これは人殺しでは無い、テロハントだ。
やぁまた会ったね、物好きな読者さん?
今回はお約束第二弾だ、好きだろう?
殺される民間人、犯される女子供、嫌いとは言わせないよ?
だって、君達が好きな物語は、それの上に成り立っているんだから。
君達は人殺しと大差無いよ?
まぁ、それを解った上でそんな描写を描く私は、更に人殺しに近いのだろうね?
歩き続けて何処まで行くのか、誰に言われた訳でも無く、ふと思う。
この世界は、生きるに値するのか?と。
人生は贈り物、とは何の歌だったか・・・
苦痛と理不尽と悲哀しか無い、それが人生だ。
だからこそ好きなように生きて、好きなように死にたかった。
ま、結局は理不尽に生かされて理不尽に殺された訳だが。
軍人「いいかげん、落ち着いたらどうなんだ?」
零戦「もう少し、引きこもらせてくれんか?」
軍人「ダメだ、さっさと代われ」
【現在本体と交代中】
ゼロ「・・・はぁ、装備も結構良いのが逆にムカつくな」
ライフルはM1ガーランド。
クリップ式をさっさと入れないとザックリと親指を持っていかれる
ちょっとお茶目な米軍と初期の自衛隊の主力装備だったハズだ。
※当時の銃は指を弾込めしちゃうお茶目な銃が当たり前であった※
ゼロ「音は好きだが、装填がなぁ」
与えられた力にはそれらを扱うための知識、技能等も含まれているので
やろうと思えば某自衛隊音楽祭りのライフルドリルも出来るが・・・
ゼロ「大道芸人として日銭を稼ぐ、か・・・無いな」
装備を確認したらスマホがあり、ネット環境もあった。
掲示板のような物には書き込めないが、利用、つまり観覧はフリーのようだ。
なぜ解るのかは、あの男が私にナニかしたのだろう。
とりあえず、やろうと思えば某FPSみたく銃をジャグリングしたり
スマホで音楽や動画を流して吟遊詩人擬きをしたり
銃で獣を狩るなり、生活に困ることは無いだろう。
まぁ、水も食料も召喚出来るので働かずとも生きていけるのだが。
これは私が生活に関わる技術のほぼ全てが
戦争によって発展したことを知っているのが理由だろう。
生存競争、食物連鎖、どう言い繕おうとやってることは戦争と変わらん。
同族殺し? 熊やライオンなんかは子持ちのメスを見かけると子を殺すし
メスの奪い合いて殺し合う、人間の場合は食糧や土地の奪い合いだが。
植物、微生物、あらゆる生命体は戦争、つまり殺し合いとは無縁ではいられない。
ゼロ「だから嫌なんだよ、生きるのは」
弱者は淘汰されるか、踏みにじられるか、私は弱者だ、ゆえに何も出来なかった。
子供ひとりすら救えない、そんな男だ。
ゼロ「・・・騒がしいな、敵か?」
森が深く、薄暗いせいで見えなかったが戦闘音が聞こえてきた。
偵察機を3機召喚、私を中心に三角形を描くような配置で時計回りで周回させる。
機種はプレデター、対地ミサイル装備だ。
プレデター1《こちらプレデター1、センサーに反応
テロリストと思われる勢力が暴れる人間を三人連れ去っている》
プレデター2《追跡しますか?》
ゼロ「いや、私の周囲を警戒してくれ、追跡は他にやらせる」
プレデター4から6を召喚、追跡させる。
高空を静かに飛ぶ無人偵察機は地上からだととても小さく、鳥のように見えるそうだ
敵と思われる連中も、まさか追われてるとは思うまい。
襲撃されていた場所に着くと、やたら飾りの豪華な馬車が横転していた。
貴族の類いか、確かになろう味だ。
面倒事という点では避けるべきだ、だが軍人としては?
ゼロ「プレデター4から6はアジト周辺に爆撃、奴等を釣り出せ」
プレデター4《了解、ミサイル発射》
プレデター5《やってやりましょう》
プレデター6《待ってました!》
・・・兵器を女性とするのは昔からの風習のような物だが
兵士のみならず、兵器も女性の声となると、なんか不安になってきた。
某ゲームみたく擬人化しても驚かないように身構えておこう。
とりあえず、人道的に見捨てるのはアウトなので敵拠点へ向かう。
お約束としては深い森の中の洞窟がイメージされるが
現実としては、洞窟は野生の獣が縄張りとする場合が多く、あり得ない。
特にここはファンタジー、魔物の住みかとしても適しているだろう
ならどんな場所が賊の拠点となるのか、答えは簡単だ。
野営、それに尽きる。
或いは襲った集落を流用、といった具合か。
今回の敵拠点は・・・なろう味、もとい洞窟だ、面倒だ。
崩落の危険性、酸欠の危険性、見通しの悪さ、出入り口が特定出来ない。
面倒を挙げたらキリが無い。
だが爆撃によって既に出入り口は確認されたし
無人偵察機6機による監視を誤魔化せはしない、森に隠れても
最近の技術は熱源やら他の反応で見つけ出す、逃げられないぞ?
拠点は人の出入りがある以上はある程度整備される・・・
というか、踏み固められて獣道みたいになるので隠れられない。
ちなみに、賊の大半は騎士というのが現実だゾ。
※役に立たない豆知識※
さて、中に入るか、外に釣り出された賊は爆撃で死んだしな。
中腰で、武器をガーランドからMP5に変えて侵入する。
身体を作り替えられでもしたのか、メガネからゴーグルになっていたので
暗視ゴーグルに変えて進むことにした。
視力が改善されたのは良いが、この身体、他に弄られたところ無いだろうな?
男なのは確認済みだが。
行き止まりや部屋と思われる場所で隠れる賊をひとりずつ丁寧に殺していく。
人殺しに忌避? 自殺だって人殺しだ、死ぬ覚悟と殺す覚悟は同じであるべきだ
それに彼等は賊、テロリスト、条約的にも人道的にも人間扱いはしなくて良い。
これはただの害虫駆除だ、気負う点など無い。
なので対戦車擲弾発射機を使おうが12.7mm弾を使おうが許される訳だ。
無言で淡々と、作業として殺し尽くす。
そしてクリアリングを終えたら人質の確保
既に鉄格子の付いた部屋に三人の少女が居るのを確認している。
高そうなドレスを来た少女がひとり。
メイドと思われる少女がふたり。
ここでようやく明かりが使える、暗視装置ともおさらばだ。
ゼロ「やつらの仲間か?」
???「誰!?」
ゼロ「所属を聞いている、お前達はやつらの仲間か、否か?」
???「違う! 拐われたの、助けて!」
パニックになっているのかかなりの大声で鉄格子に掴みかかって来た。
ゼロ「人質のフリをした賊も居る、信用出来ないな」
???「こんなドレス来た賊が何処に居るのよ!?」
スカートひらひらさすな!?
見えたら女として終わるぞお前!?
ゼロ「服を奪えばそれまでだ」
そう返すと顔を赤くした少女が更に叫ぼうとしてメイド服を来た少女に止められた。
???2「姫様、落ち着いて・・・まだ賊がいるやもしれません」
ゼロ「奴等の殲滅は既に確認している、あとはアンタ達だけだ」
そう言うとメイド姿の二人はこちらを警戒し始めた、正しい判断だ。
正解では無いが。
姫様と呼ばれた少女が溜め息を吐いて落ち着いた様子で話し始めた。
???「・・・ロンド王国第三王女、ブローヴァよ」
・・・光という意味を持つ単語でブローヴァってのがあったような?
まぁ、挨拶されたら、挨拶しないとな?
ゼロ「元大日本帝国陸軍、階級も名前も所属部隊も捨てた
ゼロと呼んでくれれば良い、助けは必要か?」
ブローヴァ「えぇ、今すぐに必要よ」
ゼロ「私を護衛として雇う気はあるか?」
ブローヴァ「後払いでも?」
ゼロ「勿論」
矢継ぎ早に進む会話にメイド達は唖然としているが
なろう味としては都合よく進むのはよくある事なので問題ない。
ブローヴァ「要望は?」
ゼロ「私の身の保証、そして装備を奪わない事
束縛しないこと、今はそんな所で充分だろう、良いか?」
ブローヴァ「えぇ、じゃあ私達を護衛してくれる?」
ゼロ「任せろ、とりあえず扉から離れてくれ」
離れたのを確認してからマスターキーを取り出す。
散弾銃のスラッグ弾、これで開かない扉は普通の扉じゃ無い。
錠前はひしゃげ、扉は開いた。
唖然としている三人を急かして脱出する。
ゼロ「何をしている、さっさとここから出るぞ」
ブローヴァ「あ、え、うん?」
・・・SANチェックにでも失敗したか?
少々不安な点を抱えながら、私は要救を確保して脱出することに成功した。
とりあえず足だ、馬車に戻った。
プレデターはまた3機に減らした。
変わった点はそのくらいだ、馬車の周りは死体だらけだ。
ブローヴァ「あぁ、みんな・・・」
ゼロ「感傷に浸るのは良いが、何処に向かえば良いか分からないんだが?」
メイド1「さっきから姫様相手になんて口の利き方を!」
ゼロ「生憎とこの国の人間じゃ無いんで、関係無い
なにせ、俺からすれば何か凄い訳でもないただの子供なんだからな」
メイド1「貴方は一体何様のつもりですか!?」
ゼロ「私様、と冗談はさておいて
ただの傭兵だよ、何にも縛られない、使い捨てられる事の無い
自由な傭兵、それが私だ、だから相手が王様でも敬語は使わんぞ?」
メイド1「なんて無礼な・・・」
ゼロ「礼儀を尽くして腹が脹れるのなら誰も死にはしない、そういう事だ」
そう返して話を終えると、今まで黙っていたもうひとりのメイドが話しかけてきた。
メイド2「貴方は、何を見ているんですか?」
ゼロ「どういう意味だ?」
メイド2「貴方はまるで、世界の全てを見たような
どこか遠くを見ています、そしてナニかに絶望している声をしています」
・・・勘の良いガキは嫌いだ。
ゼロ「勘の良すぎる奴は長生きできない、とだけ言っておく」
メイド2「充分です、貴方は相当な場数を踏んだようですね」
ゼロ「アンタだって、さっきから袖から手が出てないぞ?」
メイド2「・・・これは失礼」
ゼロ「ま、信用しなくて良いさ、慣れているからな」
メイド2「・・・やはり貴方は」
ゼロ「話はここまでだ、私の事は詮索するな」
そう切り上げてポカーンとしている二人をこっちに引き戻し
そして高機動車(屋根無し)を召喚、吹きっさらしの理由は簡単だ。
機械の無いファンタジー世界、ハンヴィーやら軽装甲機動車なんて出したら
鉄の化け物扱いで攻撃されちまう、姿が見えれば、なんとかなるだろう。
驚く三人を担いで荷台に放り込んでさっさと出発する。
なんか文句言ってきてるが無視だ無視。
夜通し道なりに走った結果、高い壁に囲まれた城が見えてきた。
ゼロ「あれが目的地か?」
ブローヴァ「えぇそうよ、これで助かったわ」
ゼロ「内心は暗殺犯に怯えてるんじゃないのか?」
ブローヴァ「・・・勘の良い傭兵も長生きできないわよ?」
ゼロ「勘が良くないと危険を察知出来ないから寧ろ長生きできるさ」
ブローヴァ「本当に敬意のけの字も無い男ね」
ゼロ「敬意を払われたいなら、それだけの事を成し遂げな、そしたら考えてやる」
ブローヴァ「それ考えるだけってオチじゃないの」
メイド1「・・・姫様、楽しそうですね」
メイド2「姫様はやんちゃ、身分を気にしない相手が好き」
ブローヴァ「そこ! 聞こえてるわよ!?」
ゼロ「へりくだった奴より真っ直ぐ突っ込んで来る奴が好きか、良いんじゃないか?」
ブローヴァ「あ、やっぱりそう思う?」
化けの皮ってこういうのも入るのかな?
ゼロ「あぁ、ですわよ口調が無い今のアンタはとても魅力的に見えるぞ?」
ブローヴァ「あっ」
ゼロ「・・・まさか、口調が崩れてるのに気付いてなかったのか?」
ブローヴァ「そんなことないわよー」
おう棒読みやめーや。
メイド1「お二方、間も無く弓の射程です、速度を緩めてください」
ゼロ「了解、これで護衛も終わり、だと良いんだがねぇ」
ブローヴァ「やめてよ、なんか嫌な予感してるんだから・・・」
メイド2「姫様の予感は当たる、きっと今日は矢が降る」
ゼロ「やめてくれよ・・・」
そんな、無駄に賑やかで平和()な会話を嘲笑うように
私の視界に映ったのは弓を構える兵士達の姿で。
ゼロ「なぁ、兵士は常に弓を構えるって決まりでもあるのか?」
ブローヴァ「あるわけ無いでしょ・・・構えてるわね」
メイド1「まさかそんな・・・構えてますね」
メイド2「だから言った、今日は矢が降る」
ゼロ「アテは無いが逃げても良いか!?」
ブローヴァ「寧ろ早く逃げて!」
ゼロ「アイ、マム、ヒャッハー!?」
急速後進からのリバース180で逃走開始、なろう味は何処に行った!?
なろう味『王様に会うのも飽きたやろ?』
平和をください!?
とまぁ、特に理由の『ある』攻撃がゼロ達を襲う、ってところでまた次回です。
まぁ常識的に考えてさ、普通じゃまだ到着しないハズの人が
得体の知れないナニかに乗って、護衛も無く、見知らぬ男と共に居たら
普通は偽物とか敵だとか魔物が擬態してるとか、疑うよねって話。
でも今回はそっちが理由では無く、ちゃんとなろう味な理由なのでご安心を。
ゼロ「だったらさっさと街に入れてくれよ・・・」
もう少しアウトドアを楽しみなさい?
それとあの城とか城下町は入る予定は最初から無かったから。
ゼロ「・・・おいそれまさか?」
君、街も召喚出来たでしょ?
ゼロ「やっぱりそうなる!?」
ぼくのかんがえたさいきょうのようさいとし、を作っちゃいな!
ゼロ「お前高射砲塔出したいだけだろ!?」
イェス! イエス! YES!