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7話 意外とドジなようです

「はい~皆さん~集まってないで解散して~」


 妹が走り去ってしまい。少し寂しそうにしていたリリスだったが

 そう言うと集まっていた人が嘘のようにいなくなった。


「ザコルさんは~残ってください~」


「ぎくッ」


 そさくさと逃げようとしていたザコルがリリスに捕まったようだな。


「最近~仕事頑張っていると聞いたのでせっかく可愛いサキュバス紹介してあげたのに~また喧嘩ですか~」


「す、すみません。リリス様、仕事が終わったばかりで朝から酒を飲んでしまって、調子にのってました」


「怪我人がでなかったからいいものを~気をつけてくださいね~」


「は、はい」


 と帰り際に俺のことを鬼の形相で睨んでいたのは気のせいだろう。


「暗黒騎士さんもですよ~相手が酔ってるなら喧嘩を買わないでくださいね~それにギルドでの喧嘩は禁止なので~」


 ん?リリスは喧嘩の原因を知らないのか?


「リリスで構わないか?それとも様をつけたほうがいいか?」


「別にどっちでも構わないですよ~彼らがそう呼んでくれているだけなので~」


「お前もしかして……いやなんでもない」


 彼女の妹はあえてこの事を伝えていないのかもしれないな。

 今は下手にでしゃばらないほうがいいかもしれない。


「どうしたんですか~」


「俺も売り言葉に買い言葉で返してしまったと思ってな、迷惑をかけた」


「いえ~気にしないでください~それじゃあ私も行きますね~」


 リリスは行ってしまった、さてやることもないがどうするかな、依頼とやらでも受けてみるか?

すると何かが落ちていることに気がついた。


「ん?これはもしや」

 

 俺は一度部屋に戻ることにした。


 やはりいた、リリスの妹のルナだな。俺の隣の部屋で体育座りをしている。

 さっき俺が見つけたのは部屋の鍵だ、しかも俺の隣の部屋だった、落ちていたのはさっきルナが座っていたところだったので間違いないと思ってはいたのだが。

 少し意地悪かも知れないけど少し話したいこともあるしな。


「なにをしている?」


「え……あんたはさっきの」


「ああ、さっきぶりだな」


「見てわからない?」


 まあ、見る前から理由は分かってるんだけど。


「鍵をなくしちゃったのよ……探しに行きたいけど、今はギルドの方には行きたくないし……」


「これのことか?」


「それどこで……って貴方は、初めからわかってて聞いたでしょ‼」


 意外と察しがいいな、誤魔化しとくか。


「なんのことだ?」


「なんか納得いかないけど、礼は言っておくわ、ありがとう」


「ただで渡すと思うのか?」


「んなっ!?最低ね、私の礼を返してよ‼」


「ちょっと話がしたいんだがいいか?」


「変な要求されても……へ?話?」


 なにか勘違いをしているようだが無視しよう。


「そうだ」


「まあ、それくらいなら……でも話をするだけだから‼それ以上はないから‼」


 一体何がそれ以上なのかは分からないが、さっきの純潔がどうとかって話を聞きたいだけなんだけど。

 とりあえず鍵を返した。


「どこかいい場所はあるか?」


 きっと人には聞かれたくないだろうし、あまり人気がないところがいいな。


「それなら私の部屋でいいわよ」


「いいのか?」


 色々いわれてるのに男を部屋に入れるのに抵抗はないのか?


「だって……そういう目的なら今鍵を返すときに要求できただろうし、それに皆はああ言ってるけど、貴方ひとりくらい魔法でなんとかできるし」


「そうかでは失礼する」


 さっき雑魚……じゃなくてザコルは魔法は使えなくないみたいなこと言っていたけど……とりあえずステータス見てみるか。


 ルナ

  種族 サキュバス

  職業 魔術師 レベル55


  攻撃 B

  防御 A

  俊敏 B

  魔力 S

  運気 E

  体力 A


 スキル

  マジックブースト(魔法の威力上昇)


 装備

  魅惑の鎧(サキュバスなら能力上昇)


 あれ?淫魔ってのもないし、魔力めちゃくちゃあるじゃん。

 予想はついてたけど運悪すぎだな。


「で?なんの話をするの?まさかここまで来て結局、口説くためなんてことはないんでしょう?」


「まあそうだな、聞きたいことはいくつかあるがとりあえず”純潔”についてだな、さっきの状況を見てもらえばわかるが何も知らないのでな」

 

 彼女は少し嫌そうな顔で下を向いたが、そのあとすぐに顔を上げた。


「いいわ、でも少し長くなるかもしれないよ?」


「かまわない」


「まず最初にさっきも聞いたかもしれないけど、私サキュバスなのに処女なのよ」


「そうか」


「え?それだけ?なんとも思わないの?」


「特には」


「そ、そう。じゃあ話を続けるわね」


「ああ」


「まず……


 彼女の話によればサキュバスとインキュバスだけが暮らしているところがあり、だいたいのやつらが淫魔同士で子をつくるが他種族と交配するものもいて、ある程度子供が成長したら淫魔としての仕事をするらしい。

 まあこれができるのは寿命が長いのと死ぬまで若いままだからだろうな。

 職業 淫魔とは生まれつき使える”魅惑”というスキルの恩恵によって職業らしい。だからリリスは職業が2つあった。しかしこれ以外でももちろん職業を2つにするだけなら可能らしい。

 そのなかでルナは生まれつき魅惑のスキルが使えず、淫魔の職業を選ることが出来なかった。

 しかしその代わり魔法ブーストというスキルが使えるようになりステータスも魔力が以上に高かったらしい。

 そのため仲間たちには邪魔者扱いされてしまい相手も見つからずにいたところを姉に誘われてギルドにきたが、そういう目でしか見てくれない人しかいなくて今にいたるという。



 ……というわけ」


 悲し過ぎるな。かわいそうだろ。


「そうか、俺にはその気持ちを分かってはやれないが、大変だったんだな」


「え……」


「まあ、これも縁だ、少なくとも俺はお前の味方になろう」


「え……ごめん涙が……そんなこと言われるの初めてだから」


 おっと女を泣かせてしまったぜ、俺も悪い男だ。


「気にするな」


「ちょっとしばらく止まりそうにないからちょっと風に当たってきてもいいかな」


「そうか、では俺も自分の中の部屋に戻るとする」


「うん、今日はありがとう、今度御礼になにか奢らせて」


「了解した」


 女子と部屋のなかで二人きりとか鎧なかったらマジ無理だから。

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