エピローグ・・・吉岡湊斗②
アクセスありがとうございます。
「今日から最高の高校生活だな・・いや、性活って言っても良いかも」
昨夜の彩音ちゃんとの行為に感じた初めての感覚が忘れられず、なかなか眠れず睡眠不足だというのに気分が最高過ぎて関係ない状態だ。
「行ってきます、母さん」
「行ってらっしゃい、湊斗〜部活で怪我しないようにね?」
「わかってるよ、母さん」
いつも通りの俺で家を出ると、リビングにいる母さんの声が聞こえる。今の俺の表情など知らずに・・。
「やっば・・こんな一人で笑ってたらキモいって思われるな」
今日の昼休みが早く来ないかと楽しみな俺は、彩音ちゃんにメッセージを送ろうと思うも証拠を残すヘマはしない俺は、教室で会ってからは伝えるとしよう。
「おはよ、彩音ちゃん」
「・・おはよう」
チラッと俺を見て小さく挨拶をする彩音ちゃんは、今までと違う怯えた反応が可愛らしく周りにだれも居なければ抱き締めたい衝動にかられていただろう。
「お弁当、一緒に食べようね?」
「でも・・」
「ん?」
「わかった」
俺から弁当を一緒に食べようと誘ったから、お茶ぐらいは奢ってあげる優しさぐらいは見せようと思い付き、午前最後の授業が始まる前の休憩で中庭の自販機に向かい、俺が好きな同じ銘柄のお茶を2本購入し教室へと帰る。
もう早く授業終われとそわそする俺は、担当教科の教師に視線を飛ばし静かな圧をかけるも効果は無いことがムカついた。
「・・・・え〜今日はココで授業を終わりますが、チャイムが鳴るまで教室から出ないように・・」
授業が終わるチャイムがなる数分前に授業が終わり、俺たちにとっての昼休みが始まったことに俺は薄っぺらい感謝を教師に笑顔を向けてから、クルッと後ろに向き俯いている彩音ちゃんの机にお茶を置き声をかけた。
「彩音ちゃん? お弁当一緒にたべようよー」
クラスメイトからは幼馴染同士の俺達が一緒に弁当を食べることに違和感がないようで、特に気にする奴らはいない。
「・・うん」
彩音ちゃんはバックから弁当箱を取り出し一緒に俺も弁当箱を置いて並べて一緒に食べ始めたところで、廊下から諒太の声が聞こえ顔を向ける。
「彩音〜! 一緒に昼飯でも食べ・・・・」
俺と彩音ちゃんが先に弁当を食べている光景を見た諒太のショックを受けた表情に、俺は言葉に出せない優越感に背筋がゾクッとする。
「りょうちゃん・・・・」
「おー! 諒太も一緒に食べようぜ?」
「いや、もう先に食べているなら良いよ・・ゴメン。もう、いいや」
「待って! 諒ちゃん!」
諒太の諦めた表情に彩音ちゃんが呼び止めるも、それを拒絶するかのように諒太は教室のドアを勢い良く閉めてくれたことで、彩音ちゃんは立ち上がったまま動けず立ち尽くす。
「彩音ちゃん、早く食べよ?」
「・・・・諒ちゃん」
彼氏の諒太に置いて行かれた彩音ちゃんは、捨てられた子猫のような表情で閉まったままのドアを見つめ続けていると、ガラッとドアが開き入って来た男子生徒が諒太ではないことに開きかけた口を閉じて力無く座った。
「彩音ちゃん?」
諒太に向けたままの想いを断ち切らせるため、彼女の肩に手を置いてギュッと握る。
「いたっ・・」
「彩音ちゃん?」
「痛いよ・・」
「早く食べないと、昼休み終わるからさ」
「はい・・」
少し強く言えば従順になる彩音ちゃんの表情を見ながら美味い弁当を食べ終えて、十分残った昼休みの時間を確認して教室を出る。
「彩音ちゃん、行くよ?」
「・・・・」
コクリと頷く彩音ちゃんを先導するかのように俺は男バスの部室へと向かっている途中にベンチで寝ている諒太がいたことが予想外で、その寝顔に彩音ちゃんが想いを寄せている俺には向けない顔をしている事実が許せない。
誰も居ない部室で2人きりとなり、俺は溜まった欲望をそのまま幼馴染の彩音ちゃんにぶつけて心が満たされていく。諒太の彼女である彩音ちゃんに自分のモノを染み渡らせているのだから。
その日から言葉では嫌がるも身体の反応は正直で俺の身体に身を任せ溺れていく彩音ちゃんに俺はハマッていき、彼女である穂波ちゃんは、適当に遊び彩音ちゃんとの関係を諒太にバレないようにするカモフラージュ的な存在に成り下がっている。
俺の彩音ちゃんへの支配欲は日に日に増して行き、ゴールデンウィークに彩音ちゃんと諒太がデートする日の朝の待ち合わせ時間前に彩音ちゃんを呼びホテルで身体を重ねる。
ずっと彩音ちゃんを拘束するわけにもいかず、仕方なく諒太に電話させて寝坊を遅刻の理由にして駅で待ち続けているだろう諒太の元へと送り出す。
「・・このまま今日が終わるわけないだろ? 彩音ちゃん・・・・」
2人のデート先を知っていた俺は、穂波ちゃんをデートに誘い一緒に同じ行き先へと中身の無いデートをして後を追う。
「穂波ちゃん、クラスメイトがデートしてるの見つけたから少し冷やかしてくるよ」
「湊斗くん、2人の邪魔したら悪いよ?」
「大丈夫・・2人は幼馴染だからさ」
丘の上にある有名なカフェで一番人気の席に座る2人の邪魔をしにいくも、女店員に邪魔をされ仕方なく穂波ちゃんがいる席に戻り、先にカフェを出て次のモールへと先回りする。
「穂波ちゃん、最上階から回ってみようよ?」
「うん、そうだね」
諒太達を探さなくても見つけることができるだろうと、宝探し気分で歩いて偶然吹き抜けの方に視線を向けると下のフロアに諒太が1人立っていた。
「穂波ちゃん、ちょっとトイレに行って良い?」
「うん、あそこの雑貨屋さんにいるね?」
「ゴメンね。戻って来るまでお店に居てね? はぐれちゃうから」
「大丈夫だよ、湊斗くん」
「それじゃ、後で」
何も疑わない穂波ちゃんと別れ急いで諒太の場所へと行き、偶然を装い接触すると諒太はまた俺と出会ったことに驚きつつ平然を装っているけど、瞳が動揺しているからバレバレだ。
「俺は、彼女と普通に入るぜ。諒太は、恥ずかしがっていないで水着選びのイベントに参加して、彼女を1人にさせるな?」
「・・そのうちな」
「はいはい。まぁ、せいぜい嫌われないよう頑張ってな」
あまり長居すると穂波ちゃんが俺を探すため電話する可能性があるから、諒太とは数分の会話で別れて上の階へと戻り穂波ちゃんと合流し、手を繋ぐだけの彼女とのデートを上っ面で楽しみ帰る時間となった。
「穂波ちゃん、休み中にまたデートに誘っていい?」
「うん、良いよ」
「ありがとう」
岩清水駅前で穂波ちゃんは迎えが来た親の車に乗り帰って行き、1人になった俺は電車待ちの彩音ちゃんに電話をかける。
「・・もしもし」
「彩音ちゃん? 御坂駅に着いたら諒太と別れてくれる? 理由は適当で・・そうだな、お母さんの買い物を頼まれた理由にすれば良いかも」
「・・うん」
「諒太に駅で見送ってもらったら、一応商店街の方に行ってから朝会った場所に来てね?」
「・・うん」
「それじゃ、また後で・・今夜も楽しみにしてるよ彩音ちゃん」
「・・・・」
彩音ちゃんから返事はなかったけど、気にせず電話を切り2人が乗る電車の2本後の電車に乗り込み御坂駅で降りた俺は、今朝待ち合わせた場所へと向かうと約束通り彩音ちゃんは待ってくれていた。
「お待たせ、彩音ちゃん」
「・・・・」
「朝と同じラブホに行くよ・・ポイント貯まるから」
夕陽が沈む中で通りを歩き俺は彩音ちゃんを連れ歩き、目的地の場所へと辿り着いてから明日も休みのため時間を気にせず何度も彩音ちゃんに欲望をぶつけて、快楽に溺れ乱れていく彼女の姿を動画にコッソリ記録しながら楽しんで、もうこれ以上はという回数のところで終えた俺は満足しシャワーで互いに身体スッキリさせてからホテルを出て夜風に火照った身体を冷やす。
「・・彩音ちゃん、手を繋いでもいいかな?」
「・・・・はい」
意外と受け入れられたことに内心驚きながら、見上げる彩音ちゃんを見ながら身体を寄せて繁華街の通りを歩いていたところで、諒太と遭遇してしまったことは予想外だった・・・・。




