37話 ポ○モンになるようです
「暗黒騎士の下位互換では?」
「その理由はこれから話します‼」
「……そうですか」
「私も神様も色々考えたんです、どうすれば話にのってくれるかと、神様は『なんか格好いい武器渡しとけばよくない?』とか言ってましたけど、私はちゃんと考えたんですよ」
おいその適当な神様呼んでこい……
「で?その騎士って職業にはなんか特別なちからでも?」
「ではまず騎士について話しますね、騎士というのはいわゆる中間ジョブなんです」
中間ジョブってなんだよ
「ペケモンで言うなら第二進化です」
ペケモンって……あれか、あれをパクったゲームか……
「パクってませんよ……多分……」
ん?さっきから俺の心の声に返してるような……
「聞こえてますよ、この場所では隠し事なんてできないんですから」
「ほう、では……」
「え、ちょっと急に何考えて、可愛……美し……もう止めてください……」
「どうしたんですか急に?顔が赤いですよ?」
「だから……」
「どうしたんですか?」
「もういいです、話の続きをします‼」
ちょっと怒らせてしまったようだ、やり過ぎたかな?
「怒ってません‼」
「すみません……」
「じゃあ話の続きですけど、大抵の人は騎士で終わったりするのですが、ある一定の条件を満たすと上位のジョブに成れます、例えば貴方の暗黒騎士がそうです、条件は魔剣を手に入れることです」
その条件とかって言って良いものなのか?
「あ……あの言わなかったことに……」
「はい……」
「それで通常上位のジョブになった者は騎士には戻れません、なれる方法があるとしたら、レベルを上げる方法ですが、普通はなれないものなので無理ですね」
無理宣言……
「この今から授ける騎士のジョブには特殊な能力があってですね、上位ジョブから戻れるんですよ」
「どういうことですか?」
「分かりやすく説明すると、貴方は今ブラキィですしかし、イーブンにも戻れるってことです」
「なるほど」
ポケ……ペケモントレーナーだった俺に丁度分かりやすい説明だな……ってことはブーストやヒヤシンスにもなれるのか……想像つかないけど。
「通常職業によって決まった武器でしか能力は発動しません、だから第二の職業とは特別なものなのです、しかしこのジョブを第二の職業にすれば、貴方は第三、第四の職業にもなれます」
「面白そうですね」
「ですよね、だからどうですか?」
「それで、新しい職業に就かせたところを人間界を探索してこいと、そういう訳ですか?」
「……そ、そうです……」
「好きに生きてくれ良かったんじゃないんですか?」
「そ、それは……」
なんか可哀想になってきたな……
「まあいいですよ、人間界には行ってみたかったですし」
「本当ですか!?」
「でも期限とかあったりしますか?」
「8~10年後ぐらいに行っていただければと……」
「結構先ですね」
「神の10年と人の10年には差がありますからね」
「でもなんで10年なんですか?」
「神様によると、その時期に勇者が召還されるらしくて」
勇者か……もしかしたら俺だったのかもしれないのか……
「思っていたよりも先の話だったんで良かったです、でも僕からも条件を出しても良いですか?」
「大丈夫ですよ、やばいことでなければ……」
やばいことってなんだよ……
「貴方が欲しい」
「はい!?」
「貴方が欲しい」
「二回も言わなくても聞こえてますよ‼」
「……」
「心の中でも言わないで下さい‼」
「で?やばいことではないと思うんですが……」
「十分やばいですよ……でもそれについてこちらからも条件がありますからね」
「どんな?」
「この世界にいる私を見つけて下さい」
「女神様も、地上にいるってことですか?」
「そうです」
「見た目とかは……」
「今とは違いますね」
……チャーリーを探せより難しいじゃないか。
「ヒントは……」
「ないです」
「見つけられなかったらどうするんですか」
「大丈夫ですよ、私は女神なんで10年くらい見つけられなくても待ちますよ」
女神なのにあんまり待ってくれないな……
「な、なんですか、見つけたら貴方の物なんですよ!?文句でもあるんですか?」
「な、ないです」
10年か……ん?何処かで聞いたような……
「あ、もう時間みたいですね、第二ジョブと言っても貴方のは特別なので自分で変えられるので、色々試してみて下さい、それでわ」
「え、ちょ、いきなり……」
また目の前が光で見えなくなり、気がつくと元の場所にいた。
「眩し、だ、大丈夫か‼」
「ああ」
「今のは一体……」
今はまだ、話すことではないか……
「いや、なんともなかった訳だし気にすることでもないさ」
「本当に大丈夫か?」
「ああ」
「それならいいんだが……今日はこれくらいにして帰るか……」
「そうだな……」
猶予があるとはいえ……この事をどうするかだな。