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飲むと自分じゃない人生の記憶の断片が見える薬・未来の日記
飲むと自分じゃない人生の記憶の断片が見える薬
もんぺを着た少女になった。
街には「贅沢は敵だ!」とか書いてある立て札が見える。そうか、戦時中なのか…。
ではここは…?時計は容赦なく動く。
けたたましいサイレンが鳴く。
午前8時15分、乗り移っていた体が消えた。
目を開けると、見知った自分の部屋だ。
水が欲しい。—水が。
水道をひねる。
冷たい水が出る。
・ ・ ・
未来の日記
未来の日記が毎朝届く。
朝、いつものようにポストを見る。
来ていた。
2011年3月10日。10年後の自分の日記。
初めて届いたのは数年前。自分が中学生だったときだ。
なになに…
「公衆トイレのトイレットペーパーがなかった。ショックである。」
これを見て思わず吹き出してしまった。
なんとしょーもないことをこいつは書いているのだろう。
—まあ自分なのだが。
そうやって、明日も来ることを期待して、高校への道を歩く。
次の日、ポストに届いたのは。泥で汚れてなにか潮の匂いのする破れた日記帳だった。




