Paradise⑤
「では、後は夜までは自由時間になります。今日もお疲れ様でした」
シスターがニッコリと微笑んでは勉強の時間の終わりを告げると教室として使用されている部屋の中は一気に弛緩の空気が流れる。
シスターも別に咎める事はなく、仕方のない子達ねとニコニコと見てきてはゆっくりと部屋から退室していくのみだった。
「はぁ……疲れたぁ──」
『そうだねー』
「なぁ、トワ……俺たちもそろそろ6歳だろー?」
『んー?』
「そろそろ、神父様からお話あるのかなー?」
『どうだろうねー』
「トワって本当にのんびりだよな」
良き同室の友人がツンツンと僕をつついてきては話を始めていた、僕はぞんざいに扱う事はなく、頷きながらも反応を返すのに留めていた。
僕にとっては、今は今日習った事の復習を早めにやろうとしていたからだった。
僕はそう。
結構、周りの皆はこのまま……ここで働きたいという子が多かったけれども、外への興味がつかなかったのだ。
今日の朝陽もそう。
太陽はずっと回ってるらしい。
けれども、ある日神父様に聞いたら回ってるのは地球という、僕が立っているここだって教えてくれた。
だから、世界は常に明るさと月の暗さが回り巡ると教えてくれた。
僕は知りたかった。
世界の明るさと暗さを、だから少しでも良いから学ぼうと思っては結構勉強の時間は大好きっ子になっていて……それが周りからは浮いてはいたが別に咎める人も居なかった。
ただ、そうか僕は6歳になるのか。
隣の良き友人の話をウンウンと頷きながらも聞きつつ、復習をしつつも自由時間をのんびりと夜のご飯の時間まで過ごすのだった。