17 メルトホルン共和国観光 前編
「まだ昼だけど、これからどうする?」
各自の部屋が決まった後、翔は真保達に今後の予定について尋ねることにした。すると真保達は大型の家具は持って来たらしく、こまごまとした家具はメルトホルンで買うことにしたらしい。それを聞いた翔とレオナはついでにメルトホルンを案内することにした。
翔とレオナはまず窓から様々な小物が見える全体的に落ち着いた暗い緑色のお店につkれて来た。
「まずはここ。家庭の便利所『シルキーショップ』。比較的安い食器やペン、メモ帳などの身の回りの物は大抵集まるわ」
レオナの説明を聞きながら店内に入るとたくさんの棚やテーブルの上に様々な小物や食器、家具などが置かれていた。翔達は自由に店内を見回ることにした
「このお皿いいデザインね」
「ちょうど数も揃ってるから買いましょう」
レオナと聖が普段使用するお皿を買ったり
「このボード各部屋の扉に付けたらわかり易いわね」
「確かにそうね。この木材の質感もいい感じ」
ミゼルとアリシアがボードの話をしたりしていた。すると聖が何かを見つけ真保に話しかける。
「ん?真保、このメモ帳見てください。これって」
「そうよね、地球の切り取り可能なメモ帳じゃない。どうしてこんなとこに売ってるの?」
「あとこの画板もですね」
聖と真保が店内で見つけた地球の雑貨に驚いていると白いロップイヤーの獣人の女性が翔達に近づいていき翔に声を掛ける。
「お久しぶりです、翔さん」
「半年ぶりぐらいですね、シルキーさん。商品の売れ行きは順調ですか?」
「はい。翔さんと開発した商品は売れすぎてうれしい悲鳴を上げている所です」
「それはよかった」
翔は白いロップイヤーの女性と和やかに話し始める。その会話を聞いていた聖は先ほど見た地球の商品を見せると
「翔君がこの商品を作ったの!」
「ああ、ここにいるシルキーさんと共にいくつか元の世界の商品を再現したんだ」
「最初相談された時は怪しかったですよ。いきなり絵を見せられて「こういう感じのメモ帳が無いですか?」でしたから。でも話していくうちにすごいアイディアを持っていることがわかったのでそれ以降懇意にさしてもらっています」
「みんなも面白いアイディアがあれば相談したらいいよ」
「はい。ぜひ気軽にご相談ください。お待ちしています」
そして翔たちは買い物を済ませ次のお店に向かった。
次に向かったのは2階建ての全体的に黒いお店で、表に椅子やテーブル、のこぎりのオブジェクトなどが置かれていた。
「ここは家具屋『カグヤ』。棚やベッド、照明、椅子、テーブルなどの家具なら大体の物が揃ってて、オーダーメイド品も頼むことはできるわ」
レオナの説明を聞き店内に入ると大小さまざまな棚や椅子などの家具が陳列されていた。翔達は自由に店内を見回ることにした。
「ハンモックも売ってる?ちょうど買い換えようと思ったんだけど」
「大丈夫よ、アリシア。エルフの職人が作ったハンモックがここにあるから」
アリシアの質問にレオナはある一角をさししめした。そこには様々な色のハンモックが展示されており、アリシアはいくつかのハンモックを手に取り触感を確かめている。
「あとリビングに食器棚が欲しいですね」
「それにさっき話してたテーブルと椅子なの」
と翔の自宅のリビングの状態を頭に浮かべながら各自いろいろと要望を話し合っていると初老の男性が話しかけてきた。
「いらっしゃいませ、よければご案内いたしますよ翔様、レオナ様、お嬢様方」
「久しぶり、ノールさん」
「ノール、じゃあ案内お願い」
「お久しぶりです、翔様、レオナ様。ではまず食器棚からご案内さしていただきます」
翔とレオナが親し気に初老の男性改めノールに案内を頼んでいるとその様子を不思議におもったミーシャが翔達に声を掛ける
「ねえ、翔君、レオナ、この人とはどういう関係なの?」
「紹介するわ、彼の名はノーム。元私の教育係なのよ」
「それに俺がこの世界に来たときすごくお世話になったんだ」
「いえいえ、少しお手伝いさしていただいただけです。こちらがテーブル、椅子の区画ですね。テーブルについては丸形、四角型と様々な色、形、大きさを扱っております。椅子に関しては翼、しっぽを持つ方や様々な体格に対応できるように用意しております」
ノームの説明により女性陣は椅子を選びました。
真保は足部分が水色、座る場所は四角、背もたれ部分は青、白の縞模様の入った椅子
聖は全体的に白、座る部分は丸型、背もたれ部分は丸型の椅子
アリシアは素材は木材で、アクセントに木の葉を使用した椅子
ミゼルは足部分が黒、座る場所は丸型、背もたれ部分は赤い椅子
リーシャは足部分が白、座る場所は丸形、背もたれ部分は翼を守るために柔らかい素材を用いた椅子
レオナは足部分が白、座る場所は四角、背もたれ部分は緑の椅子をそれぞれ選んだ
「次はテーブルだけどどんなのがいいかな?」
「形は正四角形で1辺に2人が座れるぐらいの大きさかしら」
「色は白が合ってるね」
「「そうね」」
と全員の意見を取り入れて決定した。
「次は食器棚でしたね。どのような物が必要でしょうか?」
「センスは女性陣の方がいいから任せるよ?」
ノームの質問に対して翔はセンスがある女性陣に任せることにした
「だったら・・・」
「色は・・・」
「大きさは・・・」
女性陣が話し合い食器棚をきめると真帆が隣の区画に会ったあるクッションに目が行った。この反応は『カグヤ』でもメモ帳に似ている。真保は気になったクッションを手に持ちながら触感を確かめると
「あれ、このクッションって?聖も触ってみて」
隣にいる聖にもクッションを渡すと、聖も真保と同じように触ってみると
「これって、【ダメになるクッション】ですよね?」
と地球であったあるクッションを思い浮かべる。その様子を見たレオナはクッションについて話し出す。
「ああ、それってノームと翔が一緒に作ったクッションじゃない」
「翔、こんなの作ってたの?」
「ああ、こっちのクッションって固いからどうにかならないかとノームさんに相談したんだ。そしていろいろ試行錯誤した結果生まれたクッションの一つかな」
翔の話を聞いて近くのクッションを触ってみると
「確かにシグル王国のに比べると格段に柔らかい」
「翔君、雑貨だけじゃなくクッションも再現してたとは知りませんでしたわ?」
「えっ?それだけじゃないよね?」
「「えっ!」」
「それに関してはあとあとわかるよ」
と少し気になることを言い残して家具屋から出て行った。そうして少し歩いているとアリシアがレオナたちに声を掛ける。




