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15話 この世界の話をするそうです

 あの後、自分の装備について悩みどころがあったみたいだか、色々なことがありすぎて気にしないことにしたらしい。


「さっき話したように、俺はこの世界の人間ではないからこの世界ことを詳しく知りたいんだ」


「私の知っていることで貴方の役に立てるなら、なんでもするわ」


「頼む」


 魔界と人間界の関係については、女神から聞いていたのと一緒ようだが、ルナが詳しくはなかった歴史については本をあさって見たがどれもこれも、子供の絵本のようなものが多かった。


 魔界についてはルナに聞いたほうが早そうだったので地図を見ながら説明してくれた。

 しかし人間界については、あまり資料もなくよくわからなかった。

 魔界と人間界とは言っても大陸繋がりで続いていて、魔界横長のひし形のような形で人界は少しいびつな円形といったところだろう。

 しかし間には大きな森や山があった、きっとこれがルナの言っていた森だろう。


「今、私達がいるのがエンドリクスっていって、基本的にはいろんな種族が暮らしている、それと水の都、竜の大地、エルフの森、獣人の里、そして各地に歴代魔王が作った魔人族の暮らす国、大まかなのはこんなところね」


「人間界と魔界は行き来できないのか?」


「できないことはないわ、通行証明書が必要になるわね、この森には転移門があってそこをお互いに警備している、でも基本的に通行証明書は商人にしか発行されない、だから貴方が人間と聞いたとき驚いたの」


「なんで商人なんだ?」


「不可侵条約があるから、戦闘力のある人間は互いに送り込めないようになってる」


 ここまで聞くと本当に異世界なんだなぁと思う、取り敢えずエルフには会ってみたい。

 俺の知っている話だと魔物や魔獣は魔王やその配下が操っていたりするイメージだったけど、違うということか?


「ギルドで見た討伐依頼の対象ってどこからくるんだ?」


「それはね、地下深くに初代魔王の魔力が封印されていて、そこから漏れだして世界各地に溜まってしまった”魔力溜まり”ってのがあって、そこの亀裂から現れるのが魔物、溢れた魔力に取り込まれた生き物が魔獣となるの」


「亀裂を塞ぐだけではダメなのか?」


「うん、それだとまた新しい亀裂が生まれるだけだから」


 たしかに新しくどこかも分からない場所に亀裂が出来るより、今ある亀裂に注意した方が被害を防げるのかもしれない。


「じゃあ最後に人間と魔人の違いってなんなんだ?」


「強いて言うなら先祖が違うってことだと思うわ」


「先祖が違うと、どう違うんだ?」


「遥か昔初代魔王が封印され、人間界と魔界は2つに閉ざされたてしまった、その時、魔界に残されたのは多くの魔王の血筋、それらの子孫が今の魔人族ってわけ」


「その証拠が魔人化ということか」


 皆がそれを使えるなら人間勝てなくね?


「それは才能があったり、厳しい修行をした者にしか使えないし、少し魔力の質が違うだけよ」


「なるほど」


 ということはザコル達には才能があったということか……修行をするタイプではないだろうし。


「今日はもう夜遅いし、パーティーの件は明日にしましょ」


「それもそうだね、今日はギルドに帰ろう」


 その後ギルドで軽く食事を取った後、お互い部屋に戻った。

 部屋に戻ると俺はすぐに鎧を外して寝ることにした。

 昨日の疲れがでました……


 ガチャ……


 ドアの開いた音が聞こえる。

 ルナか?どうやら鍵を閉め忘れたらしい。


「ルナ、来てくれるのは嬉しいんだけど、今日は休ませてくれないか?」


「同じ色だ……」


 ん?ルナの声ではないな、子供?


「助けて欲しいの……」


「どうしたんだい?」


「偽人間に追いかけられてるの‼」


 偽人間?

 一体どういうことだろう?


 ドンドンドンッ‼


 今度はなんだ?


「夜分遅くに申し訳ありません、今、魔王城に紛れ込んだ、()()の子供を探しているのですが、見かけませんでしたか?」


「ひっ……」


 もしかしてこの子のことだろうか、しかしすごく怯えているな、もしかしたら、この子の言っていた偽人間とは魔人のことか?


「いや見てないな、それに今帰って来ばかりだ」


「あ、暗黒騎士様のお部屋でしたか、もしなにかあればギルドの方に連絡を下さい」


「分かった」


 足音の遠ざかる音が聞こえる、おそらく次はルナの部屋に聞きにいったのだろう。


「さっきの声の人に追いかけられたのかい?」


「そうなの……なんか色が普通じゃなくて怖かった」


 色が普通じゃない?

 さっきから一体なんのことを言っているのだろう。

 

「色が違うっていうのは、どういうことかな?」


「私ね、人の魂の色が見えるの」


 魔眼の一種かもしれないな。


「それで何が違ったんだい?」


「普通は白色なの、でも悪いことしたひとは少し黒くなるの、

 でもあの人のは()()()()()と同じ紫色だったから、怖くて、でも貴方のは白だったから……」


「そうか……君はどうやってここに来たんだい?」


「エミリア……」


「うん?」


「私の名前……」


「そうか俺は悠人、じゃあエミリアどやってここに来たのか説明できるかい?」


「それは……」


 コンコンッ


「まだ起きてる?」


 ルナか……今度こそ夜這いかもしれない。


「あんたのところにも来た?」


「ああ、さっさと追いかえしたけどな」


「ねぇ、入ってもいい?」


 そう来ると思いました。

 しかしエミリアが怯えている、どうやらドア越しでも見えるのかもしれない。


「悪いんだけど、今日は休ませてくれないか?あれを毎日は厳しいかもしれない」


「な、バカこと言わないでよ、毎日発情してるわけじゃないのよ‼」


 そこまで言ってないがまあいいか


「なんだ違ったのか」


「違うわよ、少し話がしたかっただけなんだけど、疲れているなら、明日にするわ」


「そうしてくれると助かるよ」


「わかったわ、おやすみ」


「おやすみ」


 さて、この子はどうしようか。


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