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172 ピラミッド探索②森の空間を探索

-真保視点-


「【ジャッジメントブラスター】」


 ミーシャの光の弾丸がキングスケルトンとカオスティラノを貫き、2匹とも倒れた。私たちはその様子を確認すると戦闘形態を解いたわ。すると距離を取っていたユーナがシャルルに乗って近づいて来た。その顔をみると先ほど下に落ちた翔を心配しているようだ。


「真保お姉ちゃん、お兄ちゃんは大丈夫?」


「ええ、落下したぐらいで翔は死なないわ。今は上に上がる道を探してるんじゃないかしら」


 私はひそかに【テレパシー】で皆に連絡をとる。


(皆、表情を変えないで聞いて。皆も気づいていると思うけどずっと誰かに監視されてるわ。翔はその監視があるから時空間魔法を使わずに下へと落下したんだと思うの。だから私達もこのまま上へと進みましょう)


 私が全員の顔を見ると、全員理解したようにうなづいたので階段を渡り先に進むことにしたわ。階段を上がり次の階層に入ると景色は一変する。


「森だー」


 ユーナが言う通り先ほどの石レンガの空間からいきなり森に変わったわ。もしかすると階層ごとに空間が変わっているのかもしれない。注意しなくちゃね。

私たちは森の中を進んでいくと狼や蜘蛛、サルの魔物が出てくるけどホウホウたちの攻撃で倒れていくわ。森を進んでいると独特な香りがしてきた。その場所に行ってみると10本ほどの花が咲いている場所につく。しかし


ボコッボコッ


 花の下の地面がくずれ巨大な樹の巨人が現れた。鑑定してみるとガラムマサラウッドとなっている。


「皆、これもカレーの材料よ。頭の花は燃やさないように戦って」


 私の指示を聞いてみんなは動き出すわ。そしてガラムマサラウッドの花を切り取るとガラムマサラウッドは倒れた。


「それがカレーの材料になるの?だったらもっと量がいるわね」


 アリシアの言う通りこれだけじゃ足りないわ。私たちは周囲にいるガラムマサラウッドを倒してガラムマサラの花を集めることにした。


 そしてガラムマサラの花を倒した後森を抜けると開けた場所に出て、そこには赤、青、緑色の結晶でできたゴーレムが居座っていた。鑑定してみるとそれぞれルビー・ゴーレム、サファイア・ゴーレム、エメラルド・ゴーレムとなっていた。


 私たちが近付くとゴーレムたちは動き出し戦闘が始まる。それぞれのゴーレムは炎、氷、風を纏い殴ったり、蹴ったりしてくるが動きは単純なため攻撃は当てやすかった。そして


「これで一体目」


レオナのナイフでルビーゴーレムが崩れ落ちた。しかしすぐに修復され元のルビーゴーレムに戻った。


「うそ、何で?」


 もしかしてスケルトンと同じ修復系、でも魔力は感じないわよ、どういうこと?そしてしばし戦闘が進むとこのゴーレムの特徴が分かった。どうやら3体のうち一体が倒れると他のゴーレムから魔力が供給され復活するみたい。それに魔力も少しずつ回復しているわ。ということは


「全員一緒のタイミングで倒すということなの」


 ミーシャの言う通り一度に全員を倒せばいいはずね。私たちは目を合わせてそれぞれ動く。そして


「行きましたよ、真保」


聖がメイスでルビー・ゴーレムを

雪がサファイア・ゴーレムを

ショウマがエメラルドゴーレムを一か所に吹き飛ばした。そして私はそこへ唱えていた魔法を発動する。


「【サンダーボルシャック】」


 大量の雷撃がゴーレムたちを打ち滅ぼし、もうゴーレムは再生しなかった。ふう終わったわね。さて次はどんな感じかしら?



-ピラミッド内とある空間-


「なんじゃあいつらは?儂が作った魔物をあんな簡単に倒すとは?」


 背中に黒い翼、おしりには長い尻尾を持った女性は真保達を監視しているモニターを見ながらそう叫ぶ。


「せっかく初めて来たお客なんじゃぞ?異世界の知識を用いて作った魔物で撃退しようと思ったが奴ら全然倒れないし。最初の男が落下して入り口に戻っただけじゃないか」


「へえ、死ぬわけではないんだ?」


「そうじゃ、このピラミッドはアース様から頂いた魔物を作り出す力とピラミッド内をいろいろ作り替える力で死ぬほどのダメージを受けると入り口に戻る仕掛けになっとるんじゃ」


「へえ、すごい」


「そうじゃろう・・・・って儂は誰と話してるんじゃ?」


女性は声のする方を振り向くと先ほど落下した男がなぜかこの空間にいた。


「どうやってこの空間に来たんじゃ?」


「ん?そんなの簡単だよ、近くにいたワームを倒してこの空間に入り口を作って入ってきたんだ」


 こうして翔は謎の女性と遭遇する。

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