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燃え〈ルナ〉よ剣‼️~コミュ障少女。ぼっち生活を死守するために、お弁当と燃える剣で冒険者たちを守ります~  作者: みちのあかり
街歩きと教会

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第36話 閑話 教会にて②

【ギルド長】


 宝石商の店主がルナと名乗った冒険者らしき人物と接触していた?

 しかも少女?


 なぜ、名を聞いていない? 連絡先もだ。


 ギルドの書類には該当するものは見当たらなかった。

 しかし、まだこの街にいるとすれば、どこかの宿に泊まっているのか?


「おや、あの後ろ姿。さっきのお客様にそっくりですね」

「ほう」


 ルツィナくらいの背格好の少女?

 そういえば、ルツィナも赤いローブを着ていたような……。


「でも、顔も雰囲気も違うので別人でしょうね。あんなにおどおどするような方ではありませんでしたし」


 まあ、そうだな。あのおどおどしたルツィナがダンジョンに潜るわけはないか。


「少し話を聞きたい。よろしいかな」


 私は店主を引き留めて、ルナの特徴と宝石を買ったご婦人の事を詳しく聞いた。



「お待たせいたしました。こちらにどうぞ」


 ルツィナが寄付を終え礼拝堂を出て行った。彼女にも聞きたいことはあったのだが今はまあいい。


 ダンジョンについての情報が教会に届いていないか。これを確かめないと今後の対応ができない。


 ダンジョンは神の聖域の一つ。ゆえに、何かあった場合、ダンジョンに一番近いこの教会に神託が下りることが多い。


「ダンジョンにイレギュラーな魔物が出た。厄災が起きたのかもしれない。神父殿、何か伝言を預かってはいないだろうか」


 まあ、ないだろうな。あればあんな悠長にルツィナと話などせずに、私に言いに来るだろうから。


 案の定神父は驚いた顔をし、懺悔室に来るようにと私に指示した。


 「神託を願う時は懺悔室で行うことになっております」


 そうなのか。確かにここなら誰にも邪魔はされないからな。盗み聞きもできない。


 狭い部屋の中で、神父は祈り始めた。


 なんだ? 光が小さな祭壇に集まる。いや、内部から光が漏れているのか?


 何とも言えない不思議な感覚が私を包む。これが……神なのか?


「私は321。中天使サビナ・スヴェトヴァ。これから先はサビナ様、あるいはサニーと呼ぶがいい」


「おお、321様。御名を与えられ中天使になられたのですか」


 神父が感動の声を上げている。仲良しなのか?


「これよりダンジョンについて伝える。今回の件は魔王の仕業である。本来であれば

50年に一度の大厄災が起きる所だった」


 やはり。私の背がぞくりと震えた。


「しかし、冒険者により厄災を起こす魔物は倒された」


「おお!」


 神父が声を上げた。そう、魔王が絡んでいるなら、このダンジョンを擁するこの街は真っ先に襲われていたはずだ。


「では、厄災は終わったと……」


 私の声をさえぎり、サニー様は仰った。


「まだだ。今回はもう一頭ダンジョンに魔物が放たれたようだ」


 そんな記録はない。この200年、私が見聞きした中で魔物が二頭も出たことなどないはず。


「魔物は10階にいる。そこ以降に行かなければ動くことはない。ダンジョンの封鎖は神の望む所ではない。10階より先を立ち入り禁止にし、ダンジョンの封鎖はすみやかに解くように」


「お言葉ですが、一応9階までの安全を確かめたい。10日間の封鎖は認めて欲しい」


 ギルド長として、これだけは譲れない。調査して安全宣言を出さねば誰も入ろうとしないだろう。


「認めよう。ダンジョンの繁栄は神の望み。しかし、もう一頭の厄災も排除せねばならない。その事を忘れぬように」


「はっ」


 厄災級の魔物の討伐……。受けるものなどいるのか? どれほどの被害がある? 騎士団は動くまい。資金は? 保障は? あ~考えることが多すぎる。とりあえず、本部に連絡を。


 よりにもよって、このタイミングでここのギルド長になってしまうとは。

 このピンチを抜けるには? 移動届を出しても無理だろうね。


 ルナ。そうだ、ルナを探せば。


 何としても協力を取り付けなければ。


 私はまだ見ぬルナの姿を、ルツィナの背中を思い出しながら想像していた。

 

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