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違えぬよう…。  作者: 櫻井 満月
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亀更新ですみません。

今回はとても短いですし、背景などなどの説明の回になってしまいました…。

語り部的な第3者視点で進みます。

物語での主要な人はほとんど出てきません。

すいません。


次の話もなるべく早く上げるようにします!

よろしくお願いします。


さぁさ!

そこ行く方々、お時間あるならちょいと耳を傾けておくれでないかい?

これから語るは昔々のその昔、我らが大恩あるお方の昔語りさ。

さわりだけでもいいからさ、お耳汚しにちょこっとそこへ座っておくれ。

つまらなかったらすぐにお帰りいただいて結構だ。

聞いている間の冷たい果実水もあるよ。

さぁ!よったよった!

始めるよ!




*************************************************************************


我ら木霊(こだまの一族、語るはこの世を統べる桃李天様の昔語。


昔、世は三界に隔てられておった。

桃李天様が生を受けしは世の最上地、天界。

花は東に色とりどりと咲き乱れ、太陽の恵みの下南に果実がたわわに実る。

緑豊かな森と湖は広大な西の土地に広がり、北には深い渓谷が悠久の時と共に横たわる。

地を統べるは賢帝帝釈天。

開祖代々受け継がれてきた帝の中でも最も民を思いの天帝。

続き帝釈天の補佐として宰相の梵天。

下に東方守護の持国天、南方守護の増長天、西方守護の広目天、北方守護の多聞天の四方を守護する四天王と呼ばれる武将あり。

更に四天王に付き従う様々な眷属の一族より天界は成り立つもの也。



長い長い時を平和に紡ぐ天界。

賢帝帝釈天の御世での大きな戦は二度。

帝釈天が天帝になった時、妬んだ弟による反乱と、

三界を巻き込んだ悲惨な戦争のみ。


三界たるや、天界・人界・魔界を総称した呼び名。

三つの世界それぞれがお互いの領域を侵すことなしと暗黙の取り決めあり。

それぞれ時間の流れが違うため、三界は異なる空間で隔てられている故である。

覗きこめば同じものが移る鏡のように、すぐそばにあるように見えても、決してたどり着けない隔たりがあった。

目に見えるのに手では触ることができない。

決して侵してはならない三界の関係也。


しかし不可侵のその空間に知らぬ間に歪みが生じ始めた。

そして歪みが最大になった時、人界の王が魔界の王へ戦を仕掛け、あろうことか天界へまでもその食指をのばした。


帝釈天は民を傷つけられることに大いに怒り、戦に立ち上がる。

結果、天界と魔界両国を敵に回した人界が敗北した。

敗北した人界の王は処刑され、

天界、魔界ともに人界との停戦条件として人界の王の娘をそれぞれ人質として娶る。

身内があればもし再び空間の歪みが生じようとも再び攻め入ることなど容易にせぬと考えての事だった。

そして空間の歪みが生じた場には三界から術者が選ばれその歪みを修繕し、

再び歪みが生じることのないようその地で見守ることとなった。

かくして世界は平和を取り戻した。


天界にて人界の娘を娶ったは時の帝釈天。

実質は人質であろうとも、人界のものが再び攻めてこないためには、その娘が幸せでないといけないと帝釈天は考えた。

実際に人界をよく思わない者は天界、魔界に数多存在す。

魔界に嫁いだ娘は表向き将軍の妻だが、一切屋敷からは出られない扱いであるという。

毎日己の不遇を嘆き帰りたいと泣き暮らしていたのだとか…。

しかし、それでは恨みに恨みを重ねるだけ、さらなる恨みを生むだけだと帝釈天は思い悩む。

幸いにも人界の娘がどのような姿かたちなのかは帝釈天とその息子、そして主だった重臣だけにしか知られていない。

ならばと帝釈天、

帝は娘の身分を隠し、急に現れた娘の存在がおかしく思われないよう戦の途中で助けた娘だと民に広めることにした。

娘は当初怯えるだけで、帝釈天の方を見ようともしなかった。

いずれ殺すのならば、今この場で殺してくれと懇願す。

帝釈天はそんなことは微塵も思っていないと切に告げ、

毎日、毎日娘のために花を届けた。

いつしか帝釈天の心には娘を愛おしむ気持ちが育った。

その気持ちに嘘偽りはないのだと告げ続け、娘は部屋の外に出るようになる。

それでも娘の表情は硬く瞳は常に不安に揺れていた。

侍女には儚いながらも笑みを見せるのに、自分には微笑んでくれぬ。

そういって嘆く帝を側近たちがからかうほどだった。

己が使える主を見、人族を厭うていた者たちも娘を受け入れ始めた。

そんな娘が己に微笑むようになったとき、帝釈天は晴れて皇后として迎えたのだ。

父の意向をくみ、先の皇后との間に生まれた皇子も新しい皇后を快く迎え入れた。

忙しくて側にいられない父の代りに天界の素晴らしさを教え、天界を好いてもらうために心を砕く。

その甲斐あって、帝釈天に嫁いだ娘はしあわせであったという。

娘は帝釈天との間に子供を授かり、夫と家族に囲まれて幸せそうに笑っていたそうだ。

この賢帝の御世は天寿により帝釈天が息を引き取るその時まで続くと思われていた。

そしてその後も帝釈天の息子に受け継がれ天界の平和は悠久の時を歩んでいくはずであった…。




しかし、三界を巻き込む戦から天界の歴で5年がたったころ、

天界の端に身を潜めた人族の男が天界に再び攻め入った。

天帝は皇后とともに殺害され、二人の皇子は行方知れず…。

天界は血筋を失い攻めてきたものが帝となることを宣言した後平和とは無縁の恐怖政治が敷かれる地へと変貌していく事になる…。


悲しい物語の始まりである。

読んでいただいてありがとうございます。

なかなか主題に入れません…。


誤字脱字、読みづらいなどありましたらご指摘ください。

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