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145 季節は夏に

皆さんお待たせしました。一週間の休みの後再開です。これから19時毎日更新できるように頑張りたいと思います。

今回から新章ですが今回の大きな筋書きはもしコレクトスターがメルトホルンからなくなるとどうなるかです。ちなみに現在の評価は

総合評価:440

評価者数:11

ブックマーク数:177

総PV10万です

これらを励みに頑張ります

 ここはヴィジョンのメルトホルン共和国市民街にある異世界デパートコレクトスターの中の雑貨屋:星降る夜。今日も客足は途絶えない。



 7月中旬、気温が上がり本格的な夏が到来したころ、水と氷の魔石を用いた魔道具により温度が調整された店内で商品であるシャンプーを詰め込んだかごを持った男の子が歩いている。その男の子はある棚の近くにかごを置くとそばにいる男に話しかける。


「翔お兄ちゃん、シャンプー持って来たよ」


「ありがと、そこに置いといて」


 棚の近くにいた翔は店員の子供にお礼を言うと商品の補充を始める。補充を進めていると近くにいる女性のお客の声が聞こえてくる。


「今年も暑いわね」


「ええこのお店は涼しいけど魔道具自体高級品で家には設置できないもの」


「最近ヒノクニのウチワでまだましだけどなにかないかしら?」


「じゃあ今日も黄昏でプリンやあんみつを買って帰りましょうか?」


「いいわね。最近街のお店でも売っているけど、ここより冷えたお菓子は売ってないものね」


 女性客はお店を出ていった。その話を聞きながら翔は少し考え込む。


(お菓子については氷菓子類を追加しようかな。魔道具についてはアレを作ってみるか)


「翔お兄ちゃん、そろそろ時間だよ」


「ああ、ありがと」


 翔が少し考え込んでいると定員の子供がお店を閉める時間だと伝えてくれた。翔は店を閉めた後担当の子供たちと店内を掃除してコレクトスターの出入り口に向かった。そこには


「お疲れ様、翔君」


 聖が待っていた。今日聖は流星の工房を手伝っており翔と一緒に家に帰る約束をしていた。聖は翔隣に並び腕に抱き着いた。翔は少し照れくさそうにしながら聖とは歩幅を揃え翔り道を歩いていく。


「こっちでも夕方になると涼しいですね」


「ああ、このぐらいの気温なら散歩はしやすいな。今から買い物するんだけど聖もついてくる?」


「ええ、喜んで」


 メルトホルンの市民区には様々な商品を売っている市場がある。翔や聖達は食料は星空ファームで食器や雑貨はコレクトスターで買えば十分なのだが、時折市場で買い物するついでに何が売れているのか、何を欲しているのか、物の流れはおかしくないかなど市場調査をしている。


 翔と聖が市場を歩いていると


「あら、翔君、聖ちゃん、今日もラブラブね。二人でお買い物?」


 と果物屋のおばちゃんが話しかけてきた。すると周りの屋台からも翔達の来訪を喜んだり、翔達の関係性を(いい意味で)冷やかしたりと大人気だった。


 翔はヴィジョンにきてからメルトホルンの市民区の宿屋で暮らしていた。そのためこの市場にはよく来ており顔を覚えられていた。またある時メルトホルン近くで輸送中の馬車を盗賊団が襲い物流が止まった時があった。アルフレッドも大事だととらえ国の兵士や冒険者に事件の解決を急がしたが盗賊団の尻尾もとらえることが出来なかった。そのせいで市場も機能しなくなりかけた時、翔、アリシア、ミゼル、ミーシャ、レオナが盗賊団を捕まえ、物流を復活させた。


 そのこともあり市場で働く人たちは翔達の事を自分の子供たちの用に慕い見守ってきた。また翔と真保達との関係性も応援しており、ここだけの話だが誰が翔とくっつくかで賭けをしていたそうな。そして全員とくっつくと予想していたどこかの果物屋のおばちゃんが一人勝ちしたそうな・・・。


 翔と聖はいくつかの食材などを買ったのち自宅へ帰っていく。その帰路翔は聖に明日の予定を伝える。


「あとで皆にも伝えるけど、今日星降る夜でお客さんから聞いたけど冷たい甘い物が欲しいんだって。だから明日は黄昏の彗星で出す新しいお菓子を作る予定なんだ」


「へえ、何を作るのかしら?」


「この季節にぴったりなあのお菓子さ」



 とある貴族の家


「どうだ、準備は順調か?」


 偉そうに椅子に座っている男が近くにいる執事に話しかける。執事はいくつかの書類を主人である男性に見せ話し出す。


「はい。天魔翔がコレクトスターを始めたことにより打撃を受けたいくつかの商店より協力を取り付けられました。今秘密裏に天魔翔に罪を着せるために裏で完璧な物証などを作っております」


「そうか。アイツを指示しているルード商会は黙らせそうか?」


「はい。さすがにこちらの陣営に引き込むことはできませんでしたがさすがにあれだけの証拠を見せれば大丈夫でしょう」


「よし、そのまま続けろ。いいな慎重にだぞ。他の貴族についてはどうだ?」


「はい、議会に参加する貴族の数名は丸め込むことに成功しました。こちらも着々と進めております。このままいけば天魔翔を追い出しコレクトスターはご主人様の物に、そして・・・」


「くっくっく、そうかもうすぐだ。俺よりすべてを奪ったあいつに目にモノを見せることが出来る」


 部屋中に彼の笑い声がこだまする。


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