな、異性の身体になるなんてタイにでも行かないとできないだろう?それに行けたとしても金かかるからな、それを例えるなら俺が払ったのは金じゃなくて命を失って得た異性は割に合わないな。まぁ、これだけよく動く身体だ失った柔らかい身体に前世よりも疲れにくくて体力がある。それに…夢に見たヴィジュアル画が現実に存在した世界。こんなにもキラキラした体験が出来るなんて最高だよ」
Q その姿の事をどう思う?
A 「俺が目指す「かっこかわいい」に対しては近いとは思うけれど少しかわいい部分が多いかな、性格をかっこいいに寄せてもその塩梅が取れるとは思えない、それがこの姿に抱く感想、でもやっぱり動きやすいしこの身体が元々運動好きなのか、筋トレやストレッチをするとストレスが吹き飛ぶんだよね。前世はストレスを感じたら無意識に自分の首の後ろを触るボディメッセージをしていたけど、今ではそういうのがないかな、習った医学の知識も覚えているから人を見る目も同じくらい成長したままというのはこの身体とバランスが取れていると個人的には思っているよ」
Q その身体でよかったと思ったのは?
A 「日常生活で言うなら毛を剃らなくていい事かな、昔から髭や鼻毛はもちろんすね毛や腋毛のようなムダ毛が中学生位にもじゃもじゃしたのが気になって寝ているときに毛同士が絡まったり擦れあって肌を引っ張ったりしてうざかったんだよ。ムダ毛は本当に無駄というか邪魔にしかならないし、剃る時間も毎日風呂の時間に鏡を見ながらやるから湯船にゆっくり浸かる時間も無いのは本当に嫌だった。今じゃ髭は生えないどころか年齢的に毛深くならないから最高だね」
A2 「さっきも言ったんだけどこの身体のスペックが高いんだよ。戦闘はない方がいいというか前世ではそんな機会とは無縁どころか治療や診療をしていたからそれとは別ベクトルとして、生きれるのは良いんだろうな、運動選手とかそういうのを考えてるわけじゃないんだ。気孔が使える以上元々スペックが高いって言っても気孔を使ってない証拠とか言われても証明できないからな」
A3 「魔法とかか?でも俺の魔法は美奈ほどのもんじゃないんだよ複合魔法を試したんだけど上手く出来なかった。魔法のセンスが無いというか使えるのは良かったと思えるけど、俺の岩と水が上手く混ざらなくて自分の周りを覆う水の膜に岩が沈んでいる自然現象程度の魔法、しょぼいけど、リラックスは出来るかな、自然を満喫しながらの筋トレも乙なものだよ」
A4 「そうそう、これは何でか自分でも分からないんだけど、この胸があるとなんて言うのかな保護欲?とにかく包み込んで甘やかしたいっていう母性本能が溢れるんだよね。精神年齢が20歳以上だからか自分よりも背が高くても可愛いと思えば甘やかしたいとか思ったりしちゃう。でもこれはよかったと思うより本能的な話だから少し違うと思うな。それとついでに言うと、この世界には不細工な顔が一切見当たらないんだけど、思えばストアドの登場人物って不細工な顔はおろか地味なモブが一切存在しないから全員かっこいいか可愛いになっているんだよね。俺がかっこかわいいに憧れた理由の一つにストアドのPVみたからと言うのもあるし」
Q その身体で不便なところは?
A 「…エリィとエルが乳首を嚙むんだよ…甘嚙みじゃなくて思いっきりガブリとね、それで痛いし嚙むタイミングが夜寝ぼけて嚙むらしいんだけど、幻獣だから硬いブラをしてもブラをすり抜けて直接牙が突き抜けて嚙まれるんだよ。何回乳首千切れるかと思ったもん、その日のうちに気孔で再生させるけどそんなのお構いなしで毎日嚙みついてくるから参っちゃうよ。対抗手段がないのはどうしようもないしね。そうそう、これは偏見だったんだけど胸が大きいと肩が凝るとか重いとか言うけれど、そんなに気にしたことは無いんだよ。因果関係は諸説あるらしいし、運動していたらそんなに気になるほど重さは感じないと思うな。これは経験談だよ」
A2 「胸の話しで思い出したんだけど、最近学園に入ることでママが清楚的なブラを買うんだけど、それをつけるとすぐに壊れるんだよね。筋トレをしていなくてもすぐにきつくなってホックが壊れてブラをすると安心する気分を味わうことに慣れると壊れることで締め付けが無くなると同時に不安というか…ソワソワして落ち着かないのが不便かな、ブラの事はよく知らない…のは当たり前だけど、サイズが調整出来るのを用意してもらえればいいのにそれを買わないんだよ、アイシャちゃんには合わないわ~とか言ってて結局普段つけているのが一番着け心地いいんだよ」
A 「…今更だけど、これほかにもある事を事前に把握してるのか?自分でも考えることに多少の時間を要するのに……あっ、もう一つあった。前に胸に顔を埋めてしまうハプニングがあったんだけどそのことで一気に怒りと羞恥心が許容量ぶち抜いて身体が勝手に動くことかな、我を忘れるって事じゃなくて何というか、心よりも先に身体が動くっていうの?とにかく後先考えるよりも先に動く反射的、衝動的行動が働くのが人一倍強いのが長所であり短所だな、日常生活ではマイナス面になる事が多いから不便ってカテゴリーに入ってるのかも」
Q 前世でやり残したことはある?
A 「改めて考えると色々あるな…というか、あのまま生きていれば診療所を継ぐことも視野に入れてはいたけれど、精神的にはゲーム三昧したいからいっその事、動画配信でもしようかなって思ったりもした…ってやり残したことじゃないな、脱線するところだった…正直、続編が発表されているゲームやマンガがこっちの世界じゃプレイも読めもしないから残念と言うか、せめて最後まで見てから終わってほしかった。でもあれは不滅の感動巨編作品だから、続くんだろうな、それも出来ないから今ソシャゲに無課金で暇な時間を潰している…ってまた線路が変わりつつあるじゃん!もう結果だけ言うわ。あるよある!ありすぎて元の世界に戻りたいと思うほどあります!この世界での記憶をリセットしてでも戻りたいと思うほどですー!」
Q 好きな技はある?
A 「技?気孔とかの話しか?それなら魔法かな、気孔術は意志的に発動できるけれど見た目には変わりないから魔法の方がいいかな。個人的にはやっぱり性能よりは見た目が4:6で分かれている」
「意外とそこを重視するんだ」
「あくまで割合だから、時と場合によってコロコロ変わるからな。実際割合なんて個人差で簡単に変わったり一瞬でさっきまでの結果と真逆になるだろう?」
Q これからやりたいことはある?
A 「難しいな…やりたいことと言うより、探したい人物を探したい。がやりたい事って感じかな、まぁ、現在進行形で探しているんだけれど、今の所影も形も見当たらない。でも、この世界ならいないとおかしいと言うかいないと世界の理が破綻してしまうから何とかして見つけないといけないんだよね。今の所、直接的な関与はしないけれど、そうする時が来るのは確定しているからね」
Q 今世の友人について
A 「他の攻略対象の子たち?あぁ、みんないい子達だと思うぞ。随分大人びてまるで前世の同年代と話している感じだ。高校を卒業した後は友人でも呼び捨てをするとかしなくて誰に対しても敬称つけて話すことが多いけど、彼女らはその間…例えるなら小学校からずっと同じ進路同じ学校として、一緒だったから結構砕けた会話で弾むことが出来る関係だな」
Q この世界について詳しく考えてみてどう思う?
A 「この質問はさっきまでどう答えるかずっと悩んでいたんだけど、結局何も思いつかなかったな。それに気づいたからって何も状況が変わらないし、この未成年で力も俺より強い人が多い世界で俺が関与したから何か変わるとも思えない。他力本願って言われればその通りかもしれないけど、俺が足を引っ張る足手まといなら何もしないのが一番の援護だと思う。何も問題が無いなら今までと同じ事をして巻き込まれた時はその時に対応する。それだけ、この世界はそういう世界でしょ?」
Q 最後にあなたにとって人生とはなんですか?
A 「…ねえ、この質問はあれと同じ回答で言い?まさか俺と同じ様な回答をしている人がいるとは思わなかったけど、それについて聞くならあーゆーのは消しておいたらいいんじゃない?」
「そうなんだけどさー、とある理由で残しているんだよー、同じ答えをベラベラ喋られたらつまんないでしょ」
「一理あるけど、あえて一言付け足すなら真摯に向き合う事が人生に必要な基礎って所だそれ以外はあれに取られちまった」
「やっぱり、同じでも違うところはあるんだね。定期的に聞いて違いを探すのも悪くないかも」
「?今のはどういうことだ?」
「気にしないでー♪ただの独り言だよ。忘れることに固執する必要はないよねー!」
「まぁ、そうだな。それじゃあ帰るわ、送り迎えはしてくれるんだよな?出来れば水に沈むようなもんじゃなくてスッと帰れるような感じにしてほしいんだが…」
アイシャは幻獣の街からの強制帰還についてトラウマが残っているのがその身構えで物語っている。
「安心して、これはあれとは違い水に小さな雫を落とすように波紋を広げるもんだから、特に変な感覚は無いはずだよ。意識が再び浅い所に戻ると思えばいい」
大体の人が勘違いするが、夢を見ていると眠りが浅いと言うがそれはガセだ夢は意識が覚醒しているのではなく記憶や思い出を切り繋いでいるだけで、それに入り込むというのは深い泥や隙間にハマる事と同じため、抜け出すのが難しいくらい深い眠りについているというわけだ。
そう説明しているうちにいつの間にかアイシャの姿は消えていた。
「さてさて、次はあの問題児かー、検証しよう彼女の人見知りは声だけでアウトなのかもしくはセーフなのか、一応あっちの私から報告は受けているんだけど、適応力はいいからそんなに冷静になるのに時間は掛からなかったか…まぁいいや、それで私が手間取る事なんて無くなっているんだから。ここで再びコマーシャルです♪」
次回12月中旬予定