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14話 俺の話をするそうです

「悪くないな」


 もともと素材は悪くなかったから似合うとは思っていたが、完璧だ。

 やはりルナにはビキニアーマーのようなハレンチ装備より、普通のが似合う。


「ありがとっ、でもこれ高いでしょ?すごい着心地がいいもん」


「値段は気にするな、俺が買っやる」


「えっ?いいの!?でもやっぱり悪いよ……」


「なら捨てるから脱げ」


「ありがたく使わせていただきます」


 どうせ遠慮することは分かっていたからな、でも女は皆”捨てる”って言葉に弱いって聞いたことがある(片寄った知識)


「そういえばお姉ちゃんローブの下はふぐっ‼」


 途中でルナが口を塞ぐ、多分ビキニアーマーを下着と勘違いしたんだろうな、ローブの下は下着だったら、露出狂だからな。


「あはははは、なんでもないよね~」


 俺は知っているからいいが、他人に露出狂だと勘違いされるのはいやだろう。


「俺は欲しいもの見つかったからもう出るぞ」


「分かったかいま行くから……さっきの服のことは内緒ね?」


「……分かった」


 外に出てからもう一度ルナの姿を確認する。

 やはり似合っている。

 上はカーディガンシャツに下はショートパンツ、その上から新しいローブ。

 新しいローブはフードが付いているものの、前のやつみたいに全身を覆えるほどではなく、どちらかといえばマントに近いだろう。

 ちなみに今のルナのステータスは……



 ルナ

  種族 サキュバス

  職業 魔術師 レベル55


 攻撃 C+

 防御 B+

 俊敏 C+

 魔力 A+

 運気 B+

 体力 B+


 スキル

  マジックブースト(魔法の威力上昇)


 装備

  魔術師のローブ

  ()()()()()()()()を使えるならステータス上昇

  自動浄化

  自動修復

  上記の能力を封印中(封印中は朽ちることはない)


 転生者が使っていないからか封印中とはなっているが、注目すべきは、何の運命か知らないがルナが()()()()持っていたスキルが使えればステータスが上がるという点だ。

 前の使用者も、きっとマジックブーストが使えたのだろう。


「……ぇ……ねぇ……ねぇってば‼」


「な、なんだ?」


「そんなに見つめられると、恥ずかしいよ…」


「わ、わるい」


 ステータス画面を見ていただけなのだが見すぎてしまったようだ。


「ステータスとかって自分で分かるのか?」


「え?何言ってるの?ステータスのこと考えれば見れるじゃん」


「もちろん、分かっているさ、少し確認を取りたくて」


「ん?この装備可愛いけど、何の能力もないじゃん……ステータスも下がってるし」


 たしかに今のままではな。


「心配するな、取り敢えずパーティーを組んでいみればわかる」


「どういうこと?」


「それは……」


 それを説明するにはやはり、俺の転生の件について話さねばならないかもしらない。


「話があるっていったよな」


「それと関係があるの?」


「ああ、場所変えよう」


 その後ルナの提案で、図書館に来ていた。

 ここには漫画喫茶のように個別の部屋もあるらしい。

 それに色々知りたいこともあるし、丁度良かったのだ。


「自分で提案しておいてなんだけど、ちょっと狭いね」


「……」


 当たり前だ……だってもともと一人専用なんですもの。

 個室の構造は、シンプルなものだった。

 机と椅子は左右の壁と一体になっているだけ。


「ちょっとドキドキしてきちゃうね❤」


「発情しないでよ」


「なっ!私をなんだと思ってるの‼」


「エロいサキュ……」「怒るよ?」


「ごめん」


 ちなみに俺は鎧があると二人で座れないので、全身タイツ……ではちょっとダサすぎるので、一応用意していた半袖短パン、完全に運動しに行く格好だ。

 女子狭い空間で肩を密着させていて、興奮しかける元童貞。


「やっぱりその声のほうが好き」


「でもやっぱり外ではちょっと……」


 こんなこともあろうかと前の世界では家で発声練習をしていたなんて口が裂けても言えない。


「別に気にしなくてもよくない?」


「でも、今のままならこの声聞けるのは君だけだよ?」


「喋り方なんて人それぞれでいいと思うわ」


 ちょろいな。


「で?話ってのは?」


「今から話すことは他言無用にして欲しいんだ」


「約束するわ」


 この話をしてルナはどう思うだろうか、そして僕が人間だと聞いても軽蔑しないだろうか……。

 この魔界には、見た目は人間の種族がたくさんいた。

 女神は魔力が違うとはいっていたが、少なくともこの町の人間に見える人々は、魔人族という種族だった。

 もしかしたら普通、魔界には人間はいないのでかもしれない。


「ルナは、俺の種族はなんだと思う?」


「え……普通に()()()じゃないの?」


「やはりか……」


「違うの?」


 少しルナは不安そうな顔をしているが、俺の予想は当たっていたのかもしれない、この町が特別な可能性はあるが……


「俺は人間なんだ」


「え……嘘……じゃあなんでここに?他所から来たってのは、人間界からってこと?でもあの森を一人で来たってこと?でもそんなこと……」


 ルナが思っていたよりも驚いているな、やはり人間は人間界にしかいないということか……それに”あの森”とやらが気になるな。


「一回落ち着いてくれ」


「え、あ、そうね……」


「まず最初に、俺は人間界からやって来た人間ではない」


「え……じゃあ……どこから?」


「俺はもともとこの世界の人間ではないんだ」


「嘘……でしょ?」


 俺はなぜ、この世界にやって来たのか、簡潔に伝えた。


「この世界には転生者が極希に現れるって聞いたことがあったけど、それが貴方だったなんて……」


「俺のこと嫌いになったか?」


「そんなこと絶対ない……だけと驚いてはいる」


「そうか……」


 無理もないか……それにここが剣と魔法の世界だからルナも信じられるのかもしれないが、前の世界で『私、転生してきたの』なんて言われても信じなかっただろう。


「じゃあ、その話とパーティーを組むんでみたら分かるって話が関係してるってこと?」


「ああ」


 俺は転生した時に手に入れた魔眼の話と、店で見たことを説明した。


「その魔眼、完全に鑑定眼の上位互換じゃない‼」


 ルナの話によるとこの世界には様々な魔眼があるらしいが通常、魔眼を手に入れる方法は2つで、生まれつき魔眼に覚醒するか、魔眼を移植するかの2つ、しかし後の方法は成功例が少ないらしい。

 その中でも鑑定眼とは武器やアイテムに付与された魔法や能力を調べることができるらしい。

 俺のは相手のステータスを見ることができるし、鑑定眼ではわからない武器の能力もわかるしな。


「相手のステータスが分かるのかはズルすぎない?」


「そうか?」


 と言っても見れるだけだだけどな。


「たとえば相手が魔法が得意か、武術が得意かがわかるんだから対策とか練れるじゃん」


「たしかに」


 考えても見なかった。


「それよりさ、もしその話が本当なら、この装備……」


「うん……」


「チートすぎない?」


 ですよねー。

 





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