第23話 お弁当100個完成
真夜中までかかったけど、なんとかお弁当100個完成させました。
頑張った私! もうちょっとだけ頑張って、歯を磨いてベッドまで行くのよ。
片付けは、明日でいいから。
私は、服も着替えず、そのままベッドに横たわった。
◇
翌日。
私はベッドから起き上がることができなかった。
「筋肉痛ね」
へらへらと笑いながら、ルリが漂っていた。
あ、あのまま消えてしまわなかったんだ。
「……おは、よう」
声に出しておはようなんて言うの、どれくらいぶりだろう。
「うん。いい挨拶だね。おはよう。弁当はできたのか?」
うん。できたよ。いたたたた。
体が動かせない。全身が筋肉痛で……。昨日は何ともなかったのに。
「おはようルツィナ。それが筋肉痛というものよ。私くらいになると二日後に来るけどね」
あ、おはようございます、サニーさん。あいたたたた。
「さすがにあの戦闘では、体に無理が来るわよね」
「瞬殺したのに。それにレベル爆上がりしたけど?」
そうでした。レベル上がったんだ。
「いくらレベルが上がっても、筋肉が増えるわけじゃないからね。動かしたのはレベルが上がる前だし」
どういうことですか?
「レベルが上がったからと言って、ムキムキの体になりたい? なりたくないでしょ」
想像してみた。うん。無理。
「レベルが上がるって言うのはね、そこまでの動きができるようになるってだけなの。そのための筋肉やスピードは、少しずつ伸びていないとヤバいことになるのよね。普通は一つずつ上がるから、その人に合わせた上がり方をするんだけど」
「なるほど。ルツィナの場合は、訓練せずに一気に上がったから」
「動けるけど、その反動が恐ろしいことになるのよね」
なんですかそれは。呪いみたいじゃないですか。
「そうね。少しずつ体を作っていかないとね。レベルが上がった分、訓練も楽になっているはずだし、筋肉の付き方も普通よりは早いはずよ。その分筋肉痛は酷いでしょうけど」
「まあ、あたしも付き合ってやるから。体鍛えようぜ」
訓練なんてしなくていいのに……。
「まあ、運命だと思って、頑張りましょう」
あ~~~~。静かに暮らしたいだけなのに~!
「あきらめな。平穏に暮らすために実力と筋肉をつけよう」
はぁ。いたた。ため息ついても体が痛い。
でも、お弁当取りに冒険者さんたちがいつ来るか分からない。
いったん、考えるのをやめて準備をしましょう。
「なあサニー。ルツィナの痛みを取る魔法とかかけられないのか?」
「できなくはないけど。もったいなくない? 筋肉痛って、筋線維が切れた所を直しながら筋肉をつける回復期の痛みでしょ。無くしてしまうと筋肉がつかないじゃない」
つかなくていいです! 直して。
「そうか。仕方ないよな、ルツィナ。頑張れ」
無理です! 直して!
結局、少し痛みが残るけど日常生活は行えるようにヒールをかけてもらいました。




