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かわいい女神と異世界転生なんて考えてもみなかった。  作者: 相生蒼尉
第3章 辺境都市編

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第79話:女神に名前も覚えられていない男が恋をした場合

感謝感激、累計20万PVを突破!!!

ありがとうございます。嬉しいです。

どんどん、お友達に紹介してくださると嬉しいです。

拡散希望です。

6月中の更新は17時です。

7月からは0時更新にしますので、ご注意願います。



とある男の視点から、です。


 おれの名前はナイズ。

 ナイズと呼んでくれ。

 え?

 何者だって?

 そりや、あれだ、ほら、なんだ、その、あれだよ。

 ・・・大草原の代表だ。

 え?

 なんの代表だって?

 そりゃ、なんだ、その、あれだ、ほら、あれだよ。

 え?

 もてない男の代表?

 はあーっ?

 なんで、そんなこと言うんだよ?

 おれは、ナルカン氏族、族長ドウラの従兄弟で、ナイズだ。

 もてない男で悪かったな。


 おれには好きな女がいる。

 子どもの頃から、ずっと、だ。

 いつか、一緒になるかもしれない、そんな風に思ってた。

 でも、それは、そのはかない夢は破れた。

 ライムは他氏族へ嫁に出されたからな。

 もちろん、政略結婚だ。

 ライムが9歳の時だった。

 ライムはおれの従姉妹で、族長のドウラの双子の姉だ。

 おれたち三人は同い年だ。

 子どもの頃から、小さなころから、一緒に暮らし、一緒に育った。

 そして、ライムは嫁にいった。

 さみしかった。

 初恋だったんだ。

 今もまだ、本当は、吹っ切れてない。


 ライムは14歳で氏族のテントに戻った。

 子どもに恵まれなかったからだ。

 政略結婚で他氏族に嫁いで、子どもを産めずに戻された女を、出戻り女、と大草原では呼ぶ。

 そして、出戻り女とは。

 男たちの慰み者になるのが普通だ。

 なぜなら、そんな役立たずにできることは、男たちの性欲処理ぐらいだからだ。

 氏族のために他氏族の元に嫁いで、つながりを保つはずが、子をなすこともなく、氏族へ戻されたのだ。せめて、それくらいの役に立てよ、と。

 氏族内の男の多くは結婚ができない。

 族長には複数の妻がいる場合もあるのに、だ。族長の血筋が最優先だからな。

 族長から妻の一人を譲り受ける、なんてこともあるが、逆にそうでもなければ結婚する機会がない。うちもそうだった。親父が前の族長から妻の一人を譲り受けたから、おれたちが生まれた。

 その場合には、族長の力が周囲の他氏族に認められ、多くの政略結婚が行われる、という結果がないと、妻の一人を譲られることもない。

 だから、男たちのほとんどは結婚できずにいろいろと溜め込むし、その、男たちが溜め込むエネルギーをどこかで発散しなければならない。

 その対象として、出戻り女はちょうどいい存在なのだ。

 ところが、ライムは若くして跡を継いだ族長の双子の姉。

 その時点で、なかなか、出戻り女として軽々しく性欲をぶつけにくいところがあった。

 それでも、ライムに下品な言葉をかけたり、ライムに触れようとしたりする、氏族の男はいた。

 そんな男もいたのだ。

 でも、いなくなった。

 ・・・おれが、そういう連中を次から次へと叩きのめしたからだ。

 ライムをあんな連中の性欲処理になんか、させない。

 その結果として、ライムは、ごく普通の出戻り女とは違う状態になっていた。

 ・・・まあ、だからといって、おれはライムを口説いたりは、できなかったんだが・・・。

 ・・・初恋の純情だよ。

 ・・・分かれよ、そういうのも、さ。いいだろ、別に。

 出戻り女になったって、おれにはライムが眩しかったんだよ。

 文句あるのか?

 え、ない?

 そりゃ、どうも。分かってもらえてよかったよ。


 ところが、あいつが来て、ナルカン氏族は変わっちまった。

 最初は、布を羊と交換しに来ただけだった。

 色川石を見せられて欲を出した親父が、族長のドウラにささやいて。

 おれたちはあいつを囲んだ。

 たった一人でやってきたあいつから、全てを奪うために。


 今思えば、あれが失敗だった。

 奪おうとしたから、奪われたんだよ、氏族の誇りを。

 おれたちは、銅剣を抜いて、取り囲んだ状態から襲い掛かった。

 でも、打ち倒されたのはおれたちの方だった。

 おれたちには、相手の強さをはかることなどできなかった。

 欲に流された結果だ。

 たった一人でここまで来るような奴が弱いはずがないのだ。

 そんなことも考えつかない愚か者だった。

 銅剣を奪われて、氏族は武力を大きく落とし、羊も奪われて食料が足りなくなることは明白だった。

 もし、時間を戻せるのなら、あの時の、あの場で、親父を止めるのに。

 あいつは、おれたちを殺さないように、手加減をして、それでもほぼ一瞬で、五人全員を打ち倒したんだ。元々勝てるはずもない相手だった。

 でも、だからこそ・・・。


 二度目にあいつが来た時。

 ニイムさまは、あいつを取り込まなければならない、とはっきり言った。

 それはつまり、女を差し出す、ということ。

 族長のドウラとニイムさまは、誰をあいつに差し出すかで、言い争った。

 おれは、意見する立場にないから黙っていたが、ニイムさまの言う通りになるように願っていた。

 なぜなら、ドウラが差し出そうとしたのは、ライムだったからだ。

 既に、前回の交渉で、あいつには、ドウラの妹のリイムや、おれの妹のエイムを差し出し、あいつは大森林に連れ帰っていた。

 さらに、生娘を差し出そうとするニイムさまに対して、他氏族との婚姻を結ぶことが難しくなる、とドウラは抵抗した。ニイムさまは、あいつのことを、それだけの価値がある男だ、と。でも、ドウラも譲らなかった。

 そして。

 おれは絶望した。

 ドウラの意見が通り、ライムがそれを受け入れたことで。

 これまで、いやらしい目でライムを見る男たちから守り続けてきたのに。

 ライムはあいつに汚されることに決まったのだ。


 おれたちの家族のテントの中で。

 おれの頭の中にはライムの見たことのない裸体がぐるぐると回る。

 こんなことなら、もっと早くに、ライムの手を握れば良かった。

 ドウラを恨んだ。

 ニイムさまにも不満を持った。

 そして、あいつは、殺してやりたい、そう思った。

 ある夜。

 気になって、気になって、どうしようもなくなったおれは。

 あいつとライムがともに過ごしているテントに近づいた。

 ・・・聞こえてきたのは、間違いなく、ライムの声。

 ・・・意味のある言葉ではない。

 ・・・でも、それがライムの声だと、おれには分かる。

 ・・・意味のない声。

 ・・・でも、あれは、助けを求める声なのだ。

 おれは、その時、本気でそう思ったんだ。


「あんた、いい加減にしやがれ!」

 次の日の昼過ぎ、剣の修行といってライムを打ちのめすあいつにおれはそう叫んだ。「ライムに何の恨みがあるのか知らないが、何度も何度も打ち込んで、痛い思いをさせて! あんたの方が強いなんて、おれたち全員分かってんだよ! でもな、おれたち、ナルカン氏族にだって、氏族の誇りってもんがある! これ以上、ライムに手ぇ出すってんなら、おれが相手になってやる!」

「ナイズ、何を言ってるの?」

 おれの言葉に答えたのはあいつではなく、ライムだった。

「ライム、今、助ける!」

 そう叫んで、おれは進み出た。

 あいつとおれの間にライムが割って入る。

 ライム。

 おれのことを守ろうとして・・・。

 大丈夫だ、ライム。

 おれがおまえを、守る!

「ナイズ、馬鹿なこと言ってないで、あっちへ行って!」

「馬鹿なこと、だと? ライム、おまえは、こんな男に、いいようにされて、それでいいのかよ!」

「うるさいわね! わたしは、今、初めて、抱かれたいって思う男に抱かれて、幸せな毎日を過ごしてるの! 邪魔しないで!」

 そこから先は、思い出せない。

 よく覚えていないし、思い出したくもない。

 それなのに、一番忘れたい、ライムの言葉ははっきりと耳に残っていた。

 ・・・わたしは、今、初めて、抱かれたいって思う男に抱かれて、幸せな毎日を過ごしてるの、か。

 忘れたい。

 でも、幸せと言ったライム。

 ライムが幸せなら。

 それも仕方がないと、今は、思う。

 ただ。

 あの後。

 倒れたおれは草を舐めていた気がする。

 草は血の味がした。

 涙は出なかった。

 おれの初恋は、終わった。


 あいつは必ず殺してやる。

 それだけは心に刻んだ。

 あいつがやってくる度に、ライムが綺麗になっていく。

 必ず殺してやる、そう思った。

 ライムのお腹が大きくなり、あいつの子を産んだ。

 しかも、ドウラはその子を次の族長にするという。

 あいつを殺さないと、ナルカン氏族はダメになる、本気でそう感じた。

 だから、おれは・・・。

 親父の言葉に従ったんだ。


 ドウラの命令で、おれと親父がヤゾカン氏族の説得に出向いた。

 しかし、おれたちには説得する気がなかった。

 親父とヤゾカン氏族の族長は密談し、どうやってドウラを排除するかを話し合った。

 そのまま、ダリカン氏族とエレカン氏族のところまで行き、そこでも、ドウラを排除するために話し合った。

 特に、エレカン氏族は積極的だった。

 それは大草原の天才剣士、ジッドのことがあるからだ。ジッドはエレカン氏族の族長の血筋に連なる者だが、跡目争いで、今の族長に陥れられて、大森林へと逃れた。そのジッドを、ドウラはライムの妊娠中に、ナルカン氏族を守るため、という理由で、ナルカン氏族に受け入れた。その話は大草原中に広まり、エレカン氏族は強く反発したのだ。

 そういう経緯があるので、エレカン氏族はドウラの排除に積極的で、辺境都市の連中まで巻き込んで、いろいろな画策を進めた。

 ところが、エレカン氏族は「四方不仲」とあだ名されるような、周囲の他氏族との折り合いが悪い氏族だ。エレカン氏族が親父との関係を深めれば深めるほど、他の氏族はドウラの排除に乗ってこないのだ。

 何度も何度も、ドウラの命令でヤゾカン氏族を訪ね、ヤゾカン氏族を味方に付けるフリをして、ドウラを排除する相談をいろいろな氏族と重ねていく。

 しかし、エレカン氏族が乗り気になればなるほど、他の氏族は及び腰になる。

 結局、エレカン氏族とヤゾカン氏族だけが親父と手を結んだ。


 それは三年がかりだったが、同じ期間に、ドウラは四つの氏族を傘下におき、氏族同盟を結成した。

 氏族の数では五対二だ。

 数では勝負にならないはずのところだが、こっちには辺境都市の協力があった。しかも、ロウェンという名の辺境都市の男は、つい最近、大森林でひどい目にあったというじゃないか。しかも、辺境都市を治める男爵の腹心だという。

 勢いづいた親父とおれは、エレカン氏族が立てた作戦を実行に移す。

 まずはセルカン氏族を挑発する。

 辺境都市の隊商と組んで、セルカン氏族の子どもを連れ去る。実際には連れ去ろうとして見つかり、セルカン氏族に攻撃された。

 辺境都市の隊商が助けを求めたので、エレカン氏族が助っ人に入り、セルカン氏族を打ちのめす。エレカン氏族は武力一辺倒で、とにかく強い。

 子どもは取り返されてしまったが、セルカン氏族にはたくさんの怪我人が出た。

 しかも、この後で争う理由もできた。

 氏族同盟の中で、ひとつだけスレイン川の北に位置するセルカン氏族は、同盟から孤立していると言えた。

 エレカン氏族も、ヤゾカン氏族も、スレイン川の北側に位置する。

 セルカン氏族との争いなら、二対一で優位に立てる。

 しかも、相手は数を減らした状態で、だ。

 全てが作戦通り、とまではいかなかったが、セルカン氏族をうまく痛めつけることができた。

 川の北側まで、ドウラにはどうすることもできないだろう。

 そう考えていたが・・・。

 ドウラは大森林から助けを借りて、セルカン氏族を助け、エレカン氏族とヤゾカン氏族の連合に立ち向かったのだ。大森林からは何人かやってきたのだが、その中には、久しぶりに会う妹のエイムもいた。

 おれと親父は、その戦いが始まる直前にドウラを裏切り、ドウラを窮地に陥れた・・・つもりだった。

 ・・・甘かったのだ。

 あいつの強さは知っていたのに。

 あいつの仲間である、大森林の連中が普通だなんて、なんで勘違いをしたのか。

 大森林の者たちと一緒にやってきた妹のエイムがごみを見るようなとても冷たい目でおれと親父を見ていた、気がする。

「父さんや兄さんのせいで、私やリイム、ナルカン氏族から大森林に行ったみんながどう思われるか、もっと真剣に考えてほしかったけど、もう親子でも兄妹でもないと思うから・・・」

 そんな声が、妹から聞こえた。

 ドウラに与力していた大森林の者たちに、親父はあっという間に叩きのめされた。

 おれは、小さな女の子に、一瞬でやられた。

 そういう変な夢を見てしまったらしい。

 ぼんやりとしていく視界の隅に、馬に乗った者たちに追い散らされ、蹂躙されるエレカン氏族とヤゾカン氏族の男たちの姿が見えた。

 意識を取り戻した時、おれと親父の周囲には誰もいない状態で、あとわずかとなったエレカン氏族をドウラたちが取り囲み、エレカン氏族の族長が追い詰められていた。

 おれと親父は、その場から逃げた。

 エレカン氏族やヤゾカン氏族のことなど、知ったことではない。

 もう、おれたちは大草原にはいられない。もう無理だ。

 同じように逃げ出した辺境都市のロウェンとともに、スレイン川に沿って、辺境都市へと走った。

 ひたすら、後ろも見ずに、走り続けた。

 もう、大草原には、おれと親父の居場所は、ない。もう帰れない。

 全部、あいつのせいだ。


 ロウェンとともに、辺境都市の門をくぐる。

 門衛たちが驚いて、ロウェンを迎える。兵士長、という言葉が聞こえる。どうやらロウェンは辺境都市では有名な奴らしい。

 そのまま、辺境都市の支配者である男爵の屋敷をめざす。

 あっさり中に入ることができた。これまたロウェンはなかなか偉い奴らしい。

 男爵に大草原のことを報告するつもりだというが、肝心の男爵が屋敷にいない。

 辺境伯の軍勢が攻め寄せていて、それに対応しているという。

 しばらく待つと、男爵が戻ってきて、目通りが叶う。

 こんな偉い人とすぐに会えるなんて考えてもみなかった。

 しかし、こっちの言葉は、まだよく分からない。

 大草原、とか、敵対、とか、子どもたち、とか、大森林、とか。

 まあ、口減らしの子どもたちは大森林に行き、辺境都市には行かなくなっているって話だろう。

 あとは、今回の一件で大草原の氏族同盟が敵に回るかもしれないという話か。

 そんな報告をロウェンが男爵にしている。

 その中で、気になる言葉があった。

 オーバ。

 ・・・あいつの名だ。

 おれは親父を見た。

 親父も、おれを見ていた。

 どうやら聞き間違いではないらしい。

 さらに、赤髪、赤瞳と、言葉が続く。

 それも、気になる言葉だ。

 とても気になる言葉だ。

 どうして、こんなところまで来て、あいつの名を聞くことになる?

 男爵と激しく話し合っていたロウェンが、おれと親父を振り返る。

 そして、おれたちの言葉で話しかけてきた。

「ガイズ、ナイズ。おまえたちは、オーバという名前に聞き覚えはないだろうか?」

「あるぞ、聞いたことがある名だ」

 親父が答える。

 おれもうなずく。

 ロウェンは男爵に伝える。親父の言葉を伝えているのだろう。

 男爵と話したロウェンが再びおれたちの方を見る。

「おまえたちの知っているオーバとは、何者だ?」

「オオバは大森林からナルカン氏族を訪ねてくる男だ。本人は大森林の村の長だと名乗っている」

「大森林の村の長だと? 本当か?」

「本当だ。木剣を使い、銅剣で戦ったおれたちを何人も、あっという間に叩きのめす強さを持つ男だ。村長というのは嘘ではないだろうと思う」

「・・・それほどまでに強いのか」

 ロウェンは男爵に向き直り、また男爵と激しいやりとりを繰り返す。

 オーバ、大森林、強い、といった言葉が聞こえる。

 ・・・あいつは、辺境都市の支配者にまで、知られているというのか?

 ・・・大草原を越えて? まさか?

「ガイズ、クレアという名に聞き覚えはあるのか?」

「ある。赤い髪、赤い瞳の女だ。オーバと一緒によくナルカン氏族を訪ねてくる」

 そうだ。あの赤い髪の女は、氏族のテントにやってきては、ライムと仲良くしてた。

「その女も強いのか?」

「ああ、強い。他の氏族がナルカン氏族に仕掛けてきた時、たまたま、その赤い髪の女がいた。あっという間に他の氏族の男たちを蹴散らして追い払ったよ」

「その女も強いのか・・・」

「ロウェン。あんたもこの前の戦いで見たんじゃないのか? オオバやクレアだけでなく、大森林の者たちは総じて強い。怖ろしいほどに、だ」

「・・・見たとも。見ていなかったら、信じられないことだっただろうに」

 ロウェンは独り言のようにつぶやく。「兵士が50、いや、100はいるな・・・」

 そして、ロウェンは男爵と話を進める。

 男爵の表情が変化し、この場の雰囲気が重苦しく、とげとげしいものになっていく。

 ロウェンと男爵の言葉が途切れた時、男爵は立ち上がって叫んだ。

 返事をしたロウェンがおれと親父を振り返る。

「ついてきてくれ。顔を確認してもらいたいんだ」

 それが、何を意味しているか。

 分からないはずがない。

 あいつが、ここに、いる。

 心の底から、殺したいと、願う、あいつが。


 ロウェンに従い、おれと親父は歩く。

 ロウェンはテキパキと指示を出し、次々と兵士たちが集まってくる。

 10人、20人と、兵士は増え、100人くらいにはなったな、と思った時、男爵もやってきた。

 先頭にロウェン、そして男爵。

 そのすぐ後ろにおれと親父がいて、その後に兵士たちが続く。

 町の人たちが振り返り、注目する。

 慌ててその場からいなくなる人もいる。

 そして、たどり着いたのは大きな建物だ。男爵の屋敷ほどではないが、歩いてここにくるまでに見た中では、その次ぐらいには大きな建物だ。

 ロウェン、男爵、おれと親父に続いて、2、30人くらいの兵士がその建物の中に入る。その後も次々と兵士が中へ入ってくる。

 ・・・いた。

 ・・・見間違えるはず、ない。

 ・・・あいつ、だ。

 おれは、その瞬間、あいつに向かって駆け出していた。




さあ、戦闘開始・・・となるや否や?


6月中の更新は17時です。

7月からは0時更新にしますので、ご注意願います。

評価、ブックマーク、どしどしよろしくお願いします。

こんなに続くとは思ってもみなかった連続更新。

明日も17時更新予定です。

よろしくお願いします。


掲載時間は決まっていませんが、活動報告でプチ予告編を掲載中です。

更新後、2~4時間くらいの間に載せています。



もうひと作品、「賢王の絵師」

完結済みですので、安心してお読みください。


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