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Lonely Liar  作者: Laugh
-Episodeβ-
127/344

-Episode16-

「す、すごいよ弥奈ちゃん! もしかして一週間前まで時間を戻せたりするの?」

 怜が弥奈の行った行為についてかなりの興味を抱いていた。すでにちゃん付けするという大分馴れ馴れしい彼女だったが、弥奈は特に気にしていないようだった。

「いえ、一日分だけ……。それに、戻せるのは、無生物だけで、生きてるものは、戻せないです」

 弥奈はゆっくりと今の魔法について説明した。一日分、しかも無生物だけか。それでも十分にすごいとは思うが、ちょっと残念な気もする。

「時を戻す、というより操る魔法、か?」

 迅も弥奈に彼女の魔法について尋ねていた。

「え、えっと、まぁ、それに近い、です」

 彼女は戸惑い、言葉を選びながら話す。それに近い、ということは彼女の魔法は時に関するものではないということだろうか? 無生物、と考えることも出来るとは思うが、それだと怜の「水」やあの少年の「風」も無生物ということになる。それら全般を操ることが出来るなら、その魔法はとんでもなく強い魔法なのでは?

「とりあえずありがとう。じゃ、今から簡単な作戦会議をするんだけど」

 舞は黒板の前に、図を描いていく。丸が右に三個、左に四個、計七個ある。これが僕らを表すものだとすれば、なんだか一つ多いような気がするのだが。

「私の予想だと、あいつはまた私たちを襲ってくるわ。不必要に思えるかもしれないけど、これからは暫くまとまって行動した方がいいかもしれない。でも、これだけの人数が団体行動をすると、必ず一人は孤立する人間が出てくる」

 舞は図に書き込みながら説明をする。かなり絵が上手だ。コンパクトにまとめられていて、視覚的に分かりやすい。僕が何度も相槌を打っていると、隣にいる怜が頬を引っ張ってくる。不機嫌なのは分かったが、なんで相槌を打っているだけで不機嫌になるのだろう。不思議だ。

「そこで、私の方で一人護衛を呼んで、三人と四人で行動しようと思うの」

 なるほど、一つ多いのは護衛を付けるからか。しかし、どうして護衛を付ける必要があるのだろう? 僕はともかく、皆は普通に自分で自分を防衛できそうな気がする。そんなことを思っていると、舞が説明を付け足してきた。

「連絡手段がなさそうだ、って思ったからよ。とくにあんた、携帯電話とか持ってなさそうだし」

 舞が僕を指差して言う。なんだか勝手にそう思われているのは心外だ。まぁその通りなんだけど。

「じゃあ俺が携帯電話持ってるから、俺、杣、朔、怜さんの四人と、舞さん、弥奈さんの二人で別れるのはどうだ?」

 迅はどこか困った様子で言う。彼は護衛について何かを知っているようだ。どうして困っているのかは分からないが。

「いえ、それだと人数の少ない私たちが狙われる可能性が高いわ。出来れば三人三人がいいんだけど、あんたたち、そういう関係でしょ? 引き離しにくいのよ」

 舞は少しため息交じりに答える、そういう関係――恋愛関係だろうか? 僕と怜はそういう関係ではないのだが、怜が離れてくれなさそうなので、同じようなものなのか。

「そ、そうだ、弥奈さんは携帯電話とか……持ってないか。じゃあ、俺、杣、弥奈さんと、朔、怜さん、舞さんとかは?」

 迅は必死になって代案を考えている。そこまで護衛を付けることを拒否するなんて、その護衛の人がどんな人なのかすごく気になってきた。

「――そうね。まぁ、いいわ」

 舞は複雑な表情を浮かべ、いつの間にか取り出していた携帯電話をしまう。彼女なりに思うところがあるのだろう。僕も、自分の出した提案が否定されたときはあまりいい気分にはならない。

「じゃあ電話番号を交換しておかないと」

 迅は携帯電話を取り出し、その後画面を舞に見せる。携帯電話って赤外線通信の機能とかなかったっけ? 僕が使っている訳じゃないから詳しいことは分からないのだが、そういう話はよく耳にする。

「ん。じゃあ一回かけるわね」

 どうやら電話番号を教えたらしい。彼女は携帯電話のボタンを何度か押し、押されたそれを耳に当てる。

「……よし、繋がったな」

 迅も画面を確認し、念のためか電話に出る。その後すぐ電話を切った二人は、別々の方向に歩き始める。迅は杣、弥奈と一緒に図書室の外に、舞は僕と怜のいる図書室の中に。

「まぁ、そういうわけで、よろしく」

 彼女は無愛想に言った。

「えー、私この人苦手ー。朔君、どうする?」

 怜は露骨に嫌そうな仕草をする。人には得手不得手があるから怜が舞を苦手なのは別にいいんだ。ただ、判断を僕にゆだねるのはやめてほしい。

「どうって、舞さんがいないと僕たちは迅に連絡する手段がないんだし、一緒にいるべきだよ」

 僕はなるべく論理的に説明してみる。怜がジト目で僕を見る中、

「ふーん。思ったよりまともな判断はできるのね。恋は盲目ってよく言うけど、あれって嘘なのかしら」

 舞は僕の行動に若干感心していた。妙な所で感心されても困る。また一癖ある人が出てきたな、と僕は溜め息を吐いた。

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