4VS破滅の意思④終末神の秘密
20分後、翔はワイズの猛攻で体勢を崩した。
「さすがね、翔。今の私をここまで消耗させるなんて。でももう終わりよ」
ワイズは最大の魔力を込められた黒神器を翔へ向ける。翔はワイズと戦いつつ20分間で仕掛けてたある魔法を発動するため皆に【テレパシー】を送った。
(みんな、今から神器の封印を解くから。でもその後魔力を使いすぎて少し動けなくなるから、回復するまでお願い)
とみんなに伝えた後、ワイズの神器が翔に振り下ろされた。
「【空間魔法:ゲート】」
しかし翔は自分とワイズの正面を魔法でつなぎワイズの正面に転移した。そして詠唱しながら技を放つ。
「今こそ悪意ある意思からの解放を。【天魔流神技:螺旋双破・相転解離】」
翔は両手それぞれに光、闇の魔力を螺旋状にまとわせ、ワイズの体に打ち込んだ。ワイズは技の威力で後ろに吹き飛びんでいく。そして翔の腕にはいつの間にか少女が横たわっていた。
体制を立て直したワイズは翔の腕に抱かれている少女を見たあと自分の身体を確認した。なんとワイズの身体は実体を失っていた。ワイズは翔を睨み怒りのこもった声で問いただす。
「なっ!分離したですって?。翔、何をしたあぁぁ?」
「今の技は光と闇、相反する魔力を使い敵に打ち込む技。この技は敵にダメージを与える技ではなく敵の状態を元の状態に戻す技。例えば肉体を乗っとられている魂とかをね。今回は対象が神だからもう魔力がスッカラカンで動けないけどね」
「くっ!まさか人間ごときに解除されるとは思わなかったわ。その体を返しなさい、翔!」
と言いながらワイズは翔に飛びかかってきた。それに対して翔は何もせず不敵に笑い聞き返す。
「いいの?俺だけに集中していて?」
「何をいっているガっ!」
するといきなりワイズは横から殴り飛ばされた。殴ったのはミゼル。その拳には輝きを取り戻した神器があった。さらに他のメンバーも翔の下に集まった。そしてミゼルが翔に抱かれている少女を見ながら翔に尋ねた。
「なんで神器の封印が解けたの?その少女はいったい誰?」
「ここに来るまでに1度全員がばらけた時があったでしょ。その時俺は中央に丸いボールが置かれた部屋に行ったんだ。そのボールに触れると1年前神域であった事の記憶が頭に流れ込んできた。簡単に説明すると神域に新しい神が誕生した。その神に黒い生物が近寄ってきた。その黒い生物に導かれ祠に行くと黒い球体があった。その球体に新しい神が手を触れるとその球体に封印されていた破滅の意思に新しい神が取り込まれ、すべての神が封印された」
「俺はこの映像を見た後、いくつかの疑問が解決した。①なぜ俺たちが異世界転移されたのか?②何故神の力が弱まったのか?③何故神器及び神の力が宿った武器の居場所がわからなかったのか?だけどこの情報が正しいかどうかはわからないからみんなには伝えなかったんだ」
「みんなの神器が封印されたとき、新しい神の力で封印されたと思ったから、どうにか分離できないか試してみたら運よく成功したみたい」
「じゃあ、その子は?」
「うん、あの記憶にあった新しい神様。これであとはあの破滅の意思ワイズを倒すだけ」
「わかった」
1時間後
「いい加減に倒れろ」
優斗の【ジャッジメントバースト】がワイズに直撃する。ワイズもダメージを受けているが、自身の体を丸め、周囲に無数の球を展開した。そして全方位に放ってきた。優斗たちはそれぞれ武器で球をはじく。さっきからこの繰り返しである。ある一定以上のダメージを与える→ワイズが黒い球体に変化。その中で体力を回復→その間ワイズの周囲には無数の黒い球体が出現し優斗たちを攻撃する
というループが先ほどから繰り返し行われた。どうしようかと考えていたところに魔力が回復した翔が近付きある提案を行った。
「みんな、策がある。策を言う前にみんなに確認。もしバリアを張る前のワイズに神器全部の攻撃を与えれたら倒せると思う?」
「それができたら倒せるだろうけど無理だろ?」
「いや、できる。作戦は
遠距離攻撃でワイズを球体発生状態にする
俺が空間魔法で全員をワイズの上に転移させる
俺が球体を空間魔法で排除
全員で総攻撃」
翔が作戦を言うとミーシャがある疑問を述べる。
「魔力は持つの~?」
そう。本来翔が使っている空間魔法は魔力を大量に消費する。魔力が回復したからってそんなに多用して大丈夫なのかとミーシャは心配しているのだ。
「ああ、さすがに攻撃はできないけど身を守るだけの魔力は残るよ。ただチャンスは一度だけだから何があっても確実に決めてほしい」
「「ん?わかった」」
それから5分後
「【オルフェウスランス】」
真保が唱えた光の槍がワイズを貫いた。ワイズは球体となり周りに黒い球体が出現し始めた。
「【フォース・アップ】、みんなお願い」
翔は全員に強化魔法をかけた後作戦通り転送した、翔以外を翔の頭上へ
「「え、どういうこと?」」
とみんなが驚いている間にさらに戦闘は進む