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57 ごはんのお供 肉じゃがと豚の生姜焼き~異世界の食材を用いて~

 翔達が工房で色付きガラスを作っていたころ、残りのメンバーは夕食の準備をしていた。今晩の夕食は聖がメインの和食中心の料理となる。


「今回地球のご飯に合う料理を3品作りたいと思うわ。最初の料理の食材はこれ」

 聖の前には大量のユメジャガイモ、ツヤニンジン、モリタマネギ、モルンバッファーローの肉、調味料としてかつおぶし、みりん、醤油、砂糖が置かれていた。


「へ~、オオエドで買ったみりんと醤油を使うんだ」

「ええ、は今回の料理には醤油やみりんをよく使うの。一品目は肉じゃがを作るわ。まず食材の下準備から、ジャガイモ、ニンジンは皮をむいて一口大に切る。タマネギは両側の根の部分を切りおとして半分に切る。外側の茶色い皮を剥いて2センチぐらいの感覚で切る。モルンバッファーローの肉は一口大に切るわ」

 聖は説明しながらオオエドで買った和包丁で実際に調理し始めました。それを見ていたアリシア達は同じように大量の食材の下ごしらえを始めた。


「やっぱり聖はジャガイモの皮むきがうまいね~。クルクル向いていくんだもの」

「元の世界でも料理はよくしてましたから。それにヴィジョンではジャガイモは皮を剥かずにゆでるのが多いんでしょう?ゆでたジャガイモとゆでてないジャガイモでは皮の剥きやすさが変わるから」


「うう~、さすがにこんなに大量にタマネギを切ると涙が出るわね」

「涙が出る原因はタマネギの中に入ってる成分のせいなの。その成分が切る時に空中に出てきて鼻や目に入ると涙が出るのよ。だから料理中は鼻や目の周辺を魔力でガードしてその成分を入らないようにすればいいのよ。それが難しければ事前にタマネギを水洗いするやタマネギを切るときは口呼吸にするとかね。後一応状態異常だから状態異常回復魔法で回復するわよ」

「それを早く言ってよ【キュア】、本当に状態異常なのね、涙は止まったわ。後は魔力を操作して・・・これで良し。トントントン。本当ね、涙が全くでないわ。それにしてもすごいわね聖たちの元の世界は。こういうことまで調べていたのね」


「ええ。こっちの世界みたいに魔物や魔法は無かったから様々なことが研究されていたわ。タマネギの成分みたいに物体に含まれている成分について調べる学問を化学ばけがくって呼ばれていたわね。とこれですべて終了ね」

すべての食材の下準備が終わると聖は続いて大きな鍋を用意した。

「まず今回作る肉じゃがは煮物っていう料理の一つで出汁で食材を煮て作るの。だからまずは出汁を作るわ。作り方は味噌汁の時と一緒でかつおぶしから作るわ」

 聖は手慣れた様子で出汁を作っていった。あたりに出汁のいい香りが広がる。


「次に別の大きい鍋に油を少量加えてお肉を炒めます。ある程度火が入ればタマネギ、ジャガイモ、ニンジンを加え、先ほど作った出汁を入れます」

 聖は鍋に油を引くと弱火で火をつけ肉を加え、軽く火が入るまで炒めた。お肉に軽く火が入ると下ごしらえを終えたタマネギ、ジャガイモ、ニンジン、先ほど作った出汁を加え火を中火に変え煮始めた。


 少し時間がたつと聖はお玉を取り出し

「大量のお肉や野菜、魚を煮ていると水面に煮汁とは別の液体が出てくるわ。これはアクって言って野菜や魚、肉の苦みや渋みといった不要な成分がうま味と共ににじみ出てきたものなの。だからなるべく取り除いてあげて。でも取り過ぎるとうま味もなくなるから注意してね。目安としては6,7割ぐらいかな」


 聖はアクをある程度取り終えると醤油、みりん、砂糖の順に加え味をくわえた。

「ある程度アクを取り終えたら調味料を加え味を調えて、最後に落とし蓋があればあれば使うんだけどそこは魔法で代用ね」

 最後に鍋に結界魔法を張り、うまみの含んだ蒸気が逃げないようにした。


「これでにくじゃがはOK。次は豚のショウガ焼きを作るわ。副菜としてバリキャベツの千切りね」

聖はイノットンの肉、バリキャベツ、調味料として醤油、ミツマタショウガ、みりんを用意した。

「みつまたショウガを使うの?それって食べられないわよ!」

「そういえばヴィジョンではショウガって食材てみられてなかったわね。でもね調理次第で食べられるのよ。今回は調味料の一種として使うけどね。作り方は簡単。ボウルに醤油、みりん、すりおろしたショウガを加え混ぜる。次に薄く切った豚肉をフライパンで焼いて、そして」

 聖はボウルに調味料をいれ魔法で細かく砕いたショウガを加え混ぜ合わせた。そしてフライパンに油を引き、薄く切った豚肉を両面焼き始めた。しっかり火が通ったらさきほど混ぜた調味料をフライパンに注いだ。

ジュワ~~~

 台所内に焦げた醤油のいい匂いが広まった。

「いいにおい~。オオエドで嗅いだ醤油のいい匂いがする」

「これで完成。後は味噌汁を作って今日の夕食は完成ね」


~夕食時~

 食卓には先ほど聖達が作った豚の生姜焼き、肉じゃが、味噌汁、ごはんが並んでいた。

「へー、今日は肉じゃがと生姜焼きじゃん。聖が作ったの?」

「肉じゃがわね。豚の生姜焼きは皆で作ったわ。じゃあ食べましょうか?」

「ああ、じゃあいただきます」

「「いただきます」」

 翔が一口肉じゃがを口に入れかむたびに口中に甘い醤油の味が広まった。

「うん、これこれ。ジャガイモも中まで味が染みてるし、味もご飯が進むように少し濃くしてる。めっちゃおいしいよ、聖」

「ありがとう」

「この豚の生姜焼きもすごくおいしい。醤油だけじゃなくショウガのピリッとした味がアクセントになってる。まさかあのミツマタショウガがこんな味になるなんて」

「ええ。ショウガは身体にもよく体が温まるから寒い時期や付け合わせとしてよく食べらているわ。これからもいろんな料理に使うから覚えていくといいわよ」



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