表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

三角形の均衡(ゆいこのトライアングルレッスン:D)

作者: ハルユキ

『下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ』のコーナー『ゆいこのトライアングルレッスン:D』(デートがテーマ)に応募した作品です。


ゆいこ・たくみ・ひろしの原案者は巽悠衣子さんです。


「俺たちが出会って、10年か」


 ふと、ひろしが発した言葉に、ゆいこが嬉しそうに飛びついた。


「お祝いしよっ! そーだ! 3人でまだやったことないことしようよ!」


「たとえば?」


 俺の問いにゆいこは元気よく答える。


「デート!!」


 ◇


 待ち合わせ場所は、駅前ふくろうの銅像横。


「やっぱ、先に来てると思った」


 読んでいた小説から顔を上げるひろしの黒髪がさらりと揺れる。


「少しでもゆいこと一緒にいたいからな」


 そういうことは本人に言えよ。いや、やっぱ言っちゃダメ。


「意外だな。たくみは遅れてくるかと思った」

「お前と同じ理由だよ」

「クマできてるぞ。楽しみで眠れなかった、とか?」

「ゔっ」


 図星をつかれて、思わず喉が鳴る。


「ああそうだよ」

「それも意外だ。女子とのデートは得意だろ?」

「はあ? 俺はデートするの今日が初めてだよ。女友達と遊ぶのと好きな子とデートするのは別だろ」



 服変じゃないかなとか、喜んでもらえるかなとか、ただ友達と遊ぶときとは違う緊張と高揚。



「お待たせ〜っ! 待った?」

「いや、全然。今来たところ」


 俺が言いたかったセリフ取んなっ!

 まあ、しょうがない。今日は3人でデートなんだから。

 気持ち切り替えてくぞっ! よし。


「ゆいこカバン持つよ、貸して」

「へ? たくみの方が荷物重そうだよ?」

「ってのは建前で、本当はゆいこと手繋ぎたいの。ダメ?」


 覗き込むように目線を合わせると、ゆいこのまんまるくなった瞳がぎゅってつむった。


 そんな無防備に男の前で目を閉じちゃだめだよ。


 赤くなりながら右手を差し出してくれるゆいこ。


「緊張してる? 俺に全部預けて。楽しもうね」


 囁くとゆいこの耳は最高潮に赤くなった。


「安心しろ。俺がいる」


 ひろしがゆいこの頭をぽんと撫でると、ゆいこはとろんと甘えたような瞳でひろしを見た。


「左手は俺と繋ごう。今日は『デート』なんだろ?」


 築き上げた三角形の均衡を壊すなら、このライバルの手強さは親友の俺が一番知ってる。

 

 じりついた夏はもう終わったと思ってたんだけど。

 まだ、こんなにもアツい。



お読みいただき誠にありがとうございました!

今回待ち合わせまでしか書けなかったけれど、どこかにデート行かせてあげたかった……!


だけど3人のデートしてる姿を想像するのとっても楽しかったです!!

通算10回目のゆいこのトライアングルレッスンおめでとうございます!!

次回の開催も楽しみにしています!!



(2021年2月26日放送の『下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ』にて、ご自由にとのことでしたので投稿しました。

もしも投稿の仕方に問題がありましたら、すぐにお知らせください。よろしくお願いします。)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 3人でデート!私はデートは2人っきりだからどうやって3人出そうかな?ってずっと考えてました笑 そして、みんななんだか待ち合わせまでのストーリーが多い気がします! 大胆な行動を見せつつ、3人…
[良い点] ステキな物語をありがとうございます! 「俺はデートするのは今日が初めてだよ…」のセリフにキューンとなりました。絶対モテるのに、初めてを取っておいたということに、ゆいこへの愛が伝わってきま…
[良い点] キャー(/ω\)なんだか恥ずかしい。 甘酸っぱいですね(´艸`*)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ