夕暮れ
真っ赤な夕暮れが
私を真っ赤に照らす
その光は優しくて
だから眩しい
その光が私を包む
だから悲しい
あの空が
あの雲が
温かな赤で
その美しさが信じられなくて
その優しさが許せなくて
あんな景色が早く消えればいいなんて
そんな思いで背を向けて
しばらく目を瞑ればあの赤はどこかに消えて
また目を開いてみれば赤い光がまた映る
ああ、虚しい
茫然としながらその赤を眺め続けると地平線の底に消えていく
あの赤はもう滲むようにしか見えない
一度あの赤を思い出す
一筋の涙がそっと零れた
地面に落ち、染みてはまた消えていく
あの赤はもう私の目には映らない