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Lonely Liar  作者: Laugh
-Episodeβ-
182/344

-Episode71-

「杣さん、僕でよかったらその、杣さんの目的に協力してもいいんだけど……」

 僕は杣に協力を申し出た。僕をここに閉じ込めておくのが目的ならどうしようもなくなってしまうが、それ以外なら僕がここから出るチャンスがやってくるかもしれない。

「ん? 協力してくれるの? ……そう、なら一つお願いしてもいいかな」

 杣は僕の提案に乗ってくれた。僕は心のなかでガッツポーズをする。内容によってはすぐに外に出られるかもしれない。そんなことを考えていると、僕の目の前に長い紐が出現した。

「……あの、これは?」

 僕は紐をつまみながら、杣に質問をする。

「その紐を編んで、縄を作ってほしいの」

 杣は僕にやってもらいたいことを説明してくれた。……いや、なぜ縄? 何のために縄を?

「多分使わないと思うけど……あればいいかな、って。これなら朔君もここから動かないで出来るでしょ?」

 杣はどうやら僕がここから出ないことを前提に手伝ってほしいことを選んでくれたらしい。まぁ、僕もうまくいくとは思っていなかったけれど。

「杣、俺はここから出れないのか?」

 僕が話に詰まると、迅が杣に話しかけ始めた。おそらく彼は一旦外に出て、怜や弥奈、ゴル先輩に連絡を入れようとしているのかもしれない。……多分。

「出してもいいけど、朔君のことを口外しないように、色々と細工はさせてもらうよ」

 杣の返答で、杣は僕のことについて抜け目なく考えていることが分かった。まぁ杣の性格や立ち振る舞いを考えれば、ある程度予測はできたが……。

「朔君、ずっと同じ場所にいるから、ちょっと疲れているんじゃないかな? まだ私のやるべきことが終わっていないから、ここから出すことは出来ないんだけど」

 少し申し訳なさそうに、杣は言った。確かに、少し頭がうまく回らない。

「なぁ、そもそもなんで朔はこんなところに監禁されているんだ? その目的の為に必要そうなのは分かるが、朔をずっとここに閉じ込めておくことで、一体何の得になるんだ?」

 そういえば、僕も杣がなぜ僕をここに閉じ込めたのかを聞いていなかったなぁ。

なんだか微妙にはぐらかされ続けていたし。

「得……別に、得になるわけじゃないけど。でも、朔君はここにいてもらわないと危険に巻き込まれるから」

 杣は少しだけ新しい情報を口にした。僕が外に出ると、僕が危険に巻き込まれてしまうらしい。八月十六日までここで待機するのは、危険な目に合わないようにするためなのか?

「どんな危険?」

 僕は杣に尋ねてみる。僕の命に関わるほどの危険であるなら、僕もここからの脱出を諦めてしまうかもしれない。

「簡単に言ってしまえば、朔君の命に関わるものだよ」

 杣は僕の目をちらと見てから、そう答えた。まさか、本当に僕の命に関わるほどの危険だとは思わなかった。

「それは朔が何者かに襲われるということか? それとも何らかの出来事に巻き込まれてしまうということなのか?」

 迅が杣の回答に反応する。

「まぁ……どちらでもあるかな」

 杣は相変わらずはぐらかすような答え方だ。その後も迅は質問を繰り返すが、いいところで核心からずれて曖昧なまま終わってしまう。時間が経つと杣は用事があるからと影に消えていき、僕達は二人でここから脱出する方法を模索する。

 そんなことを繰り返しているうちに、日付は八月の十四日になってしまった。

「あと二日か……なんだかもうここでじっとしててもいいような気がしたよ」

 僕はげんなりしながら床に座り込み、そんなことを呟く。

「実質、これからここにいる日数より今までここにいた日数の方が多いからな。ただ、杣が俺たちを解放する気がないってことは、杣がまだ目的を達成していないってことなんだろうが」

 迅も割と疲労が溜まっているらしい。最初のうちはなんとか脱出しようと色々強引な手段も用いていたが、どうしてもあの結界が越えられなかった。この薄暗い景色のせいか、長い間ここにいるといろんなことが混ざり合ってしまい、様々なことを見落としてしまっているような気がする。……何か見落としていることは無いのか? たとえば、昨日までの会話の内容とか……。

「メールも結界のせいか送れないんだよなぁ。せめて弥奈と連絡がとれれば、なんとかなりそうなのに……」

 弥奈か……確かに彼女なら、結界ぐらいすぐに破れそうだ。虹魔法使いなら、杣の呪いだって破れそうな気がする。まぁ僕達の状況をしらない彼女は、今も僕の家で優奈を説得しているのだろうが。……ん?

「迅、弥奈さんは、今、僕の家で優奈の説得をしているんだよね?」

 僕は一つ一つ確認するように迅に話しかける。

「ん? あ、あぁ……」

 迅はぼぅっとしながら答える。おそらく、彼は気付いていない。僕もなぜ今まで気付かなかったのか不思議なくらい、違和感を感じていなかった。

「迅、そもそも僕たちが裏通りに行ったのは、何のためだっけ?」

 僕は迅に確認を取るように、言った。

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