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えー、すいません;;
ネトゲにはまって、更新遅れました@@w
まあ。。。たいしてアクセス数もないですが^^wwww
今までの投稿分、チョコチョコと直していきます。直し方をいまいち解ってませんが;;
不定期更新で、、すいません^^;
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夕暮れに訪れる一瞬の静けさの中、クロは憂鬱な面持ちで見慣れぬ街並みを一人歩いていた。半島の先端のなだらかな斜面に作られた街並みは港の方から順に倉庫街、歓楽街、オフィス街、住宅街ときれいに区別されているように見て取れた。
古くから寄港地として交易で栄えてきた街だった為、石作りの倉庫があちこちに点在しているのが見受けられる。
クロにとっては、ひと月に何度か貨物機のパイロットとして、空の上から眺めていた景色ではあったが、物流が発達していた街らしくオフィス街や歓楽地を除いて幅の広い道路がきちんと整備された。
比較的に近代的な街並みだと思っていたのだが、古い建物と近代的な建物が混在していて、どことなくクロの出身地である島国の街並みに似たようなところがありクロはなんとなく懐かしさともいえる感情を感じていた。
主だった産業は漁業と貿易が主ではあったが、近年、流体理論の応用により開発された化石燃料の必要としないエーテルエンジンの進歩により、より大きな物を大量に運ぶことのできる航空機が開発されたことで、物流の主軸が海運から航空輸送に変わり始めた。
交易都市としての機能が失われ始めていることは明らかで、いい歳の連中が、「チーム」という組織を作って群れているところを見ると、今まであった産業が物流の変化により、この街を中継しなくともよくなったことによる弊害なのかもしれない。
船が来ない=物が売れない=仕事が減る=仕事にありつけない若者が街にあふれる・・・という事なのだろう。
地下資源を活用することに極端な制限を受けるこの星では、元々石油、石炭を燃やしてエネルギーとして利用する文化がなく、鉄等の主要金属の採掘さえも星の環境を守るという観点から禁止されており、それらの資源はこの太陽系に無数に存在するスターダストを利用して衛星軌道上に持ってきて資源衛星として利用し、そこで生産したものを宇宙船で降ろして利用するという方法が古来より続けられているのだった。
長い間の宇宙生活に慣れてしまい、まだ星として「若かった」この星の自然環境の変化になじめなかったものたちが、永住可能な宇宙ステーションである「スペースコロニー」を建設し「いつでも大気のある星に降りられる安心」を感じながら、宇宙生活をおくる者たちも少なくわなかったためである。
宇宙移民者達によってもたらされた科学的大革命は、元々この星にいた人々にとっては、願ってもないことであったはずだが、それゆえに以降の技術的進歩はあまりないといってよかった。
持ってきたもの全てがこの星の環境下で使用できた訳ではなく、この星に合った仕様に変更することに費やしたというのが、本当のところであったのかもしれない。
生物が生存するための水、酸素、といった基本的な要素は備えていたが、異なる星の異なる生態系である、そこに暮らすために、この星特有の細菌やバクテリア、動植物の研究を最優先としたため、生物学、医学の分野に限っては、急激な進歩をはたしていた。
しかし、直径にして地球の2倍ほどもある星に4倍に近い陸地、10億に満たない人口しかいないため、いまだに新しい生物や細菌類が発見され、最優先で研究施設に送られることも珍しくないため、いまだ未開の星といったところである。
「一度滅びを経験した者達が、この星に移住するさいに知恵の限りを尽くした。」その一点に尽きるのかもしれない。
人の一生の長さに比べれば、永遠とも思えるこの星「アクア」もいつか人と同じに滅びを迎えるはずである、その時まで人類がこの星に生存し続けたとして、人々はまた同じように新たな太陽系に向かうのであろうか?
それは、のちに違う主人公で語られるのかもしれない。
オフィス街から歓楽街へは、そんなに離れてもいないためクロは、地理を覚えるためにも徒歩で行くことにした。道路は基本的に南北に広い道が通っていて、街の外周を回るように囲んだ道が一番広い通りになっていた。街の中心部を通らずとも住宅街から港に行けるよう後から作られた道のようだった。
(なるほどねー)と、感心しながらも手に持った地図と周りの風景を頭の中で結びつけていく。何かあったときに不自由なくこの街を走り回れるだけの土地勘を身につけておいたほうが、無難であると考えたからであった。(何も無いのがいちばんではあるが、事を起こそうとしているのである。何も無いわけが無い)そう思うとクロは少し気が重くなっていた。
歓楽街は、南北にして1キロ程の間にひしめきあって存在しているが、港に近いほうの500メートルの方は空きビルや廃ビルが多く、産業が港からオフィス街のほうに移っているのが見て取れた。(逃げるにしても戦うにしても、こっちに来ないと被害が大きくなるか・・)
そんなふうに考えながらブラブラと観光客のように街中を歩いていく。ほどなくして倉庫街に突き当たったため、そこから歓楽街へ引き返す。
道すがら、ふとクロの目に留まったのが先ほどの仕事の打ち合わせで話に挙がっていた「アーケードゲーム」の人だかりだった。1プレイ5Sとなっている。(5Sって安めのランチ食べれるし・・・ぼったくりか@@)と思ったが、(話の種に一度やってみてもいいか)と思い直し列に並ぶことにした。
運がよければケイト・マックスウェルと対戦ゲーム上ではあるが、手合わせ出来るかも知れないとも考えていた。(ワンプレイ5分として、前に5人待ちなら25分待ち・・?)と考えているよりはやく、順番は回ってきた。「うへー、瞬殺。」などといってゲーム機から出てくる者が数人いたからであった。
初めて入ったゲームルームはゆったりと座れる椅子の前方に簡易のタッチパネル式のモニターが置いてあるだけの簡単な作りだった。始めに前面のモニターを通じてゲームのプレイヤー登録を済ませていく。
普通ならプレイヤー名やアバターなどの設定があるだろうと予想していたのだが、何の選択画面も出ず、いきなり武器選択画面となった。
(あれ???出ないものは、しょうがない・・・)クロは不思議に思いながらも、太刀を選択し設定終了となった。音声案内に従いVR機専用のヘッドセットを頭に装着しログINを待つ。回線が繋がると同時に頭の中に「BOOT」と言う文字が浮かび上がった。
音声ガイダンスが始まると聞かされていたのだが・・・・、そこに現れたのはどこかのオフィスにいる女性オペレーターの顔だった。「うっわ!!」思わず声が出た。(人生初のVRゲーム機、最初の画面がゲームでなくって人、それってどうなの???)
「プレイヤー、コードネームライトニング様と確認しました。」クロの驚きを尻目にその女性は淡々と業務をこなしていく。「こちらは、アミューズメント事業部担当カレナと申します。今回の御使用は、お仕事の一環で御使用になられるかもとお伺いしておりますが。いかがいたしましょう?」
「えええええええええええええ・・・」思わず大きな声でさけんでしまっているクロがいた。
「いや・・・話の種に一回やってみようと思っただけなんで・・・経費とか、そういうのじゃなくてもいいです。」「っていうか、何で僕が使ったの判るんですか??」
「今回は経費扱いしないということで、承ります。2つ目のご質問ですが、うちの会社ですから・・・としか私の立場では、お答え致しかねます。」「十分なご説明が必要でしたら、当事業部の責任者を呼び出しますが?いかが致しましょう?」
(事業部長あたりが、くそ面倒な社員規定だの何だのの説明から始まり、ついでに雇用契約書の第何項どうたらこうたら・・・が始まるのだろうな~)という予感がひしひしと伝わってきたのだ。
「いや・・・いいです。」と言ってしまっているクロがいた。(面倒くさ過ぎる)いつの間にか「しぶ~い」顔になっているクロがいる。
「ちょうど今回当事業部が調査の依頼を受けましたお相手の方がINされておりますので、そちらとお繋ぎいたします。」「それでわ、ごゆっくりお楽しみください。」と言って回線が切れゲームが始まろうとする。
クロの頭の中にハテナマークが20個くらい並んで飛んでいく。「ええええええええ・・・それって仕事じゃー・・・」後の祭りだった。
(やられたー)と言う思いから上を向いたクロの視界の右に黒いものが迫る。(もうはじまってるし・・・かわせない)と思った瞬間クロは左に大きくジャンプしていた。微かに当たった感は存在していたが、ダメージは視界上に表示されているHPバーの10%に満たないものだった。
「お、吹っ飛んだー。」「今のノーガードだったよなー」とかさまざまな声が周りから聞こえてくる。ゲームセンター内にあるモニターで今の試合はリアルタイムでながされているからだ。
スット立ち上がったクロを見てざわめきがおきる。意外だと思っていないのは相手の少女だけだった。決まったと思った瞬間の打撃感が明らかに軽かった為である。
「えっと・・・武器、武器、武器・・・」アイテム選択画面を選択するが、何も設定されていない(あれ・・・太刀の設定したはず・・????)武器装備の選択画面を開くと「卑怯です」と表示されていた。
(・・・なんじゃこれ???元々設定できるゲームなのに社員は冷遇かー@@w)と、考える間もなく相手の拳や蹴りが次々に襲い掛かる。(無いものはしゃあないか・・・。体術で相手するのか~;;)
あきらめたところでクロは初めて相手を確認した。
間違いなくケイト・マックスウェルだった。190センチに届こうかという長身に腰に届く長い黒髪、ジーンズに革ジャンという姿が妖艶な顔立ちもあいまって(胸のふくらみが少し残念だが)すごく似合っていた。
先ほどから襲ってくる長い手足からの打撃は彼女の装備している手から肘までをカバーしているグローブや細い足に見合わぬ頑丈そうなブーツは、何らかの付加攻撃力がありそうで、(まともにクラッタラいたいよね~)と思ってしまうクロがいる。
「痛いの嫌いなんだよね~。」ぼそっとつぶやいてしまった。
「は~~~~あ、アンタ、バッカジャナイノ~」この二人の初めて交わした会話がこれである。
第一印象は・・・「最悪」・・・って・・・こんな感じでしょうか??