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第22話 閑話 ギルドへの報告(鋼鉄の剣)

【鋼鉄の剣 ボルク】


 地上に戻された俺たちは、怪我を負った彼らを介抱するのに精一杯だった。

 やがて、誰かが呼んできた治療師やギルド職員が次々とやってきた。


「ボルクさん。何があったのですか」


 ギルド職員に聞かれ、俺は見たままの事を話した。


「そんなことが……、すみません、みなさんでギルド長に報告をしていただけませんか。あまりにも事態が異常すぎる」


「わかった。あとを頼む」


 俺たちはこの場を彼らに任せ、急いでギルドへと向かった。



「なんてことだ。それは本当なんだろうな」

「俺たちが嘘をついてどうする」


 今はギルド長になった昔なじみのハルモナが、俺の顔を真剣な目で見つめた。


「お前らが、勝てないとあきらめるほどの魔物が10階に現れたのか。よく逃げられたものだ。今も中にいるのか。厄介なことになるぞ」


 いや、まだ話し始めたばかりだぞ。


「おい、話はこれからだ。襲われていたヤツらを見捨てて逃げようと決めた時、一人の冒険者が現れてだな」


「一人の冒険者? ソロか?」


「ああ。襲われそうな冒険者を蹴り飛ばし、奪った剣で魔物の首を両断した。何が起きたのか分からないほどの、一瞬の出来事だ」


 なんだよその目は。疑ってるのか? まあ、そうだよな。


「本当かバゥイ」


「ええ。確かに」

「本当よ。あたしが保証する!」

「ボクも……」


 ハルモナの顔色が変わった。


「シルルまでもか。信じざるを得ん。その冒険者は誰だ? どこにいる?」


「顔はフードで隠されていて全く見えなかった。それどころじゃなかったしな。

「わたくしが名を問うたら、『ルナ』あるいは『ルナヨ』と名乗られました」


「『ルナ』か『ルナヨ』か。リリー、事務長に伝令。『ルナ』『ルナヨ』という名で登録している冒険者を至急リストアップするように」


「はい。ただ今参ります」


 リリーが足早に出て行った。


「あたしが聞いた感じだと、多分『ルナ』だわ。『ルナ』のあと間が空いて大声で『よー』って伸ばしてなかった? 『ルナだよー』って言ったんだと思う」

「ボクも、そう、思う」


 そうなのか? そうかも。知らん。口は挟まん。


「そうか。まあルナヨだった場合もあるから両方調べることはしよう。お前たちはそれ以上話さなかったのか?」


「ああ。怪我人の救出が先だった。それに、気が付いたら入り口のワープポイントまで送り返されていた。ルナ以外全員が」


 本当に何が起こったんだろうか。先ほど出て行ったリリーが戻って来た。


「では、その魔物の残骸、あるいはドロップ品がダンジョンに残っているかもしれないんだな。ルナという冒険者も。リリー、ダンジョンにまつわる全ての依頼の停止。それに伴う依頼失敗はギルド長の私の権限で無しとする。今すぐダンジョンを封鎖する」


「はい、緊急指令として承りました」


 リリーはバタバタと走りだし、大声で「緊急指令・ダンジョン封鎖。全ての業務を止め、ギルド長の指示を待つこと。Cランクの冒険者は、ダンジョン前に集合。ダンジョン封鎖のために、警備の協力を命じます」と叫んだ。


「では、Bランクパーティ、鋼鉄の剣。ただちに緊急要請を行う。今から、現場を検証する。私とダンジョン入り口に集まったCランクパーティの中から適任を選び、私と共にその地点に案内、調査することを命ずる。冒険者ルナを発見したら、すみやかに身柄を確保すること。いいね」


 俺たちは立ち上がり、姿勢を正して敬礼をした。

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