43話 話をするようです
あの後俺達は家に戻ってた、家の方が落ち着いて話も出来るだろう。
「で?どんな話をするの?」
「俺達は互いに相手のこと考え過ぎて居たのかもしれないな、それのせいで本当の気持ちを伝える事を忘れていたんだ」
「え……」
「君はもしかして、俺があの日のことに責任を感じて君と一緒に居るんじゃないかって、思ってたりしない?」
これは……俺にも言えることなのかもしれないけど……ルナがそう感じていることから、嫉妬……そして不安に繋がって居るのかもしれない。
「そうなんじゃないかって最近……」
「俺は君と出会えて本当に良かったと思ってるし、あの時流れだなんて言ったけど、あの時既に君のことは好きになっていたし、これまでの日常だって本当に幸せだと思ってる、それどころか俺は君が本当に幸せなのかと心配していたぐらいだ……」
君は一体どう思っていたのか……本当の気持ちが知りたいんだ。
「私だって……貴方と会えて良かった……あの時は少しでも貴方との繋がりを残しておきたかったの……私は貴方と居るだけで幸せを感じていた……毎日が本当に……でも貴方は優しいから私に合わせてるだけなんじゃないかって……グスッ」
ルナの目元から涙がこぼれ落ちる……俺は……こんなにも愛されて居たのか……
ルナを抱きしめずには居られなかった。
「あ……」
「俺は君の優しさに甘えていた……いや、お互いに甘えていたのかな?」
「何度も抱きしめてもらったことなんてあるのに……今私……凄く幸せ……」
「ルナ……渡したい物があるんだ……」
「なに?」
こんな形で渡すことになるとは思っていなかった……それにもっと早くに気持ちを伝えれば今回の事も起きなかった……
抱きしめていたルナを離して、用意していたあれを取り出す。
「本当は日頃の感謝のつもりに渡そうと思っていたんだけどね、ルナは欲しいものがあれば自分で買ってしまうし……だけど君がこれをチラッと見ていたのを見てしまってね」
「嘘……」
色は黒……そしてあのよく分からないけど肌触りのいいケースに収まっているそれは別に大して高いものじゃない、給料3ヶ月分でもないし……
「その……本物はいつか必ず渡すよ、それまではこれで我慢してくれるかい?」
「これ……高かったよね?」
「そんなことないよ、これはただのお礼みたいなものだしね」
レイラとの仕事はだいぶお金入る訳で……若干金銭感覚が……
「そう……ずるいわね」
「え!?」
「物で女を繋ぎ止めようなんて……」
「そ、そんなつもりはなんよ!?本当にただの気持ちだけだって」
「ふふ、冗談よ」
「なんだ……」
その冗談は洒落にならないし……寿命が縮んだよ……あれ?でも俺は不老って言われたけど寿命は……今はそんな事どうでもいいか。
「まあ……他の女の事は少し気になるところはあるけど、少しは多目に見ることにするわ」
「いいのか……」
正直今回のは本当に愛想つかされたと思ったし、レイラのことはあるけど……なるべくは自重しようかと……ん?レイラも流れでは……ナイトイウコトニシテオク。
「だってこんな豪華な指輪までくれるんですもの、私が一番なんでしょ?だったらもう何の心配もする必要がないじゃない?」
「今はな」
「え……それどういう……」
「冗談だよ」
「なにそれ」
「え……」
あれ……目が怖いよ……ルナさん?
「冗談になってないたけど、やっぱり私達合わないのかしらね」
「え、いや、ルナが一番だって、一番好きだから、だから……」
「言質は取った……」
「え……まさか……」
「この話はおしまい、色々と考えすぎてお腹空いちゃった、誰かさんのせいでそのままの物があるからもったいないから食べるわよ」
「それはもちろんだけど……」
「この話はおしまいって言ったけど?」
「はい」
ルナには敵わないな……改めてそう思った。
その日の夜は凄かった……と言うと思ったかもしれませんが、そのなんというか……そのなんというかって感じでした。
なんというか……やっと区切り的な感じですかね……早く人間界の話を書きたいと思っております。
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