1話
オーケー。状態を確認しよう。
俺は死んだ。オーケー。状態把握完了。
『いい?』
「どうぞ」
『死んじゃったわけだけど、どうしたい?』
「楽しく生きたい」
『人生楽しくなかった?』
「めっちゃ面白い!わけではなかったな」
『次はどう生きたい?』
「人に迷惑をかけても許されるような感じ?」
『それは自分を含めて?』
「そりゃあな、自分だけ甘い世界は面白くねぇ」
『わかった。それじゃ影響力のある方がいいね』
「お、勇者とかか?」
『勇者が迷惑かけちゃダメでしょ』
「そ、そうか」
『でも、楽しんできてよ!』
「おお!ありがとうな!」
―
オーケー。状態を確認しよう。
俺は人間じゃなくなった。どこからか魔王と呼ばれている気がする。オーケー。状況が把握したくない。
「大丈夫ですか?」
「なんでだろう。初めて聞く言葉のはずなのに理解できちゃってる自分が怖い。これが神に許された能力ってか」
「大丈夫ですか?」
「ちょっと待っててくれ」
「わかりました」
―
どうやら俺は魔王になったらしい。確かにさぁ、人に迷惑をかけるけどさぁ。魔王っておかしくない?え?おかしくない?そう。
おかしくないんだ。ふーん。
ま「この世界って勇者とかいるの?」
「ええ、勇者が生まれた時、魔王も生まれるのです」
ま「まじかー。いっつも勇者にやられる感じ?」
「ですから!力を蓄えて!今度こそ勇者を!」
ま「とりあえず、勇者がいる村行ってくるわ」