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彼氏彼女とその幼馴染の物語  作者: だいちき
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エピローグ・・・橘彩音⑧

アクセスありがとうございます。


 お母さんの買い物を理由にして諒ちゃんと御坂駅の西口で別れた私は、商店街へと向かい湊斗くんに言われた場所で合流した後にそのまま朝も利用したホテルに入ります。


「彩音、今日の諒太はどうだった?」


「・・・・」


「彩音? 聞いてんだけど?」


「ごめんなさい。いつもの諒ちゃん・・じゃなかった。もう知っているのかな?」


「そんな訳ねーだろ? あの諒太が気付くなんてありえねーよ・・まぁ、妹の那月ちゃんだったらバレてたかもなー」


 諒ちゃんの妹の那月ちゃんは、お兄ちゃん大好きで小さい時から私をライバル視していたのです。高校生になってから、諒ちゃんと付き合うことを伝えると殺意のような感情を一瞬感じて身の危険を感じましたがすぐにいつもの笑顔に戻り喜んでくれました・・・・きっとあの笑顔は演技だと思いますが聞けません。


「那月ちゃんは、諒ちゃんのこと大好きだからね」


「昔からだよな。ただのお兄ちゃん子だと思っていたけど、高校になった今でも諒太のこと大好きだからな・・・・那月ちゃんを狙ってた男共は、あのブラコンを見て諦めるしかないからな」


 湊斗くんとベッドの上で話しをしているうちに諒ちゃんとデートをしていた時の息苦しさが消えていた私は、既に勘違いをしていることに自覚はなく居心地の良さに流れのまま彼に身を委ね、快楽に溺れてしまいます。


 この時間の終わりを知らせるのは湊斗くんが満足した時なので、部屋の時計を見て高校生の私達が補導されないギリギリの時間帯にホテルを出ると、火照った身体が少し冷たい風が心地よくなり周囲を気にすることを忘れ手を繋いでいました。


 ホテル街から商店街へと続く路地を歩き家へと帰るため湊斗くんと別れるタイミングを考えていた私は、ふと商店街から視線を感じ顔を向けると、そこには笑顔を貼り付けた諒ちゃんの姿があったのです。


「ち、違うの・・違うの諒ちゃん」


「りょ・・諒太。なんでお前がこの時間に・・」


 笑顔を向けたままの諒ちゃんに私はパニックになり否定するばかりの言葉しか出せず、隣りの湊斗くんも言葉を詰まらせています。


「よっ! さっきぶりだね!? あそこのケーキ屋で、1番人気のケーキを那月に買ったんだ。2人はクラス委員か何かの買い出しの途中なのか?」


 絶対に私と湊斗くんが歩いてきた路地の先にあるのがホテル街だと知らないはずはない諒ちゃんは、クラス委員で一緒にいるんだねと言う言葉を返してきます。


「諒ちゃん、聞いて・・お願い、違うのわたしね・・」


 もう私は自分の身の潔白をアピールすることしか頭にはなく、それなのに言葉は続きません。


「諒、お前なんだよその反応は!?」


 突然大声を上げる湊斗くんに諒ちゃんは逃げるように歩き離れて行く姿に、私は無意識に駆け出し諒ちゃんの右腕を必死に掴むと拒絶されました。


「その汚い手で俺に触るな!!」


「ぅえっ?」


 諒ちゃんから浴びせられた言葉に今の私は彼に穢され続け汚い身体だったんだと言うことを思い知らされたことが、ストンッと胸に入ってきたと同時に足の力が抜け膝から崩れ落ち、痛みを感じるも胸の痛みが強すぎて俯きます。


 動けない私の前で諒ちゃんと湊斗くんが争う光景を呆然と見ていると、予想外にもあの那月ちゃんが現れ罵声を浴びせる声に私は我に返り立ち上がります。


「・・彩音、湊斗。もうこんな時間だけど、少し俺に付き合ってくれないか?」


「「 ・・・・・・ 」」


 諒ちゃんは私と湊斗くんで話しがしたいと言ってきましたが、隣にいる那月ちゃんの顔を見て反応できず沈黙が流れます。


「・・那月、ゴメンけど先に家に帰ってくれるか?」


「でも・・うん。待ってるから」


 殺意がこもった瞳で私を見る那月ちゃんは、諒ちゃんからの言葉を聞き入れ素直に帰っていきます。私から顔を逸らし諒ちゃんを見る那月ちゃんの瞳は、まるで心配する本物の彼女のような瞳に見えました。


「えっと、そろそろ返事を聞かせてくれないか? ここじゃあれだし場所を変えて、どこかの店でも」


「俺は帰る」


 湊斗くんは一言吐き出しただけで、私を見ることなく帰っていきます。そんな彼の姿を呆然と見送っていると背後から諒ちゃんの冷たい言葉が聞こえます。


「・・それが、彩音の答えなんだね」


「えっ? 吉岡くんが先に帰って行くから・・」


「吉岡じゃなくて、彼氏が・・だろ?」


 私に向かって吉岡くんが彼氏だろと言う諒ちゃんの表情に感情が読み取れないけど、ここは否定する選択肢しか私には残っていないのです。


「なんで? 付き合っているのは諒ちゃんだよ? 幼馴染の吉岡くんだって気になるから」


「彼氏の俺よりもか?」


 今の諒ちゃんにどんな苦しい言い訳も意味が無いことを知り、私は愚かな選択をしてしまいます。


「なんで、そんな意地悪をずっと言うの? 諒ちゃん、酷いよ」


 何も悪くない諒ちゃんのせいにしてしまったのです。


「俺が酷い・・・・か。そうかもな・・俺は酷い彼氏だったんだよずっと・・」


「諒ちゃん?」


 表情に感情が無かった諒ちゃんが、今になって物凄い哀しい表情で足元を見ていることに私は気付きますが手遅れでした。


「俺が酷い彼氏だったから、大好きだった彩音を親友だと思っていた湊斗に寝取られたんだ!」


 諒ちゃんから吐き出された、寝取られという言葉に私は強く反応しドツボに嵌ります。


「諒ちゃん! 急に何を言ってるの? 湊斗くんは、何も関係無いよ!?」


「湊斗と何も関係が無い? 今も本気でそう言ってるのか?」


「無いもん! 絶対に何も無いもん!」


 もう後がない私は、ここが商店街の通りということを無視して大声を上げて周囲の視線を集めると、諒ちゃんは必死に私を落ち着かせようと歩み寄ります。


「彩音、落ち着けって・・これ以上ここで話すのは目立ち過ぎるから」


「もう帰る!! 諒ちゃんなんて知らない! さよなら!」


 周りの人々は恋人同士の喧嘩で、彼女がキレて帰る光景に見えるだろうと思い私は咄嗟に言葉を吐き出し立ち去れば、この最悪な状況が終われると思っていましたが、現実は違いました。


「待てよ彩音!」


「またない! 知らないもん、さようなら!」


 この言葉で、このまま家に帰れたら私は良かったなと思っていましたが、諒ちゃんは私の態度を見て決心したようです。


 私と湊斗くんが隠れてシテきた行為を全て知っていると言い、具体的に聞かされる私はもう生きた心地がしません。そんな感情と裏腹に見せた態度は真逆で諒ちゃんに気持ち悪いと伝えると、私の方が気持ち悪いと言われます。


 もう私の全てを諒ちゃんに知られていた事実と、妹の那月ちゃんと学校の先生にまで知られていたことを聞かされた私は、壊れた機械人形のようにウソウソと繰り返すだけの生き物に成り下がってしまい、それからどうやって家に帰ったのか記憶はありませんでした・・・・。



もう少しで彩音のエピローグも完結です。

感想ありがとうございます。

文章能力足りなくてすいません。表現が難しいです。

作者が描いてる世界を言葉で綴るのは・・でも、描きますけど。

お付き合いをお願いします。


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― 新着の感想 ―
[一言] この経験を糧にすればいいだけなのでこれからも頑張ってください
[良い点] 頑張ってください! 今日は2話更新で嬉しいです!
[一言] 応援しています( ・`ω・´)
感想一覧
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