素顔の告白
俺は群馬県某所の1Kの家賃の安いアパートに住み始めて3年目を迎えた。今年の9月で丸3年を迎える。振り返れば、実家を出てからあっという間のように時が流れた。
2025年6月10日の夜、俺が5月に得た収入を電卓で計算してみたところ、約95000円だった。精神障害年金には今も頼っているが、4月から作業所で働き始めた事もあり、1ヶ月に95000円が手に入るならば、もう俺は親の経済力に依存しなくても自力で生きていけるかもしれないと思った。
牛歩ではあるが、俺は着実に前に向かって歩みを進めている。断酒を始めて62日が経つ。酒を辞めてから明らかに経済状況が良化した。財布の金があまり減らなくなった。更には断酒の継続によりメンタルの不安定性も改善してきた。
──しかし生活の中で俺の悩みが2つある。
1つは友達が居ないこと。そしてもう1つはパートナー(彼女)が居ないこと。
この2つの難題をクリアできれば、俺の人生はより輝きを増し、孤独感はそれほど感じなくなり、生きるのが今よりも楽しくなるはずだ。
やはり人間は「社会性の動物」であり、完全なる孤独を受け入れるのは今の俺には不可能だ。
まだ28歳だし、諦めるような年齢じゃない。やっぱり友達やパートナーが欲しい。
だが、それがなかなか難しいのだ。
俺は夜の22時36分に思わず呟いた。
「……はぁ。どうしたもんか。俺も友達とか彼女が欲しいな」
すると、俺の脳内のUnknown(A)がこう提案してきた。
『いつもみたいに小説書いて、架空の女の子に孤独な心を癒してもらったらどうだ? お前にはそれがお似合いだ。一生孤独にパソコンをカタカタ打ってろ』
すると、Unknown(B)がUnknown(A)に向かって怒った。
『ちょっとA! そんな酷い言い方しちゃダメよ! 優雅は孤独な人生に悩んでいるのよ!? 常に寂しがってるのよ!?』
ちなみに優雅とは俺の下の名前だ。
俺の脳内でBが怒ると、Aは「やれやれ」といった様子で冷笑した。
『こいつは孤独や寂しさを感じると、すぐに小説を書いて気を紛らわそうとする。そして自分だけの箱庭に引きこもって、すぐに物語を構成する。こいつが書く物語には100%の確率で必ず“女性”が現れる。そして、その女性と男は互いが必ず理解者となる。こいつの書く小説は、設定こそ違えど常にワンパターンだ。どうしてか分かるかB? こいつはとにかく自分を理解してくれる女性の存在に飢えているんだ。自分の内面を理解してくれる女性がリアルの世界で居ないから、仕方なく自分の小説の世界に自分の理解者となる女性を登場させて、こいつはなんとか孤独を紛らわしているんだ。全く、救いようのないアホだ』
『それのなにが悪いの? 優雅は孤独であるが故にとても高いクリエイティビティーとバイタリティーに溢れる立派な作家性を持った男性だわ!?』
『いやいや、こいつには作家性なんて微塵も無いぜ。ただ孤独な現実から逃げているだけの臆病者だろ。本当にリアルの世界で理解者が欲しいなら、アパートに引きこもって小説なんて書かずに外の世界に出て他者との交友を積極的に増やすべきなんだ。心の内側の世界を幾ら探求したところで、こいつの心の外側のリアルは何も変わりゃしねえだろ』
『小説を書く事によって優雅の孤独が少しでも救われているなら、それでいいじゃない! それに自分の内面の世界を充実させるのは何よりの幸せよ!』
『俺からすれば、それは単なる現実逃避にしか見えない。こいつはリアルの世界で友人なりパートナーが欲しいと思ってるんだ。だったら、これ以上内側の世界を充実させることに何の意味もないだろう』
『そんなこと言ったら、今まで優雅が28年の人生で紡いできた小説の全てが無駄って事になるわよ!? 過去には優雅の小説に救われた人だっていたはずよ! 実際にいたわ!? きっと優雅は多くの孤独な人々を照らす光なのよ!?』
『お前は馬鹿だな。こいつが幾ら小説を書いても、リアルのこいつの孤独そのものは全く癒されなかっただろうが』
『それはたしかにそうかもしれないけど、私は優雅が小説を書く行為が無意味だなんて口が裂けても言えないわよ!』
リアルの俺がコーヒーを飲んで無表情でボーっとしているうちに、AとBは俺の脳の中で勝手に対立を深めていた。
それを傍観していたUnknown(C)が、「ちょっと待て」と仲介に入った。
『おい2人とも、無駄な喧嘩は止せ。“我々が幾ら意見交換をしたところで、最終的な意思決定を下すのは優雅”だ。優雅の判断を仰ごうじゃないか。どうだ優雅。AとBの意見を聞いて、お前はどうしたいんだ? Aが言うように外側の世界を広げるのか、Bが言うように内側の世界を広げたいのか、どっちだ?』
そうCに訊ねられた俺は、コーヒーを嚥下してから無表情でこう答えた。
「俺は心の外側の世界も拡げたいし、心の内側の世界も拡げたい。AとBの言葉は両方とも正しい。だったら両方ともトライしていく。それだけだ。俺は物理的にも精神的にも充実させたいと思う。それならAもBも文句ないだろう?」
すると、AもBも納得してくれたようだった。
俺の頭の人間が同時に2つの相反する案を提示してくる場合、俺は2つの意見を同時に肯定する傾向にある。だがそれは、どちらの意見も正しいと思った場合に限る。
今回の場合、「小説なんて書いていないでリアルの世界を広げて、心の外側を充実させろ」というUnknown(A)の意見も、「これまで通り小説を書いて内的世界を深堀りして、心の内側を充実させるべき」というUnknown(B)の意見も、俺には両方正しく思えた。
だから、2つの案を両方とも採用する事にした。
物事にはバランスというものが大切だ。
何かに偏りすぎるのは良くない。視野狭窄を起こし、結果的に幸福になれないパターンが多いからだ。
世の中、絶対的に正しいものは存在しないし、絶対的に間違っているものも存在しない。必ず常に“真ん中の地点”が存在するはずなのだ。
俺は今回、2つの案を同時採用する事で“真ん中”を選んだ。
俺は心の外側の世界も、心の内側の世界も充実させる。バランスよく。無理のない範囲で。
◆
その日の深夜、俺は睡眠薬を飲んでベッドに横になっても、なかなか寝付けなかった。
何故かというと、過去の人間関係の失敗や後悔が勝手に思い浮かぶからだ。
俺が静かに目を閉じていると、Unknown(A)がこう言った。
『こいつは過去の失敗や後悔に囚われ続けている。俺にはその意味が分からない』
するとUnknown(B)は静かな口調でこう言った。
『優雅は過去の失敗や後悔を思い出したくて思い出してるわけじゃないのよ。“何故か自然と思い出してしまう”んだわ。彼は毎晩』
するとAは、不思議そうにこう言った。
『だが、それに何のメリットがあるんだ? こいつは過去の失敗や後悔について考えているせいで、毎晩なかなか眠れないじゃないか』
『過去の失敗や後悔を忘れないのは、未来の幸せの為に必要な事よ』
『何故だ?』
『全ての物事には必ず過程があるからよ。例えばノーベル賞を獲った偉大な科学者も、失敗に失敗を重ねた末に、「次はこうしたらどうか・次はああしたらどうか」と試行錯誤を繰り返して最終的に実験の正しさを証明している。それと同じなのよ』
『だが、こいつは偉大な科学者でも何でもない。ただの名も無き一般市民だ』
『名も無き一般市民だからこそ日常を内省するのは大事よ。きっと内省の少ない人間は自己成長する機会を多く減らすんだわ』
『俺は内省なんて面倒臭いからしないぜ』
『それはあなたの自由よ。Aが内省をしなくても、別に私やCは困らないから』
『ただ、俺はこいつが早めに寝てくれないと困るだけだ。何故なら、こいつが起きている限り俺達も眠ることが出来ないからだ。俺は早く寝たい』
『それは仕方ないわ。彼が眠りにつくのを気長に待ちましょう』
AとBが話していると、やがてCがフラッと現れて、こう言った。
『おいA、B。近くの川で釣りをしていたら魚がちょうど3匹釣れた。ついでに山で山菜を獲ってきた。みんなで食わないか?』
『お、ナイスだ。さっそく塩焼きにして魚食おうぜ』とA。
『山菜も美味しそうね』とB。
俺の頭の中のUnknown(A、B、C)の3人は焚き火を開始して、竹串に魚を刺して塩を振り、魚を焼き始めた。
その様子を遠くからボーっと眺めているうちに、俺は徐々に眠くなってきて、いつの間にか眠りに落ちていた。
夢は見なかった。
ここ最近、悪夢を一切見ない。その代わり、楽しい夢も一切見ない。
それが1番良い気がする。やはり毎日の大酒を辞めた事により、睡眠の質は上がっている。更にはかなりダイエット効果もある。最近体重が減り始めている。心や思考も酒浸りだった頃よりも明らかにクリアになっている実感があった。やりたい事も自然と増えたり、身だしなみに自然と気を遣うようになった。眉毛を細く整え、長かった髪も短くした。
◆
2025年の6月11日。
朝の6時55分に目が覚めて、俺は少しベッドの上でボーっとした後、歯磨きをして、シャワーを浴びた。
そのあと、Amazonで町田康の「告白」と村田沙耶香の「コンビニ人間」を買った。どっちも小説だ。最近の俺は読書の意欲が高い。
町田康に関しては、「シラフで生きる」という断酒本がとても面白かったから、彼の書いている小説も気になって「告白」を買ってみた。「コンビニ人間」に関しては、何年か前に、ある人に勧められていたのをシャワー中に急に思い出して買ってみた。
今、朝の8時32分。
現在、俺は紙タバコ(ラッキーストライク)を吸いながら、ゲーミングチェアに座ってパソコンに向かって、この文章を書いている。
毎日、俺の在宅の仕事が始まるのは10時半からだ。そして15時半に終わる。
仕事が始まるまでの時間的余裕がある。
俺は今、なんとなくバンプオブチキンの「話がしたいよ」を聴いていた。特に理由は無い。バンプオブチキンの音楽性は朝に聴くのに適している。だから、何年か前に朝ドラの主題歌も担当したのだろう。
そういえば俺はドラマに救われた経験が無い。ドラマだけじゃない。正直、俺は他人の書いた小説に人生を救われた経験が全く無い。だから自分で自分を救う小説を書くしかない。
自分のことは自分で救うしかないと俺は今考えている。
他人に俺の複雑怪奇な内面世界を救えると思えない。俺は他人に期待なんてこれっぽっちもしていない。他人が俺の期待を上回った事なんて1度も無い。
俺がそう思いながらパソコンをタイピングしていると、俺の脳内のUnknown(B)がこう言った。
『優雅。あなた、理想が高すぎるわよ。あなたは理想主義者なのね。生まれつき深い洞察力もあるみたい。だから、リアルで人と話すと、その人がどんな人なのかすぐ分かってしまうのよね』
ああ、俺は少し他人と目を合わせて声で会話を交わしたら、大体の人柄や性格は直感的に分かる。それが嫌で長年実家に引きこもっていたのかもしれない。
やがて、Unknown(A)も現れて、俺にこう言った。
『おい。お前まさか自分で自分のこと天才だとでも思ってるのか。それは傲慢以外の何物でもない。お前には文芸の才能なんてこれっぽっちも無いぜ。無才な奴が自分を天才だと思い込むのは滑稽だし、余計に女からモテなくなるぜ。お前の目標は小説家になる事じゃなくて、女にモテることなんだろ?』
その通りだ。俺は小説家にはなりたくない。女性から好かれたい。
『だったら俺からアドバイスがある。女に好かれたいんだったら、“余計な事”はするな。俺の経験上、女は“してほしい事をしてくれる男”よりも“してほしくない事をしない男”の方が好きな傾向にある。これはあくまで俺個人の見解だから、世の中の総意だとは思うな。あくまで俺の意見として聞けよ?』
ああ、わかった。俺はもう余計な事は一切しない。
続けてAは俺にこう言った。
『心に防壁を作れと言ってるわけじゃない。“普通にしてろ”と言ってるだけだ。ここで俺が指す普通とは、お前の思う普通じゃない。世の中にとっての普通だ』
するとBが現れて、こう言った。
『ねぇ。世の中の普通に合わせたら、優雅が持ってる独特な個性も失われる危険性があるんじゃないかしら?』
『そんなことは無い。こいつの個性はあまりにも強すぎる。こいつはかなりの変人だ。だから世の中の普通に自分を合わせて、やっと“常識の範囲内の変人”になれる。こいつが完全に自分らしく振る舞った場合、ただの異常者にしかならない』
『なるほど。それもそうね』
珍しく、AとBの意見が合致した。しかも変なところで……。
『こいつの理想は小説家になる事じゃない。あくまで女にモテることだ。女のパートナーを作る事だ。だったら文学を極める必要なんか1ミリも無いぜ。内面と外見を磨け。異常な変人にはなるなよ。普通の変人を目指せ』
『そうね。頑張って、優雅』
ありがとう。お前らの為にも俺は頑張る。今を頑張ることが未来の幸せに繋がる。断酒にしたってそうだ。1日1日の努力の積み重ねが遠い未来の幸福に繋がる。俺はそう信じている。悪い方に考えてたって何も良い結果は生まない。
『そりゃそうだ。女にモテたいならネガティブな未来を描こうとするな。普通の範囲内の明るい未来を心に描け』
やがて、Bは少し微笑みながら、俺に質問してきた。
『ねぇ優雅。優雅が考える普通の範囲内の明るい未来って何? 女性とどんな風に付き合いたいの?』
俺は少し思案して、こう述べた。
そうだなあ。まずはどっちも精神的に自立している事が前提条件だ。互いの尊厳を守り合う事も前提条件だ。
会う頻度は週に1回か2回くらいが良い。遠距離恋愛の場合、2週間に1回、1ヶ月に2回くらいでも良い。
『互いの精神的自立と、互いの尊厳を守り合う事ね。なるほどね。教えてくれてありがとう。あと、人との巡り合いは運の要素が大きいわ。意外なところから接点が生まれることも多いものよ。私は優雅がこのまま成長すれば、自ずと素敵な女性に巡り合う確率も上がると思うわよ』
ありがとう。
俺はBにそう伝えた。
ところで時刻は現在、朝の9時23分。仕事が始まるまでは1時間ほどの猶予がある。それまではこの文章を書いていよう。文章を書くという作業は俺にとっては歯磨きや排泄やシャワーと同じくらいの感覚で、自然とおこなわれるものだ。だから文を書く事が苦痛だと思った事は1度も無い。
俺は今、バンプオブチキンではなく、サカナクションを聴いていた。サカナクションで1番好きな曲はなんだろう。「ミュージック」も好きだし、「モス」も「アイデンティティ」も「夜の踊り子」も好きだ。最近は某アニメの主題歌にもなった「怪獣」という曲も人気がある。
個人的に、サカナクションの山口一郎には、めっちゃ親近感を覚えている。彼が鬱病との闘いを告白したというのも理由の1つだが、俺が彼に親近感を覚える最大の理由は「中日ドラゴンズの大ファンである」という事だ。
俺も長年、鬱病と戦ってきたが、鬱はもう寛解したと主治医に言われた。
そして俺は山口一郎と同じく、プロ野球チームの「中日ドラゴンズ」の大ファンだ。
9歳で俺が野球を始めた頃から、28歳になった今も俺は中日ドラゴンズのファンだ。
山口一郎の熱量には勝てないが、俺も彼と同じく中日ドラゴンズを愛する者の1人である。俺が子供の頃にドラゴンズの監督をしていた落合博満の講演会を観るために5年前に単身で神奈川に行った事もあった。あの日のゲストは森繫和と森野将彦だった。
俺がそんな事を思っていると、Aが冷笑して、こう言った。
『あんな弱いチームの何が良いんだ? たしかに昔は最強だったが、もう13年くらいずっと弱いままじゃないか』
俺は強いとか弱いとかどうでもいいんだよ。好きなものは好きなんだ。それだけだ。それに俺は、漫画にしろ映画にしろ小説にしろゲームにしろ、弱者が強者を倒す展開の方が心が燃える。だから、本当のファンならチームが弱い時こそ応援するべきなんだ。今は確かに弱い。でもいつか必ずドラゴンズは優勝する。俺はそんな未来を信じ続ける。もしも中日ドラゴンズがまた優勝する日が来たら、俺は感動して絶対に泣いてしまうだろう。
『ふーん。そうか。まぁ好きにしろ。俺は散歩でもしてくる』
そう言って、Aはどこかに出かけて行った。
すると、Bが話しかけてきた。
『ねぇ優雅』
なに?
『お酒を辞め続けたいとかパートナーを作りたいとか、人生の目標があるのはとても良いことだと思う。1人で頑張りすぎないでね。つらくなった時は私たちに声をかけてね。Aはたまに口調が厳しくなるけど、実はもしかしたら1番優雅のことが好きなのはAかもしれない。優雅が眠りについた後、いつもAは私とCに優雅の話ばかりするのよ? ああ見えて、優雅のことが大好きなのよ。もちろん私も優雅のことが大好きだし、Cもそうだと思うわよ』
ありがとう。俺の頭の中のUnknown達。
俺がみんなにお礼を言うと、フラッとCが現れて、俺にこう言った。
『人生、全てが順風満帆に行くわけがないのは、優雅も知っているだろう。かと言って、全てが何も上手く行かないわけじゃない。過程を楽しめ。些細な喜びも些細な苦しみも全て私たちは記録している。お前が脳で感じる喜怒哀楽の全てが将来を形作る上で大きな土台となり、財産となる。あとはそうだな……。とりあえずお前の生きる世界が平和であるように祈っているよ。私から伝えたいことは以上だ。とりあえず私はこれから川で釣りをしてくるよ』
今は6月で梅雨のシーズンだぞ。河川が増水してるんじゃないの?
『そんなことはない。私たちはお前の頭の中の世界の住人だ。だから私たちの天気は、お前のメンタル面によって決まる。今、お前が生きるリアルの世界では梅雨シーズンで雨が降っているかもしれないが、我々の住む世界は今日も晴れている』
そう言ってCは笑った。
気付けば、時刻は朝の10時26分になっていた。
もう少しで在宅の仕事が始まる時間だ。
俺はもう、この文章を書くのを辞めて、頭を切り替えて、仕事モードに入らなければならない。
『今日も仕事がんばってね!』
そう言って、Bは俺に笑顔を向けてくれた。
──ああ、今日も頑張るよ。
俺は10時28分を以って、この私小説の執筆を終えた。
あと2分で仕事開始だ。
この私小説の投稿は、きっと2025年6月11日の仕事の昼休み中になるだろう。
おわり