2話
ま「ここが勇者のいる村か。にしてもこの魔王の能力ってチートすぎる気がするんだけど。どうしよ。どこでも移動にどん
な魔法もできちゃいますよ。勇者の攻撃じゃなきゃ一切攻撃が効かないですよ。なかなかだなぁ。よくこれで歴代の魔
王はやられたなぁ」
「そこでぶつぶつ言ってる人。頭大丈夫?」
ま「ああ、ちょっと崖から落ちて頭を打ったみたいでな。少しおかしいかもしれん」
どうやら魔法で人間に見えているようだ。魔法って万能。
「そうですか…それでは」
ま「普通さ、大袈裟に大丈夫ですか!?とか言うところじゃないんですか?」
「いえ、だって私じゃそんな大きな病気は治せなさそうですから。すみません」
ま「あー。そういうこと。オーケー。わかった」
側近から勇者は聖なる気が溢れているからわかりやすと言っていたが、生まれたての勇者がそんな聖なる気を発して
いるものなんだろうか?でも側近は勇者が生まれたから魔王が生まれたとか言ってたし。その辺に…居たわ。え?女の
子だけど、勇者って女の子でもなれるの?でもあれか、昔男女何ちゃら均等法みたいなのもあったらしいからこの考えは
古いのかもしれない。オーケー。それじゃこの子どうするか。
ゆ「見ないお顔ですけど、どうかされたんですか?」
どうしよう。やばい。可愛い。13〜5歳のそこそこくらいなはずなのに出るところは出てこれはやばい。今時の子ってこん
なに発育がいいのか。よし、これは友好関係を結ぼう。そうしよう。
ま「実はこの村に勇者様がいると伺い来たのですが、ご存じではないでしょうか?」
ゆ「ごめんなさい。勇者様ってなんですか?」
ま「え?勇者をご存じではない?」
ゆ「知ってる?」
「知らなーい」「知らなーい」「知らないでやんすー」「知らなーい」「知らなーい」
ま「へぇ…みんな知らないんだ…」
ゆ「うん。お兄さんこそ、その勇者って人を探してどうするの?」
ま「勇者さんのパーティーに加えてもらおうかなって」
ゆ「そうなんだ!勇者さん見つかるといいね!」
目の前にいるはずなんだけどね。おかしいなぁ。これあとでどこから人が来てわかるやつ?それともなんかの日に覚醒す
るタイプなの?でももう聖なる気みたいなモヤモヤが出てるよ?これ、もう勇者として覚醒してるってことじゃないの?ね
ぇ?どういうこと?
ま「数日この村でご厄介になりたいんだけど、どこか休めるところはない?」
ゆ「それなら私のおうちが空いてるよ!」
ま「え?いいの?」
ゆ「いいよ!お兄さん優しそうだし!」
ま「ありがとう!」世が世なら犯罪案件なんだろうなぁ。ワクワク。