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Paradise⑬

「トワ──! 寂しくなったり、辛かったら、いつでも戻って来て良いんだからな!」


『ありがとう……! でも、僕は沢山観たいものや感じたいものを確かめて来るよ……!』


良き友人や皆が、僕を送ってくれている。

僕以外にもこの教会から旅立つ人は居るけれども、でも翌日の出発という早いのは僕だけだった。


『では、皆……また!』


さようならは言わない。

もしかしたら、最期の別れになってしまうかも知れないけれども、それは本当に寂しすぎたから。

神父様に限っては身体の寿命という別れは切っては切り離せないだろう。

だから、しっかりと昨日は神父様を忘れないように接したつもりだった。


僕の心は暖かい。

そして、ホッカイドウの今は夏に差し掛かる時期だ。

旅立つとしたら良い時期とも言える。

僕は旅の袋を背中に軽く背負っては歩き始める。

身軽な雰囲気に見えるが、うん──この世界にはアイテムボックスという機能がある。


本来の世界ではそう言うのは無いから、旅というのは本当に大変らしい。

時間や時期、季節とか期間とか、それらに応じて量がどんどんと増えていくらしい。

僕の場合はアイテムボックスの許容量ということだろうか?

教会で午前中に働いていた期間の賃金は実はしっかりと教会が管理して貯蓄してくれていた。

それらを用いて、商人ギルドの方が教会に立ち寄ってくれた際に負けて貰っては購入した一般的なアイテムボックスだ。

その小さな小袋は腰のベルトにぶら下げては旅の外套マントの内側に隠れている。

背負っている袋は……まぁ、雰囲気だ。

うん、なんだか自分の旅人像を形作ってみたかったというやつだ。

ロマンともいうけれども……そこを掘り下げると恥ずかしいから割愛させて貰いたい。


けれども、こうやって僕は旅に出始める。

しばらく歩いては後ろを振り向くと、あんなにお世話になっていた教会は小さく小さく見えていた。


『……よし』


言葉1つ吐くだけでも気合いは入るというものだ。

僕は中身が全く入っていない、雰囲気作りの袋を改めて持ち直しては馬車が踏みならした道を歩いていく。


この道を進めば道中、交差する箇所があれば小さな看板もあるだろうけれども、手元に貰った地図を見ればホッカイドウの街までは辿り着くだろう。


途中、どこかの村があれば寄っては寝泊まりしても良いかも知れない。

けれども、寝泊まりするお金も今は惜しいというのも実情だった。

それでも野宿するとしたら安全を確認してはしたい所だが……僕の護身術というのはどこまで通用するかは分からない。


分からないというのは本当だ。

比較対象も無いのだから。


『仕方ないかな……』

もしかしたら、村まで行けば街までの乗り合い馬車があるかも知れない。

まだ空は早朝に出たばかりなので太陽も昇り始めだ。


うん、行こう──。


これもまた楽しみだ。

そう、切り替えては僕の歩くペースは少しだけ上がったのだった。

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