表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/66

24話 魔王とお話するようです

 昨夜はとある理由で寝落ち、身体は完全回復、精神は複雑。

 という事で俺は魔王のところに来ていた。

 魔王と言えば玉座というイメージがあるかも知れないが相手は大体部屋にいる、部屋と言ってもギルドの宿より少し広いくらいのものだった。

 そもそもこの城に玉座なんてあるのか?


「ここか……」


 ガチャ


 俺が丁度魔王の部屋に着いたと同時位に、ドアが開き勢い良く何者かが飛び出して来た。


「きゃっ‼」


「おっと」


 飛び出して来たのは魔王ではなく美少女だった。

 後ろに転びそうになるところ咄嗟に支える。


「大丈夫か?」


「ご、ごめ……な、何で君がここに!?」


「ん?何処かで会ったか?」


「え、あっ‼いやなんでもないです」


 さっきから何を言っているのか良く分からないけど、魔王の奴はこんなに可愛い子を部屋に連れ込んでいたのか、羨ま……ルナが怖いのでやめとく。


「そうか、魔王に用が合ったんだが、今いるか?」


「……用って今まだ朝の5時……」


「何か言ったか?」


「な、なんでもないです、魔王に用があるならギルドの方で待っててよ、まだ寝てるし」


「そうだったか、夜が激しかったのか……」


「な、ち、違うよ‼そうなことしないし‼」


 しまった‼美少女の前で何てことを‼口に出てしまっていたようだ。

 彼女は顔を真っ赤にしてそう言う。


「すまない、勘違いをしてしまったようだ、魔王に宜しく頼むよ」


「うん…………とんだ変態だったのか?」


 最後何か言っていたみたいだが、よく聞こえなかった。



 宿の方から入ったから分からなかったけど、ギルドはガラガラだった、いつもはもっとワイワイしているはずなんだけど……


「あれ?暗黒騎士さん?随分早いですね?」


「ああ」


 彼女は最近ギルドの受付嬢になった、エリカちゃんだ、見た目ほとんど人間だけど、うさ耳が……うさ耳が……最高です。


「まだ5時過ぎですけど、引っ越したばかりであまり寝れなかったんですか?」


「え……マジ……あ、まぁそうなところだ」


 ルナはぐっすり眠っていて、起こすの悪いなと思って来てみれば、5時か……魔王が寝てるのもしょうがないか……

 じゃあ、あの子はメイド的なあれか?それだったら大変だな。


「受付嬢も朝早くから大変だな」


「普段はもっと遅いんですけど、私もあまり寝れなかったので」


「そうか……」


 何か合ったのか?と聞きたいところだけど、彼女の隠しきれていない表情を見る限り、言いたくなさそうだしな、聞かない方がいいだろう。


「理由は聞かないんですね」


「こういうことは聞かないことにしている」


「ふふ、優しいですね?」


「相手の事情を聞くのが面倒なだけかもしれないぞ?」


「暗黒騎士さんって面白い人なんですね」


 可愛い笑顔だ……今はただそう思った。


「俺はつまらない男だ」


「そうですかね~私、男を見る目には自信があるんです‼」


「だが俺は顔も兜で分からないぞ」


「ふふ、人は見た目じゃないので」


「そうか」


 俺のどこを気に入ったのだろうか……


「その気になったら誘って下さいね?私、10年くらいなら待ちますから」


「ッ‼そうか、真剣に考えておこう」


 寿命が長いからなのかそんなことを言うまでも気に入られていたのか……


「楽しみにしてますね、あれ、それにしても今日は来ないのかな?」


「誰が?」


「いつもこの日は一番早く来て準備してる子がいるんだけど、来てないんですよね~」


 もしかして、魔王のところにいたあの子か?もしかして仕事に行く途中だったのか?


「暗黒騎士君、待ったかい?」


「あ、魔王様だ」


 すると魔王がやっと起きてきたようだ、まぁエリカちゃんとなかなか興味深い話が出来たからよしとするか。


「じゃあ私はそろそろギルドの準備に戻りますけど、何時でもいいので」


「ああ」


 エリカちゃんは新人なのに大人気だから、何時もの時間にお話すると周りの視線が痛いから少し名残惜しいけど、今日は魔王との目的がさきだな。


「いや~声をかけてとは言ったけど、流石にこんな早くに来るとは思わないよ」


「……」


「どうしたんだい?」


 遠目だと気付かなかったけど、魔王に角がなかった。


「角が……」


「え……やば~急いでたから忘れたのか……」


「ん?」


「あれは飾りなのさ、角が有ったほうが魔王ぽいだろう」


「なるほど」


 何処かで聞いたようなセリフだか聞かなかったことにしよう。


「時間を見ずに来てしまってすまなかった」


「そうだったのかい、時間は早かったけど、今日来たのは丁度良かった」


「どういうことだ?」


「覚えているかいレイラのことを」


 確かあの女騎士だったな、俺、前世では女騎士押してたんだよな~、あの人も結構タイプだったし。


「ああ」


「彼女は昼前には来るだろうし、朝食はまだだろう?食堂でレイラを待つことにしよう」



 それから俺は魔王と朝食を共にしたが、ぞろぞろとギルドが賑やかになるほどに注目を浴びたので、少し疲れてしまった。

 魔王はルナとの生活についてニヤニヤしながら聞いてくるので、途中から無視した。


「あれ、魔王様ではないですか、珍しいですねこんなところで」


「お、レイラやっと来たかい、いきなりで悪いんだけど、今日の仕事に暗黒騎士君も連れてってあげてくれないかい?」


 仕事と戦う相手はどういう関係があるんだ?


「そういうことでしたか、任せてください、それでは自分は朝食をさっさと済ませてきます」


「そんなに急がなくていいのに……」


 レイラは走り去っていった。


「仕事の件についてはレイラから聞いてくれ、君のその剣だけど前任の爺さんは使いこなすのに、数百年懸かったって言ってたから、まぁ地道にいけばいいと思うよ」


「そうか……」


 それ地道にいったら死んでるやつじゃないですか?


「僕も仕事があるからここで失礼するね、あとレイラは友達が少ないみたいだから仲良くしてあげてね」


「分かった」


 そう言って魔王は行ってしまった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ