第7話
最後に残ったフェーンウルフは首を噛み砕かれ、胴体と頭が分かれ、地に落ちる。
上位種の魔物は、口には手下のフェーンウルフの血がべっとりと付き、此方を見据えている。
それを唖然と観ていたリュウトは、傷を居って動けなくなった。手下のフェーンウルフを難無く処分した上位種の魔物。
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〜夢想空間のスノウの視点〜
「ねぇ、スノウ、ご主人様は大丈夫?」
メイド服を着た空色の髪の彼女は椅子に座り、私はテーブルを挟んだ反対側の椅子に座り向かい合い、彼女の質問に私は応えるべく。
「そうね。今までの戦闘では大した怪我もない、戦闘でしたね。
先ほどの戦闘はリュウト様の油断が原因ですね。始めに左右の魔物の二体に対して、威圧か斬激を飛ばし怯ませてから正面の魔物に向かうべきだったね」
そう、分析をする私に対して、メイド服の彼女は涙を堪えながら言った。
「私はね。スノウ。私は先ほどの戦闘でね。ご主人様が···ご主人様が·····ご主人様が········うあぁぁぁぁ」
メイド服の彼女は堪えていた涙がポロポロと零れて、テーブルに落ち涙。彼女は涙声になりながらも続けようとするがこの次の言葉が出ず、泣き出した彼女。
私は泣き出した彼女にどうやって、声を掛ければいいのか、解らず。私は今の思い語り出す。
「私だって、リュウト様がこのままでは死んでしまう思ったわ。だけど···、 だけど···、 今の私ではリュウト様の力に慣れない。でも、でも、 ティア」
私に名を呼ばれた彼女は、私に向き直り、顔を上げ。鼻をすすり、涙を拭い。私の言葉を待つ彼女。
「ねぇティア、私」
私が彼女の名を呼び、次に発する私の言葉を遮るように彼女から。
「スノウ。」
私は呼ばれ彼女を見た。彼女は眉をつり上げ、額には青筋を立ってて、私を睨む彼女。
「なんで、怒ってるのティア」
彼女は声を荒げって私に。
「スノウ。私のことティアと呼べばないでなの」
「そうだね。ティア」
「また、スノウ」
「ごめんね」
「スノウ。私のこと愛称でティアと呼ぶのはいいなの。
それに、スノウがご主人様の前では愛称の名でティアと呼べば、ご主人様が私の名がティアなんだなと認識して、私のことをティアと呼べば、それが眷属の証しとして契約が成立してしまうなの」
「うん」
「スノウ。私ね。子供の頃にご主人様から貰った名が好きなの。
それに、ご主人様に名を呼ばれるのが好きなの。
私は、ご主人様が大好きなの。
だから、スノウ。ご主人様が私の名を思い出し名を呼ぶまで、ご主人様の前では私の名を呼ばないでなの。スノウ」
私は頷き。謝罪から始める。
「ねぇ、ティア。ごめん。やっぱり、名を呼ばないと話を始められないよ」
「うん、今のは仕方ないけど、ご主人様の前では呼ばないでねスノウ。
今、この夢想空間は私達の他には誰も居ないからいいけど、私とスノウの以外の5人は自分達の部屋で、今、何しているか。わからないけど。
今はスノウと2人だけだから、今回だけだからね。スノウ」
私は頷き。
「スノウ。次の戦闘はご主人様のサポートしてくれるだよね。
それと、先ほど戦闘での経験値で、スノウのレベルMaxになったよね。
スノウ。もう、進化できるよね」
「うん。······進化するにはリュウト様の許可が必要です。
それに、進化先が1つ場合はリュウト様の許可だけで進化できる。
だけど、進化先が2つまた複数ある場合はリュウト様の許可だけでは進化できないです」
「スノウ。今回の進化先はいくつなの」
「今回の進化先は1つだけだよ」
「スノウ。念話して、ご主人様から進化の許可を貰ってなの」
私はティアに言われ念話でリュウト様に進化の許可を貰うために、念話をすることになったが、私は念話をすることに躊躇い。
躊躇いが出た私は、躊躇うことは解っていた。ギルドでまた、夜に言ったため。私にも矜持があるため、念話出来ずにいると。
「スノウ。ご主人様から進化の許可貰えたの、貰えないの、どっちなの」
私を見つめてくるティアに私はおもわず顔を反らした。
それを見た。ティアは私に向け怒声を上げ始める。
「スノウ」
私は萎縮して、俯いていた。
「まさかだと思うんだけど。スノウ。念話したのスノウ」
「·····」
私はティアの質問に応えられなかった。
「スノウ。私のことティアと呼んでるはスノウともう1人いったよね。
それに、スノウ。他の子達は違う名で私を呼んでるよね」→「スノウ。私のこと愛称でティアと呼ぶのはいいなの。
それに、スノウがご主人様の前では愛称の名でティアと呼べば、ご主人様が私の名がティアなんだなと認識して、私のことをティアと呼べば、それが眷属の証しとして契約が成立してしまうなの」