エピローグ・・・橘彩音④
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今話は短めです。
幼馴染の彼に穢されてしまった・・自分の中と外で感じる違和感を洗い流したくて私は家に帰り、出迎えるお母さんの言葉も聞かずにお風呂へと向かい泣きながらシャワーで汚れを洗い流し何度も何度も洗っても、穢された身体が綺麗になる気配はありません。
「いい加減に出なさい!」
浴室のドアを叩かれお母さんの声に私は我に返り、震える声を誤魔化しながら返事をして、調子が悪いからと伝え夕飯を食べず自分の部屋の布団に潜り込み姿を見られないようにすることしかできません。
吉岡湊斗に犯されたことを諒ちゃんに告白しようか考えるも嫌われてしまうのが怖くて、震える指先で何度も諒ちゃんに電話をしようと画面の発信をタップしようと動かすも押せない私は、涙で文字が滲み見えなくなり結局誰にも何も言えずに朝を迎え学校へと行く時間になりました。
「もう・・ヤダ・・」
静かな部屋でそう呟きながら私は学校へと行く支度を済ませるも、朝練に行く気力がないのにいつもの時間に家を出て、諒ちゃんに告白された公園のベンチに座り遅刻ギリギリまで過ごした後に思い足取りで学校へと行きました。
「諒ちゃん・・ゴメンなさい・・」
大好きな諒ちゃんの姿を見るたびに私は独り言で謝ることしかできず、視線が重なるとバレているのではと思い今まで通り諒ちゃんに会えなくなっていました。
「橘さん?」
「いや・・来ないで」
大好きな諒ちゃんに会えず言えず苦しんでいる私を嘲笑うように、前の席の吉岡湊斗が突き放したいのに諒ちゃんと入れ替わるように傍に居て、私は必死に諒ちゃんに彼との関係がバレてしまわないことを最優先に考え過ごしました。
「橘さん、今日も一緒に弁当食べよ?」
「ヤダ・・今日は、諒ちゃんと食べ・・」
「何か言った?」
「・・ううん。なんでもないです」
「良かった」
もう昨日のことで私は、目の前の男から逃げたいのに逃げれず、大好きな諒ちゃんのところへ一歩踏み出すため立ち上がるも、そのまま自分の椅子に座るしか選択肢は残されていませんでした。
「諒ちゃん・・」
「だよね。これ、彩音ちゃんのために買っておいたんだ。早く一緒に食べよ?」
「うん・・」
足の力が抜け落ちるように座り見えない格子の中で、彼と向き合い味がしないお弁当を食べていると、廊下から諒ちゃんの声が聞こえ顔を向けると、私が吉岡湊斗と2人で先に食べている姿を見ると話しかけていた言葉が途切れ、もう誘わないと微かに聞こえた諒ちゃんの呟きに私は反射的に立ち上がり呼び止めるも、諒ちゃんはそのまま廊下を走り去ってしまいました。
「諒ちゃん・・」
「ははっ・・諒太の奴、めっちゃいい顔してたな」
「・・・・」
「彩音ちゃん、食べ終わったら、行くよ?」
「・・・・」
昼休みに私は彼に連れられ体育館の男バスの部室へと連れて行かれます。その途中にあるベンチで寝ている諒ちゃんを見つけた私は、抱き着き無理矢理起こして助けてと言いたい想いを伝えれないまま、せめて久し振りに見れた寝顔を間近で見ながら。諒ちゃんがプレゼントでくれてから持ち歩いているタオルを痛そうな首を守るため、頭の枕代わりにしてあげてから部室へと向かいます。
「諒ちゃん、起きて欲しかったな・・・・」
まさか、この後の部室での行為を諒ちゃんに聞かれてしまっていることを知らずに・・・・。
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エピローグ長くてすいません。




