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宗教とは非人道的行為を正当化するテロリストの免罪符である

嘘は言ってないよ? 嘘はね?

まぁ、真実は闇の中だから本当の事は私は勿論、誰にも分からないんだけど。

あと、一番の敵はダイスロール、これは確定な()


事実、古来より宗教とは政治即ち権力と密接な関係にあり、王家等が国を動かすのではなく、宗教が国を操っていた例は枚挙に暇が無いそうな。

まぁ、祭事、(マツリゴト)って言うもんな、そりゃそうか、とそれっぽい理由を思い浮かべて納得しちゃう訳で。

元祖宗教系テロ組織たるキリスト教なんかが良い例だろう、十字軍然り、魔女狩り然り、免罪符に人身売買の元締めエトセトラ、だ。

日本でもカルト系の宗教団体が色々やらかしている、金と権力にモノを言わせて罪をでっち上げたり、収入に見合わない豪勢な暮らしを斡旋したり、色々だそうだ、天下り先とも言われている、何処とは言わんがな、流石に消されるのは怖い。

有名どころで名前を出しても消されないのはオウムだろう、地下鉄サリンはあまりにも有名だ、私の産まれ年なのもあって印象に残っている、民間人のみならず、警官や消防隊員、駅員が何が起きたのかも解らずに死んだと聞いている。

その前にも農村で予行演習とも言える形で事件が起きていたとも聞いている、そしてその宗教団体は名前を変えて今も尚存在し、教徒を増やし、勢力を増している、とも。

・・・宗教の自由は様々な国々の壁を取り払い、差別を無くす助けとなっているのは事実、日本古来から続く価値観の影響も否定し難い要素だろう。

しかしそれは負の面も持ち合わせている、何事も良いことばかりではいられないし、悪いことばかりでも無い、という事だ。

それは近年のハロウィンやワールドカップ等の何かしらの行事ないし記念日の度に道を封鎖する勢いで集まり、騒ぐ若者が良い例だろう。

大抵の物事を受け入れる、どこぞの幻想郷のように、それは正に甘美な響きながらもその実は猛毒というとても残酷なコトなのかもしれない。

無論、純粋に救済を求める者も居ただろう、だがそんなのは全体で見ればほんの一握りに過ぎず、居ても居なくても変わらない。

『あの女は股から血を垂らしていた、悪魔が憑いてる、魔女だ、殺せ』

【生理によって起こる出血は悪魔と交わった証であり、穢れた、あるいは呪われた血であるとした場合がある】

【他にも処女では無いから魔女などという処刑理由もあったとされており、人々の狂気と宗教の危険性がよく解るだろう】

『あの男はこの貧しい村で一番裕福だ、魔女が何かしているに違いない、殺せ』

【中には財産目当てで友人であろうと魔女として密告し、謀殺する例もあったとか】

『アイツはよくわからない事を言って治療と称しておかしな事ばかりして神を軽んじてる、殺せ』

【医者や科学者、当時で言う錬金術師をはじめとする学者は基本的に宗教的な面で不都合な存在であるため積極的に魔女とされた】

『アイツが来てからおかしな事ばかり起きる、アイツは魔女だ、殺せ』

【人々の不安を晴らす為には生け贄、そのテイの良い言い訳として魔女が使われるコトがあった】

そうした根拠も無い理由で殺人が許された文明、それがキリスト教圏の歴史の一面だ。

同じ時代でも弁護士や証拠等で正当かつ公平な裁判を目指していたというイスラム教圏とは大違いである。

【そんなわけで前回の終わりはそんな宗教による人間性の腐敗の一部をお見せした。

 勿論、あれこれ調べて面白いと思った、実在したとされる魔女狩りと魔女の処刑方だ】

『アイツはものすごく美人だ、ありえない、悪魔と取引したんだ、魔女だ、犯して殺せ、魔女は人じゃ無いから罪にはならない』

【日本でも奴隷制度やそれ以上に酷い因習と呼ぶべき習慣が現存していると言われているが、はてさて・・・非人だっけかな?】

魔女狩りとは、宗教的正義を盾に殺人、窃盗、強姦等の犯罪行為を合法化する手段と言える。

この魔女狩りによってキリスト教圏では機械や医療関係の文明レベルの進行は極めて遅い物となったのは言うまでも無く。

どこの誰が言ったか『キリスト教は欧州の文明を数百年単位で遅らせた』とまで言われているとかなんとか、逆に言えばたかだか1組織が国家どころか欧州という地域全体の文明を左右出来たとも言える、凄い話だ。

なんにせよ、日本もだが、神や仏なんてのは大抵がロクデナシだ、祈るとしても敬意を払うだけにして深入りするべきでは無い。

人を貶め、謀殺する神仏の類いは数あれど、人を救う神仏の類いなど、世界中のどこにも存在しない。

嘘は言ってないぞ、現代でもイスラム国を自称する連中が正にそれを行っているじゃないか。

もっとも、彼らのやってることはただの猿真似かそれ以下ではあるがね、クオリティが低い。

国を名乗るのなら安定した治安と統制と規律の敷かれた整然とした組織を顔を隠す事無く公開すべきだろう。

そもそも、捕虜や民間人をいたずらに殺す事は国家とは呼べず、女子供を使い捨ての特攻兵器として扱うなど日本軍以下である。

かの日本軍ですら『このような兵器をもってしか対抗出来ない、だからこそ、考案し、造り出した私が最初の搭乗者とならねばならぬ』と

その特攻兵器の考案、開発者はそうした意味合いの言葉と共に、未来ある若者を殺す事を・・・

そうでもしなければ祖国を、愛する人を守れぬ事を、深く嘆き、そして悲しみ、散ったと言うのに、だ。

彼らはどうだ? 存在しない神をもって洗脳し、けしかけ、ドローンで高みの見物、護衛なんて付けやしない、彼らはただの宗教テロ屋だ。

神仏への信仰の希薄なこの現代で神の奇跡を謳うのは時代遅れにもほどがある、猿真似以下と評するのは先ずそこだ。

そもそも十字教ですら根回し等のために莫大な資金と無数の支援国家を盾に、その強権を欲しいままにしていた、にも関わらず彼らにスポンサーはいない、表向きは。

裏向きでは意味が無い、大義名分が何処にも無いからだ、実際、彼らの勧誘の謳い文句には正当性や具体性を感じさせる物は無く。

まるでドラマか映画のように自らの行動や自らが殺した仲間を美化させるようなふざけたモノばかりだ。

多くの犠牲の果てに得た平和が、その長すぎる平和が彼等を腐敗させ、狂わせてしまったとでも言うのか?

彼等をそこまでの凶行へ駆り立てるような、それこそ社会規模の不満がどこかにあったのか?

理由を考えだせばどこまでもキリが無い、最も、バカの考える事は解らない、天才の思考が理解出来ないように、故にバカと天才は紙一重と言われるのだ、何故なら普通の人間にはどちらも理解出来ないからだ。

今回はそんな宗教系のお話に傾く予定だが、面倒な事は粗方ここで話せたと思う。

こうして、宗教から見る人種差別や医学、科学の発展の歴史に興味を持って貰えたら幸いだ。

答えはひとつじゃあ無い、何事も。

例えば【2】を求めるにはどうするのか?

普通の人なら『1+1』と答えるだろう、もしかしたら『3-1』かもしれないし『4÷2』や『8÷4』かもしれない。

果ては『■分の一×■』なんて斜め上もあるだろうし『0.■×■』なんて塵を積もらせるようなモノかもしれない。

歴史も数学もそして科学も、答えは基本的には『現在』か『同じ結果』しか存在しない。

だが『過程』や『視点』や『価値観』を変えるだけで物事は全く別の答えを我々に見せてくれる、それが良い物なのか悪い物なのか、美しいのか、醜いのかは受け取り手次第だが。

そこらへんふまえて、主人公の私を観察してみると気付けるかもしれない。

最後にひとつ、私の知り合いからの評判をば。

『アイツにとっての命の価値は何よりも高く、何よりも安く、何よりも軽く、何よりも重い、狂ってるんだ』

「矛盾し過ぎだろ、どっちなのかハッキリさせろ」

『お前、ペットが死んだら、悲しいか?』

「生憎と飼ったことが無いが、普通は悲しいんじゃないのか?」

『あぁ、普通は悲しいハズだ、それはアイツも同じだ、ただ、それだけなんだ』

「そういや、真面目に世話をした事は無いってペットを飼う事に否定的だったな」

『ガキの頃はねだって買って貰ってたらしいが、何度も死なせて嫌になったんだとよ』

「そりゃ自業自得だろう」

『真面目に世話をしても、半年も持たずに死んだ事もあれば、あるハムスターは原因不明で一夜で死んだそうだ』

「訂正、そりゃ飼いたくも無くなるわ」

『本題はそっからだ、アイツにとっちゃ、他人の死は悲しいがどうでもいいんだが、もし殺せるのなら、アイツは殺す、そういう価値観だ』

「どういう事だ?」

『他人の命の重みが、野良猫と同じ重さって事だ、良く言えば命を尊ぶ平等な精神だが

 悪く言えば、相手がどんなお偉方や親しい人間でも必要なら殺せる、そういう価値観だ』

「なるほど、そりゃ狂ってる」

零戦一号『本人目の前でそういうのやめて?』

『お前にゃ自覚が足りん』

零戦一号『数十億も居るんだぞ?

 その内の外道の類いを一人や二人殺した程度で何を思えってんだ?』

『そういうトコだよ!?』

「お前、もしドラマみたく銀行強盗が銃持って入ってきたら、どうする?」

零戦一号『隙を見て銃を奪えたらワンチャンあるよな』

『具体的には?』

零戦一号『日本だと貫徹能力の高い銃も銃弾もほぼ手に入らないか銀行強盗程度の人間には渡らんだろう

 仮に渡ってたとして、恐らく厚手の装備の強盗を肉盾にしてしまえばそれなりに粘れる

 ライフル弾でも防げるのが骨と筋肉(繊維)と肉(脂肪)で構成された複合装甲の良い所だ

 死んでも壊れるまでは使える、寧ろ死んだら重さが増して盾や銃を構える際の支えにうってつけだ』

『奪うまではどうするんだよ』

零戦一号『ボールペンでも人は殺せるんだぞ?』

『ヒェッ』「どこの暗殺者だお前」

零戦一号『いや、医療関係の情報で現場の応急処置の実例で

 内出血で血液がヤバい所に溜まってる時に有り合わせの道具で処置する例として載ってた

 刺せるんなら殺傷にも使えるし、ボールペンは中空だから大量の出血が見込める

 実際、拷問や暗殺目的で刃の内部にストローのように穴が空いてて

 尚且つドリルのような溝のあるナイフが実在するらしい、どちらも出血が止まらないようにする為の隙間を傷口に開けるためらしいぞ』

「お前そういう知識だけは本当に無駄に詳しいなッ!?」

零戦『ちなみに中世から近世の剣でフランベルジュだったかな?

 波打った感じの剣があるんだが、あれも大量の出血が見込める傷を与える目的であの形らしい』

とか話してたら結局『お前はいざとなったら迷わず人を殺せるイカれ野郎だ』と言われた思い出。

失礼な、こんな博愛主義者をなんだと思ってるのやら、敵は核で消去すれば世界は平和

歴史が確りと証明してるからね、いやぁ、最近の核は汚染が極めて少ないから便利だよねぇ。

狂った世界は一度滅んでリセットされるべきなんだ、それにはうってつけの武器だと思うんだよね。

それじゃ本編、いってみよー。



『テメェ等の指示に従った結果がこれだろうが!

 俺をこんな人間にしておいて言うことがそれか!?

 テメェ等が俺から未来を永遠に奪ったんだ!

 夢も希望もやる気も何もかも、そう、生きるために必要な社会に必要な能力全てを!

 お前等が、永遠に、俺から、根刮ぎ奪ったんだろうがッ!

 最期のバカンスなんだ、好き勝手に遊ばせろ!

 好きなように生きて好きなように死なせろ!

 その程度の権利すら無いとでも言いたいのか、あぁ!?』

【とある絶望した男の走り書き】



・・・昔から、人を殺してみたかった、とだけ言えば確実に危険な存在なのだろう、事実として今の私は危険物だが。

だが社会で言われるような犯罪者になるのは嫌だった、法は犯せど人道は犯すな、法は人を守らないから守らなくて良い、と。

私を殺人鬼、或いは自殺者となる運命から掬い上げた軍人達へ、私は顔向け出来なくなる。

だから私は、殺す事を躊躇わない、死を恐れど、いとわない、正義を掲げない。

我々は常に悪で、加害者で、虐げる者で在らねばならず、故に我々は人々を守る盾に在らねばならない。

その暴虐をもって、暴虐より人々を守り、暴虐を退ける盾にして矛となろう、それこそが人が人たる所以の原初と言えるモノ。

その忠節は何者にも捧げられ、されど何者にも捧げられる事は無い、故に我々は全てを救わねばならない、届かぬ手を伸ばさなければならない。

そして目の前には、たった一人の心折れた少女と、彼女を救うために殺した人間だった肉塊の山、そして火の海と化した村があった。

はてさて、我々はどちらを救うべきだったのか・・・彼らは本気で彼女を悪だと考えており、本気でそれが自らを救うと信じていたかもしれない。

それは果たして、彼等を悪と断ずる要素足り得たのだろうか?

それは果たして、彼等を皆殺しにしてまで彼女を救い出す理由に足るのか?

宗教の影響が希薄な現代人たる私には、彼等は間違いなく悪だったが、この世界の、この時代の人々にとっては、我々こそが悪なのかもしれない。

とりあえず、この火の海の真ん中から脱出してから後は考えよう、先ずは安全の確保から、だ。


【米俵めいた担ぎ方で幼女を誘拐する黒ずくめの不審者が火の海を走るだけなのでカット】


ゼロ「そろそろ、自己紹介をさせて貰えないか?」

火が収まりだした頃、私は片膝を着いて彼女に話しかけた、彼女の瞳は何処を見ているか知れない深い漆黒で、私の暗い灰色と黒のツートンカラーな頭部だけが映っていた。

【宗教テロリストの殲滅という名目だったので現代兵士系の服装になってます】

少女「・・・貴方が、悪魔なの?」

ゼロ「この所業を指すのなら、まだ悪魔には程遠い、本当の悪魔はもっと悪辣にやるし、なんの理由も無くここまでやる事は無い」

自分を信仰してないからって人類抹殺するような神々の方がよっぽど悪魔だと思うし。

少女「じゃあ、神様?」

そう首を傾げる少女、正直、物のたとえならともかく、神扱いは嫌いだ。

だから直球で彼女にこう返すことにした。

ゼロ「逆に聞こう、祈った結果、神は君の両親や君自信の事を救ったのか?」

幼い少女にするにしては酷ではあるが、この時代は8歳前後で大人扱いと見て良い、平安時代は5歳前後の妊娠、出産記録があると聞くしな。

さて、どんな答えを彼女は示すのか、そう好奇心が燻った時、彼女はこう答えた。

少女「貴方は、私を救った、だから神様、私の神様、ありがとう、ございます」

ズタボロのぼろ布姿で、私を崇め、祈るその仕草と共に出された答えは、私を数秒ほど硬直させるには充分な答えだった。

なぜならその答えは『すまないな、力になれなくて』『何言ってるんだお前は、こんな俺の相談にあんなに真剣に向き合ってくれたのはお前だけなんだ、充分救われたよ』

『君は何時も卑屈だねぇ、でもだからこそなんだろうね、少なくとも私にとって君は救世主さ、ありがとう』

『確かに現実のお前は酷いモノなんだろうさ、でもそれを受け入れた上で隠す事無く、こうして誠実に俺達と向き合ってくれたアンタは、下手な社会人より立派な人間だ、ありがとな』

かつて私が助けられなかった者達から受けた言葉に雰囲気がよく似ていた、違うのは『助けを求めていたのはお前の方じゃないか』という点くらいか。

これを否定できるほど、私は人間性を腐らせた覚えは無いし、助けを求める事を止めてもない、まぁ苦笑いくらいはするが。

ゼロ「・・・ろくでもない神だと思うが、それでも良いなら勝手に着いてくると良い」

少女「わかりました、我が身、我が心、その全ては主の物です、どこへでも憑いて参ります」

・・・なんかイントネーション違ったような気もするが深くは考えないでおこう。



【ダイス結果ネタバレ『狂信だけで愛とか色々突き抜けちゃう系女子(死霊)、加入』どう考えても時限爆弾なんですがこれ】

【バックストーリーも一応ある、でもゼロは運転中なので彼女の詳細確認をしてません、余所見運転は危険だからね!】

【人の世に関わってはいけないなんて間違ってる、私は人々を救うぞ師匠ォォォして、捕らえたぞ邪悪な魔女め!して薄い本になって石化封印されて数百から万年単位の時を経て亡霊化、子の居ない老夫婦に拾われて普通の子供を装って生きてたが前回の状態になったという無駄に凝った設定があったりする】

【それ以前になんで死霊なんてダイス表に入れたのかな私、どう考えたも厄ネタだよねこれ、どうすんのストーリー!?】

【ちなみにこのあとには現地勇者と現地魔王と召喚勇者三人娘が厄介事抱えて加入確定という酷いダイス結果】

【更に石化した女剣士も場合によって加入予定という大惨事、プロット! 蘇るんだ初期プロットォォォ!?】

【もっと言えば宗教国家滅亡とか現地勇者が魔物娘の母になったり召喚勇者が寄生生物と共生したり魔王がママー!というカオス】

【ダイスの無茶で私の筆がフリーズしたのは言うまでも無いだろう(この当時は2019年夏)】

【ここから先は2020年の年明け前後】


MRZR4[エムレーザー]は良い機動車両だ、ポラリス社の車両で軍用でもあり、特殊部隊にも配備されていると言われる車両だ。

通称エムレーザー4と呼ばれるらしいが、フレームメインのシャーシにパワフルなエンジンが、軍用オフロード車両にしては小柄なタイヤでありながらも高めの車高と合わさり高い走破性能を発揮。

運転手含めて4名分の座席に荷台、銃座付きのモデルもあるとかで最大6名前後を載せて走れるらしい、その上で隠密性を保ち、高い展開能力を持っている。

つまり、焼け野原になった村から逃走するにはもってこいだ、森の中でも大抵の木々の隙間や凹凸は問題無くすり抜けられるのもある。

保護した少女を載せて先ずは落ち着いて話せる場所へ逃げようという事で走ってる訳なのだ、が・・・少女の視線が怖い。

恐怖を紛らわせようとあれこれも手持ちの小ネタを話すが、持ちこたえられそうに無い、幸い此方の話を真剣かつ興味深く聞いてくれてはいるが。

ゼロ「・・・という具合で宗教と軍事というのは政治と同じように密接を通り越して同じと言っても過言では無い程に関係している訳だ」

ちなみに『政』を『まつりごと』と読むのは祭り等の神事の類いが太古における政治だった事の名残とかって聞いたことがある。

少女「つまり、私はあの村にとって救いだったと?」

※何度も言うがゼロは彼女を生きてる人間と認識してます※

ゼロ「誤解を恐れないのなら、そういう言い方でも正解だが、もっと厳密に言うなら彼等は未知の恐怖を既知の物と置き換える事で乗り越えたかったんだろう。

 結局はただの現実逃避で、何一つ問題は解決しないが、まぁ、こういう文明レベルだと何時の時代も何処の国も大して変わらんモノだ」

考えることは皆一緒、なんて言葉があったと思うが、正にその通りだろう、複雑怪奇な事件程、単純な裏というのは案外よくある話だ。

ゼロ「私は恩人の影響で軍事を根幹に物事を見てしまうようでな、だからこそ見付けられる物事もあるが、見落とす物事も多い。

 今回の件を例とするなら、人を不当な差別や非人道的行為から守るという点では正しいのだろうが、治安維持や民衆を守るという点では間違いだろう」

少女「それが、人の抱える矛盾によるジレンマというモノなのですか?」

ゼロ「ジレンマと言って良いのかは解らんが、板挟みで苦しいのは確かな事だな、お前を助けたいという点では当然の行為と認識しているが

 人々を守るという認識の上では他の手段は無かったのか、とたらればを考えてしまう。

 今後同じような出来事に遭遇しないとは言い切れない以上は考えずに何も無かったように振る舞う訳には絶対にいかない。

 何らかの解決策を確立させないと何時かきっと、何処かで何かが破綻してしまう」

っとなんか踏んだな、人らしき物は無かったしそれなりに速度を落としてるので木の根なのだろうが、この車両でそれを自覚出来る揺れを起こすだけの根か。

ゼロ「この森、避けた方が近道になったかなぁ」

急がば回れのパターンだったのかもしれない、入ってまだ間もないハズなのに大きくて固い木の根を踏むような森だ、コイツでもすり抜けられるかどうか。

少女「それならば主様、この森の主が通った跡を使うのはいかがでしょうか?」

それは魅力的だがデメリットが多すぎるんだよなぁ、確かにデカブツだったみたいだが。

どこの山神だよ、俵藤太だっけか、あの人でも呼んで弓で退治して貰えよって感じの奴だったような記憶が?


【実際、ダイス次第ではそんな感じの巨大生物と戦闘予定ではあった、結果はまさかの全カットルートだったが】


ゼロ「我々は詳細も数も不明の存在ないし勢力から存在を隠す為に逃げている途中だ、変な痕跡を残す訳にはいかない。

 そのためにわざわざ固い木の根だらけでコイツの足跡(轍の方が正しいか)を残さないようにしつつ尚且つ空からも見つからないようにしている訳だ」

少女「ヌシの通り道は開けている代わりにどこからでも見えてしまうので不都合が多い、と」

ゼロ「そういうことだ・・・ん? お前、そんな琥珀色の目してたっけ?」

少女「主様の膝に触れさせて頂いておりました」

・・・もしかして、某Rな戦闘機めいた謎のナニカでお馴染みの汚染ですか?

ゼロ「そういやただの村娘、というか幼子(オサナゴ)にしては言葉遣いが確りしてるな、まさかそれもか?」

少女「はい、凄まじい衝撃と熱さと共に知らないハズの事を知りました、私は今、正に主様の物になったのだと」

それ、正しくは下僕とか感染者とか洗脳とか悪の組織の怪人とかそういう類いじゃないかな?

ゼロ「そうか、なんとも無いのなら良いんだが」

少女「あ、出来れば下腹部と胸とお尻に紋様が欲しいです」

なんで?(真顔)

【エロゲあるある、ってのもあるけど部族系にしろ昔の宗教は大抵焼き印とか入れ墨とかあったらしいから多少は、と選択肢に混ぜた】

ゼロ「知識が流れ込んだと言うのなら知ってるだろうが私はダンジョンコアと融合している」

少女「えぇ、生きていて、動けるダンジョン、前代未聞なのでは?」

ゼロ「知らんし興味も無いが、可能性はあるな、とにかくその影響で様々な魔物の能力を扱える、つまりそれを応用すれば紋様程度は自分で出来る」

少女「・・・使い魔で鏡を代用、肉体変化や呪術等のスキルや魔法で紋様と紋様へ効力を付与して実用性も確保、ですか」

あれ? そんな所まで解説してないよ私、出番消えちゃうよ? 長話解説おじさんの出番は?

【自分でも思うけど無い方が幸せです、お互いのためにも】

少女「いえ、貴方の思考がある程度ですが私に刷り込まれているようです」

洗脳じゃんやっぱりぃ! もうやだこの能力! 便利だけど! 便利だけど!(ここ重要)

【ぶっちゃけリアルに欲しいよねこういうの、放射線恐くない、廃棄物吸収で環境にも優しい、召喚能力で人手にも困らないし衣食住にも困らない】

【というか現実に欲しいからチートでファンタジーで妄想な訳なのだが、うん、大和蘇らせて博物館にしてみたいとかそんな感じの】

色々と疲れるが情報を得ねば後が怖い、正に進むも地獄、引くも地獄、留まれば破滅、という奴だな。

何時の作品の違法除霊士の台詞だっけか、ガキの頃に聞いて以来だから思い出せないな。

ゼロ「さようで、てことはもう召喚兵の枠に?」

少女「入ってます、装備の使い方も一通り」

ゼロ「直ぐにでも仕事にかかれる訳か、都合が良い、何かあったら助手席に据え付けた軽機で応戦してくれ」

少女「了解、交戦規定は?」

ゼロ「この世界にそんな物は無い、強いて言うなら現状は敵対的な素振りを見せたら即座に殺せ」

少女「了解、これが神の力なのですね」

いや、どっちかと言うと科学の力じゃないか?

苦笑いを覆面の奥で浮かべつつそれでもハンドルを確りと握り締めて車両を暴れ馬とさせる文字通りの道無き道を進むと開けた平原へ出た。

遠方に馬車と思われる何かが見える、それだけなら問題ないし道がある、と安心出来たが、馬車の状態が問題だった。

プレデター1《こちら久々の出番のプレデターチーム、街道と馬車を補足したがトラブルだ》

女って強かよねー、いや、今の無線には関係無いか、でも基本的に女って態度がデカイ奴多いよな、自分は女だから正義、みたいな奴。

プレデター1《思い出に浸る時間はありませんよ司令、馬車はワーム系の巨大生物に襲われています》

・・・現実逃避くらい許してくれよ、疲れてるんだこっちは、見えてるさそれくらい、どうみてもお友達って雰囲気には見えないデカブツが見えてるよ。

ゼロ〈大きさは? どうせこんななろう系ファンタジーだ、物理法則も質量なんたらも無視なんだろう!?〉

そもそもそんな物事を理解する知識も頭脳も無いからどうでも良いがな!

視界に入れつつ安全な距離で停止、場所は草原、目標は街道と思われる轍のある道のような場所の近辺にて数台の馬車と騎士のような格好の武装集団を襲撃中。

巨大生物を目標Aとし、集団を目標Bとする、それぞれ此方に気付いた気配無し、何時でも殺しにかかれる。

プレデター1《約50m、せいぜいアパートの2、3階程度、楽勝です》

やめろ、それはフラグだ(某人型兵器の傭兵的な勘)

ゼロ〈対戦車ミサイルで攻撃、効果次第で対人弾頭へ切り替え〉

少女「ここからでも制圧射撃は可能でしょうか?」

ゼロ「目標Bへの誤射と跳弾が恐いからやめとけ、アレが友好的かは知らんがな」

そう話してる間にもう火の玉もといミサイルが三発、プレデター三人娘による攻撃が同時に突き刺さるのが見えた、張り切ってんな。

【さて、ワームの強さは・・・あっ】

プレデター1《・・・命中するも効果は微弱、ワームなだけあってしぶといですね》

プレデター2《司令、もっと火力が必要です、奴を細切れに出来るような奴!》

煙で見えないが、彼女達が言うのならそうなのだろう、となると最低でも20mmの機関砲か?

ゼロ「だったらボフォースの40mmとエリコンの35mmだ、大口径高初速の火力なら跳弾は無いハズだ。

 連射に関しても数で補えば良い、目標Bに近付かれる前に蜂の巣にしてやれ、撃ち方始めッ!」

機銃陣地ならぬ機関砲陣地になるが、即座に周囲へ展開した機関砲郡は40mmが20門に35mmが60門。

加害範囲の都合、貫徹力重視の構成となる、基本的に砲弾の貫徹能力は弾の形状、素材というか質量と硬度、そして速度と着弾時の接触面積の小ささが関係してるとかなんとかで。

平たくいうと、包丁の側面でペチペチしようがスリスリしようが痛くもなければ切れもしないが刃の部分なら下手すりゃごとりと斬れる、とそういう事らしい、ので機関砲による手数と貫徹力に頼った。

そうして召喚した砲台全てが巨大ワームの何処かに当たるようバラバラに射撃を開始、闇夜を引き裂くような絶え間無い砲声と共に飛来する不可視の弾丸、素晴らしい。

暗視装置で昼間のような光景を観測してるが、一応効いてるっぽい、いや効いてるわ。

ゼロ「煙に赤色が混ざった、どうやらあの巨大生物の体液ないし血液は赤色のようだな」

茶色とかじゃ無くてなにより、イニシャルGをビニール越しとはいえ磨り潰した時は茶色だったからなぁ。

【尚、穴が空いて手が凄まじく臭くなるオチがつき、未だにゴキはトラウマです】

プレデター3《あー、細切れになったっぽいが煙でよく見えない、一旦射撃を中止してくれ》

ゼロ〈了解、射撃を中止、効果確認を頼む、我々はここで待機する〉

プレデター3《ラジャー、効果は・・・痙攣しているようだが、文字通り虫の息か?

 安全は確認出来ない、だが効果はあるようだ、目標Bは先の攻撃を警戒して目標Aから離れている》

ゼロ〈了解、なら至近弾を心配しなくてよさそうだな〉

ならもうちょい撃つか、迫撃砲と榴弾砲で制圧射撃といこう、怪獣退治は自衛隊の十八番ですし。

【召喚:自衛隊において砲撃能力のある連中】

こういうのはふわっとした指定が意外と有効だ、案の定旧式の105mm榴弾砲まである、素晴らしいぞアンティーク楽器!

そんな訳で120mmだの105mmだの155mmだのが雨霰と降り注いだわけだが・・・見えん、盛大に撃ち込んだ代わりに見えんぞ!

目標Bは・・・当然だが巻き込まれて無い上に察してるのか逃げてるな、しかも結構な数が残ってる、全滅してれば良かったのに。

プレデター3《目標の沈黙を確認、馬車は爆風でコケてるが問題無さそうだ》

よし、解散! 馬車は放置でいこう、放置で! ぜっっったいに面倒事だろうし、なろう世界的に。

【じゃけん関わりましょうねぇ・・・】

おいやめろストーリーテラー!?

ゼロ「・・・どうする、アレ?」

言外に『関わるべきだと思う、アレ?』と聞くとかなり顔をしかめる娘、うん、そうなるよな。

少女「隠れて移動する意味が無くなりますし、友好的とは限りません」

だよな、駆け寄ってヒーロー気取る世界中の創作物がオカシイのであって俺はまともな思考回路だよな!?

ゼロ「よし、逃げるか」

??「逃がすとでも?」

遅かった、首になんか当たってるから詰んでるなこりゃ。

少女「・・・見捨てるべきでしたね」

すっごく汚いモノを見る目で声の主を見る少女、女の子がそんな顔しちゃいけませんよ。

まぁ、私は遠い目で済んでるんでマシですかね・・・達観し過ぎか?

ゼロ「激しく同意しよう」

??「恩を仇で返すようで申し訳無いが、な」

そう思ってるなら見逃せや。

??「私もだが、あの馬車の積み荷は尊き御方でな、その襲撃と襲撃を退けた者、双方を捨て置く訳にはいかない」

ゼロ「そりゃそっちの都合だろう、と言いたいが軍事に関わっていた者としては同感だ、可能な範囲でならそちらに従い、協力しよう」

??「本当にすまない」

謝罪と共に物騒なナニかが離れたので振り向くと白い騎士がハルバードと大盾と大剣装備で立ってた、こわい。

ゼロ「・・・そんな重武装ならあの程度の魔物はどうにでも出来たんじゃないのか?」

??「護衛だ、無茶を言うな」

ゼロ「あー、心中お察しする、と言うべきか?」

??「護衛対象は理解ある方なのだが、取り巻きがな・・・」

下っぱ兵士の愚痴り合いに発展しそうな流れだが確りと車両は馬車へ向けて走ってる、そろそろ会話を切り上げないとマズそうだ。

ゼロ「そろそろ到着だお客さん、あまり巻き込まないでくれよ?」

??「すまない、確約は出来ない」

ゼロ「まぁ、この手の話は期待するだけ無駄だとは思ってはいるが言うだけならタダだからな」

??「可能な限り手は尽くす、とだけは言える、本当にすまない」

【回避したルートの一部】

【上空のプレデターによる爆撃で馬車を破壊すると同時に??を殺害し逃亡ルート】

【プレデターの爆撃で馬車を人質に??を事情聴取のために誘拐ルート、ダイスが無ければ本当はこのルートの予定だった】

【最初から面倒事お断りでワームもろとも木っ端微塵ルート】

騎士が目標B群へと歩いていくのを眺めつつ、厄介な事になったと溜め息を吐く私と少女であったとさ、タバコが欲しいところだ。


いや、別に宗教を否定する気は無いよ?

誰かを攻撃するような意思も無いし、てかそんな度胸あるわけ無いじゃん()

まぁそんな訳だから、本文含め当方に特定の組織や人物を貶める意思はございませんしそもそも無関係で御座います、と注意させて頂きますよ。

こうして注意書きしても差別主義者扱いしてくる自称人権保護者的な連中とかそういう正義面してる奴って多いからね、恐いから戸締まりしなきゃ。

一番恐いのは、そういう自分が正義だと信じて疑わない集団って事ッスな、うん。


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