表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かわいい女神と異世界転生なんて考えてもみなかった。  作者: 相生蒼尉
第2章 大草原編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/132

第34話:女神が本体なのか分身なのか悩む場合

 今回は、接近遭遇戦です。

 おれが転生してから百五十一日目。

 アコンの村を出発し、まずは虹池の村の跡地をめざす。

 『高速長駆』で約二時間。

 全力で移動したおれは、生命力、精神力、忍耐力を消耗したが、無事に虹池の村の跡地に到着した。

 虹池の村を最初にめざしたのは、ジッドとの話し合いの結果だ。

 虹池から流れる小川は、大草原へとつながり、大草原を流れる河川へと合流しているという。

 その合流地点から東の草原のどこかに、ひとつの氏族が暮らしているらしい。

 どこかに、というのは、一か所に留まらず、移動して生活しているから。

 今回の目的地は、その氏族のところ。

 目的は交易。

 こっちの手札となる品物は、クマラ特製の布。ネアコンイモの細い方の芋づるから採取した白くて丈夫な糸を使って織りあげた布。ただし、一番たて糸の本数が少ない「荒目布」がメイン。

 他にも、大森林ならではの物品を用意しているが、それを使うかどうかは、その時の状況次第だ。

 相手から受け取りたいものは、羊、馬、そして、男の子、または適齢期の女性。

 そう、男の子、それに適齢期の女性だ。

 人間が交換品目に入っているのはどうかと思わなくもないが、これもアコンの村の人口問題の解決のためだ。

 アコンの村で暮らしているのは、まずはおれ。そして、オギ沼の村出身には、ジル、ウル、ヨル。ダリの泉の村出身には、ノイハ、セイハ、クマラ、アイラ、シエラ。虹池の村出身はジッド、ムッド、スーラ、サーラ、エラン。花咲池の村出身は、トトザ、マーナ、ケーナ、ラーナ、セーナ。

 以上十九名。男性七名。女性十二名。

 男性七名、だ。

 今のままでは、人口の男女バランスが悪過ぎる。

 おれが「王」として、複数の女性を妻に迎える予定ではあるものの、それでも、男女バランスが悪い。

 既婚者であるトトザとマーナの夫婦や、奥さんに先立たれたジッドを除けば、十六名中、男性五名、女性十一名。まあ、アイラは既におれの后だし、クマラはおれの婚約者なので、そこをさらに引いたとして、男性四名に対し、女性九名となる。

 成人で適齢期なのはノイハとセイハ。年齢的には成人間近でなんとかなりそうなケーナ。年齢的にはちょうどいいのだが、おなかに赤ちゃんがいるサーラ。

 バランスの問題で、男の子を増やしたいという大人組の依頼。

 一方で、トトザやマーナは、年齢との釣り合いでケーナをおれに娶ってほしいという願いがあるようで、アイラとクマラという、ダリの泉の村の出身者ばかりが「王」との関係を深めている現状はよくないとさかんに言う。この点はジッドも同意見で、スーラはいつかおれに嫁がせると宣言している。

 正直なところ、本人の意思を尊重してほしいけれど、ひとつの国をつくろうとして、いくつかの村をまとめていくには、そういう政略結婚も大切だと分かる。だから、スーラがそれでいいのなら、将来的にはジッドの希望は叶えたい。また、トトザとマーナの希望も、ノイハやセイハの適齢期に合うケーナではなく、少し離れたラーナなら、おれとの年齢差は出てしまうけれど、「王」という立場で、后に迎えて大切にしていくというのもアリだ。

 ケーナをおれが娶ると、各村に対しての勢力バランスは取れるかもしれないが、ノイハやセイハの相手となるお年頃の女性が減るという事実。

 まあ、年齢差があっても結婚するのはかまわないとは思うが、そうするとノイハやセイハの結婚は少し遅くなってしまう。ヨルやシエラが十歳なので、成人まで待たせるとあと五年かかる。そうするとノイハは二十一歳、セイハは十九歳となる。滝シャワーに異様なくらい興奮するノイハがあと五年も性欲を抑えられるはずがない。ダリの泉の村や花咲池の村では、強引な夜這の習慣もあったようなので、ノイハがおれの感覚で言う性犯罪者にならないとは言えない。いや、なる可能性が高いし、それは避けたい。たとえ、こっちの倫理観でセーフだったとしても。

 だから結婚適齢期の女性も、アコンの村に迎えたい。ノイハとセイハのために。

 人身売買的な、背徳感はちょっとどこかに置いておくとして、人口問題を解決したい。だから男の子と結婚適齢期の女性が目的のひとつなのだ。

 羊や馬は、農耕と牧畜、そして食料の問題から求められているので、これも大切。

 ジッドの見立てでは、そのチャンスがあるという。

 村の長として。

 大森林を統べる王として。

 大草原から有利な条件を引き出してきたいと思います。

 おれは虹池から流れ出る小川に沿って、走り始めた。


「スグル、何かいます」

 唐突に、同行者が話しかけてきた。

 おれは、スピードをゆるめて、歩く。

 朝から固定しているスクリーンの地図を確認する。大草原へ入ったことで、今までには見たことがない範囲が示されている。川沿いに見える点滅は黄色。敵でも、味方でもない、中立の存在。今のところは、だけれど。

 同行者は、おれの右脇にいる。

 水筒とそのひもをブランコのようにして座っている。

 ちょうど、ものさしくらいのサイズ。

 十五センチ、というところか。

 手乗りサイズのセントラエムがいる。

 フィギュアか。

 フィギュアなのか。

 まあ、動くし、しゃべるし、かわいいのだけれど。

 今回、おれが村を離れて大草原に向かうということで、ジルたちアコンの村の信者を守るために分身を残して、女神セントラエムはおれに同行している。

 『分身分隊』のスキルで、おれに同行する本体と、村に残す分身に分かれたのだ。

 そして、『実体創身』のスキルで、おれに同行しているセントラエムは実体を現わしている。

 ただし、おれに同行している本体の持つ力が十分の一で、村に残してきた分身の力が十分の九になっている。

 この場合、本体は村に残った方、分身はおれに同行している方になるような気がするのだが、そこは忘れよう。

 おれのサポートは十分の一の力で大丈夫。

 アコンの村で何かが起こった場合には、九割の力が必要になる。

 黄色の点滅は中立的な存在。

 拡大して確認すると、二、三十はいる。

 水場に集まって、水を補給しているのだろう。

 姿が確認できた。

 あ、これは知っている。

 馬だ。

 馬の群れがいた。

 人間は周囲にいない。

 野生の馬の群れだろうか。

 野生の馬って、群れるんだな・・・。

 馬も、おれに気づく。

 スクリーンの黄色の点滅が、みるみるうちに赤に変わっていく・・・。

 何頭かが、猛烈なスピードでこっちに向かってくる。

 出会っただけで、中立から敵対って、どういうことだ?

 大草原、おそるべし。

 おれは、まるで塊りのように襲いかかってくる馬の群れに対して、腰を落として、身構えた。


 もっとも体格のいい、先頭の一頭を迎えた時、真っ先に考えたのは、誰かが飼っている馬だったら、どうしようか、ということだった。

 危険だとか、怪我をするとか、死ぬかもしれないとかではなく。

 誰かの馬だと、困る、と考えた。

 大牙虎よりもはるかに大きなサイズの動物。

 猛獣に分類されるものではないけれど、その突進は十分な殺傷力をもつだろう。

 しかし、スクリーンに示されたステータスを確認すると、先頭の大きな馬がレベル5。

 こいつが群れの最大レベル。

 大牙虎の最低レベルよりも下だ。

 大森林の猛獣、レベル高くないか?

 馬レベル5がおれの前に来て、急ブレーキ。

 威圧のつもりなのか、後ろ足で立ち上がり、ひひひーんっ、と一声。

 四足歩行動物のくせに、器用に立ち上がるもんだ。

 ただし、その大きさから考えると、こういう威圧は、本来、効果的なんだろうと思う。

 地面からの姿は、三メートルくらいはあるだろう。

 しかし、だ。

 残念ながら、隙だらけ。

 しかも、弱点だと思われるところを思いきり晒している。

 俗に「馬並み」という言葉があるが、その、巨大なイチモツを。

 おれは、全速の飛び込みに合わせて、全体重をかけて、思いっきり蹴り上げた。

 ここは馬でも、やはり弱点だったらしい。

 馬レベル5は、後ろ足で立ち上がった状態のまま、そのままゆっくりと、後方へと倒れていった。

 状態は麻痺。

 馬レベル5が倒れていく瞬間、少し遅れて、左右両方に馬レベル4が到達。

 狙いは右。

 止まろうと前足を踏ん張った姿の横腹に、まずはおれの左足が炸裂。そのまま左右の突きを高速で四連打して、馬レベル4その一は横倒しに。

 その横倒しになった馬に後続が引っかかって倒れていく。

 倒れた馬が六頭いたが、一瞬で間合いを詰めて、足を一本ずつ折っていく。馬レベル4その二、その三、その四、その五、そして馬レベル3その一、その二が、転げたまま、骨折の苦痛の中でもだえている。レベル3その二は、口から泡を吹き、目には涙が流れている。

 馬も、泣くのか。

 馬は本来、逃げる動物だと聞いたことがある。

 逃げずに向かってきたのは異世界だからなのかもしれないが、とりあえず、足の骨折は致命傷で間違いない。一本折れば、大牙虎の何倍もの体重を支えられるはずがないだろう。

 あっという間に八頭を無力化して、他の馬を振り返る。

 馬の群れには、もはや、最初に向かって来たような勢いはなく、距離を置いて、左右にうろうろしている。うろうろしているのが八頭。無力化したのと合わせて十六頭。

 後方に、えっと、子馬も合わせて十・・・一頭か。

 全部で二十七頭の群れ。

 あ、逃げずに向かって来た理由がなんとなく分かった。

 後方の馬に、お腹が大きくなってだらりとしている馬が何頭かいる。

 妊婦・・・妊馬?を守ろうとしたんだろうな。

 悪いことをした、が、しかし、これはお互い様だ。

 そうは言っても、頭に思い浮かぶのは、大切なアイラの姿。

 ああ、もう。

 しょうがない。

 うろうろしているグループは、おれが妊娠している雌馬の方へと近づかない限り、こっちを攻撃する気はないらしい。

 言葉が通じない相手は、その行動でこっちが勝手に解釈していくしかないのが大変だな。

 おれは、足を折ったレベル3その二に近づいて、『神聖魔法・治癒』スキルを使う。

 光に包まれた馬レベル3の骨折が癒されていく。

 減少した生命力は回復させない。

 治療が済んだ馬レベル3は、ふらふらと立ち上がり、ひょこっ、ひょこっ、と何歩か歩いてから、立ち止って、あれ、というような表情をした後、普通に歩いて、うろうろグループの方へと合流した。

 いつの間にか、うろうろグループのうろうろがなくなり、ぴたっと止まって、こちらを見ている。

 雌馬グループはうろうろグループに合流中。

 続けて、馬レベル3その一に近づき、『神聖魔法・治癒』スキルを使用。

 さっきの馬レベル3その二と全く同じ光景が、馬レベル3その一によって繰り返される。

 馬って賢い動物だって聞くけれど・・・。

 実は意外とおバカなんじゃないのか?

 馬鹿って書くし、な・・・。

 おれと馬の群れの距離はおよそ五メートル、というところか。

 半円、というか、四分の三円でおれを囲むように、立ち止ってこっちを見ている。

 おれは引き続き、馬レベル4その五、その四、その三、その二と、骨折を治療していく。もちろん、生命力の方は回復させない。

 骨折を治療する度に、おもしろいくらい、同じ動きを繰り返してくれる。もう足は治っているのに、骨折しているかのようにひょこひょこと最初に歩くのは、どうしてなのだろうか。

 馬レベル4その一は、足を折った訳ではないので、『神聖魔法・治癒』で治療はしたが、状態は麻痺のまま、横倒しになっている。生命力はかなり低い状態だが、まあ、死ぬことはないだろう。

 雌馬が二、三頭、横倒しになっている馬レベル4その一に近づき、顔をぺろぺろとなめている。

 最後に、立派なイチモツを一撃で悶絶するほど蹴り上げた馬レベル5に『神聖魔法・治癒』スキルを使用する。

 治療が終わり、イチモツの痛みがなくなったのか、馬レベル5の状態は麻痺が消え、目を覚ました。

 目を覚ました馬レベル5はがばっと立ち上がり、おれの方を向き直って、突進の構えで四肢を踏ん張る。

 あ、こいつ、脳筋タイプだ。

 突進される前に、おれは迷わず、『跳躍』スキルで跳び上がり、馬レベル5の面長な馬面に飛び蹴り三連撃を加え、再び状態を麻痺にした。

 馬レベル5が、前のめりに倒れる。

 やれやれ。

 おれはひとつ、ため息をついてから、再び『神聖魔法・治癒』スキルで馬レベル5を治療する。

 馬レベル5の麻痺状態がなくなり、目を覚ます。

 さっきと同じように、四肢を踏ん張り、おれへの突進体勢をとる。

 うん、そうなるよなあ。

 おれは迷わず、もう一度飛び蹴りを入れ・・・。

 あ、まずい。

 このままでは、殺してしまう。

 生命力が一ケタまで落ちている。

 状態表示はまたしても麻痺。

 三連撃は止められそうもない。

 それでもなんとか、二連撃目と三連撃目は、鼻先をかするかどうかというぎりぎりの蹴りで済ませて着地。

 脳筋馬レベル5はまたしても前のめりに倒れる。そして、その生命力が、カウントダウンを始める。

 まずい、まずい。

 殺したい訳じゃない。

 おれはセントラエムへの祈りを込めて、右手に光を集め、『神聖魔法・回復』のスキルを発動させ、脳筋馬レベル5の生命力を回復させていく。

 同時にセントラエムへの祈りを込めて、左手にも光を集め、『神聖魔法・治癒』のスキルを使用し、脳筋馬レベル5の馬面顔面骨折を治療していく。

 そしてまた、麻痺状態を脱する脳筋馬レベル5。

 またしても立ち上がり、四肢を踏ん張る脳筋馬レベル5。

 うーん、これは、一発くらい、受けてやるかあ・・・。

 そう思っていたら。

 左右から、脳筋馬レベル5の首に、二頭の雌馬が噛みついた。

 噛み切って殺そう、という感じではなく、突進をとりあえず止めさせるための、噛みつき、という感じだろうか。

 脳筋馬レベル5は、え、なんで? どうして? という状態になり、首をきょろきょろと左右に動かす。

 そのまま、おれの『神聖魔法』が二つ、光を失い、脳筋馬レベル5の治療と回復が終わった。


『「並列魔法」スキルを獲得した』


 ん、久しぶりのスキル獲得とレベルアップだ。

 ああ、そういうスキルがあるんだ。

 左右の手で、ちがう魔法を行使したから、身に付いたんだと分かる。実に分かりやすい、新しいスキルだ。

 確か、ジルも、『神聖魔法・治癒』スキルと『神聖魔法・回復』スキルをどちらももっているはずだ。村に戻ったら練習させて、このスキルも身に付けさせよう。

 ひひーんっ、と馬たちが、一頭一頭、空に向けていななく。

 それは群れ全体に広がり、やがて、次々と脚を折って地に伏せ、おれの方を見つめた。

 この状況になって、脳筋馬レベル5も、何かに気づいたらしい。

 噛みついていた二頭の雌馬が、脳筋馬を放して、脚を折って地に伏せた。

 少し遅れて、脳筋馬も、脚を折って伏せる。

 おれを取り囲むように、ひざまずいた馬の群れがいた。

 なんか、これに似たようなことが、最近、あった気がする。

 あ、ジルが大牙虎を屈服させた、あれだ。

 おれは大草原入りした一日目に、野生の馬の群れをひとつ、屈服させた。




 まあ、結果として、おれは脳筋馬レベル5の背にまたがって、大草原を移動していた。

 馬たちは群れごと、ついてきている。

 さっき、『乗馬』スキルというのを獲得して、レベルアップした。

 『高速長駆』のスピードまではいかないが、かなりの速さで移動できるし、おれ自身の生命力などを消耗しないのも、助かる。

「馬での移動は、なかなか速いものですね」

「確かに。スキル使用じゃないから、能力値に影響もないな。楽をするパターンだから、スキルレベルは上がらなくなってしまうけれど」

「『乗馬』スキルのスキルレベルは上がりますよね」

「そりゃ、そうだろう」

 話しかけてくるセントラエムに答えながら、流れる景色を見つめる。

 安全第一と言って、おれの服の中にもぐりこみ、襟のところから顔だけを出して、しゃべっているセントラエム。

 やれやれ、わがままな女神だ。

 たてがみをつかんで、背に乗っているだけだと、とても不安定で、困る。

 筋力があるから、振り落とされたりはしないけれど。

 背に乗ったまま、ネアコンイモの芋づるロープで輪を作った。馬の背に輪の中心を置き、両脇に垂らして、足がちょうど置きやすい位置になるよう、中心に結び目をつくって八の字にすることで長さを調節する。

 いわゆる、あぶみ、というものだ。何もなければ踏ん張れないが、この八の字のロープの輪に足をかけることで、踏ん張りが利く。

 安定感が格段に良くなった。

 そのまま、大草原に沈んでいく太陽を見ながら、馬の群れに囲まれて一泊。ひざまずいた脳筋馬を背もたれにして寝たら、結構温かかった。

 夜中、セントラエムに起こされ、周囲を警戒。

 スクリーンにはおれと馬の群れを取り囲む赤い点滅が七つ。

 地図の縮尺を変えて、一番正確に相手の位置が分かる状態にする。

 子馬や、妊娠している雌馬は、群れの中心で守っている。

 雄馬が周囲を警戒しながら、うろうろとしている。

 脳筋馬レベル5も、一緒に警戒している。

 夜襲は、苦手だ。

 相手が見えないってのは、恐怖だ。

 こんなに怖ろしいことはあまりない。

 おれはかばんから石をふたつ、取り出した。

 スクリーンで確認した位置に、全力投石。

 続けて二つ目の石もその隣の目標に全力投石。

 どちらも、相手をとらえたらしい。

 ダメージは小さいが、きゃんっ、と鳴いてから、走り去っていった。

 石をぶつけていない奴らも、逃げていく。

 大草原、怖い。

 いったい、何者だったのだろうか。


 翌朝、二時間ほどの移動で、大きなテントが遠くに小さく見えてきた。

 目的地の、ナルカン氏族のテントにたどり着いたらしい。

 さあ、交易交渉を始めよう。

 とある大統領のように、強気で。

 思い切って交渉する。

 アコンの村のために。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ