エピローグ・・・橘彩音③
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「吉岡、橘・・昼休みにすまないが、クラス委員の2人に頼みたい仕事があるから、昼ご飯を食べる前に職員室に来てくれ」
「「 はい、小林先生 」」
なかなか決まらないクラス委員に時間だけが過ぎていく中で、前の席の湊斗くんに誘われた私は断れず立候補したことでクラス委員になってしまいました。
まさか最初の仕事が昼休みにあるなんて思わなかった私は、諒ちゃんと昼休みに一緒にお弁当を食べれないことを伝えるため教室にいくと、お弁当を持っていた諒ちゃんは仕方ないねと納得してくれました。
小林先生に頼まれたのは、諒ちゃんとの昼休み時間を犠牲にしてまでするないようなの?と不満を心の中で呟きながら、終礼に配る予定の資料と今月にあるクラス委員会の日程を教えてくれるだけです。
せっかくの昼休みに諒ちゃんと一緒に過ごせなかった私は、廊下で教室にいた諒ちゃんに手を振ってから部活へと向かい、諒ちゃんはバイトへと行ってしまうとういうすれ違いが続き短い時間でしか会えない寂しさが募っていきます。
「橘さん? 最近、元気ないね?」
「・・うん、学校でも諒ちゃんに会えない時間が増えたから・・・・部活辞めようかな」
「やめちゃうの? もう、地区大会があるじゃん? 今辞めると、先輩達に迷惑かかっちゃうよ? かなり練習しているよねテニス部・・諒太は、バイトなんでしょ?」
「そうだね・・・・試合前だから、みんな頑張ってるから辞めるどころかサボれないし・・会いたいな諒ちゃんに。電話だけじゃ足りない」
「それじゃ、元気出ないよな〜」
「うん・・・・」
学校でも諒ちゃんと会えない時間が増えるのに、湊斗くんは彼女の瀬田さんと会えている時間が普通にあることが羨ましい。
なぜか諒ちゃんに会えそうな日に限ってクラス委員の仕事がタイミング悪く入ってくるのだろうよマイナスな気持ちばかりになり、ただ諒ちゃんに謝ることが増えていた原因が吉岡湊斗の思惑だったなんて、その時の私は知る由もありませんでした。
「・・・・湊斗くん、どこに行ったんだろう?」
休憩時間にクラス委員のことで打ち合わせしたいのに教室にいないため、隣りの教室にいる諒ちゃんのところへ行って聞きます。
「諒ちゃん、諒ちゃん」
諒ちゃんと会えるのが嬉しくて、最近の私は2回呼んでいます。
「彩音、どうした?」
「湊斗くんみてない?」
「湊斗? 今日も来てないよ」
「そっか・・ありがとうね諒ちゃん」
「ねぇ、彩音?」
「なぁに?」
「最近、いつも湊斗探してない?」
「・・そうかな?」
私を見つめる諒ちゃんの悲しそうな瞳に、私は胸がギュッとなります。
「・・まぁ、良いけどさ。とりあえず、湊斗は来てないから」
「うん、またね諒ちゃん」
諒ちゃんに手を振り教室を出た私は、自分の教室に戻ると湊斗くんは自分の席に座っていました。
「あっ・・湊斗くん、どこ行ってたの?」
「俺? 忘れ物を部室まで取りに行ってたんだ」
「そうなんだ・・・・いないよねそしたら」
「なんかあった?」
「あのね、クラス委員のことで相談したいことがあって探してたの」
「そっか、ゴメンね橘さん。そうだ、クラス委員の作業はお互い部活があって放課後すぐにできないから、部活終わってから俺の家で続きをやらない?」
「湊斗くんの家で? でも、遅くなっちゃうよ?」
「同じ遅くなるなら、残って学校でするより家でやった方が橘さんの家も近いよ?」
「ん〜そうだね。練習終わったら、校門前で待ってるから」
「よっしゃ、決まりだ」
今日に限って練習は下半身強化のメニューで、ちょっとした背伸びでも足が震えるほど疲労困憊になっている私は、湊斗くんと約束した校門へと向かうと、彼が先に待っている姿が見えて声をかけました。
「湊斗くん、遅くなってゴメンね」
「全然、俺もさっき来たところだから」
「今更だけど、瀬田さんと帰って私が家に行けば良かった?」
「あ、あぁ〜穂波ちゃんは、家の用事があるから先に帰っちゃったんだ」
「そうなんだ・・」
「早く行こ、彩音ちゃん・・帰りが遅くなっちゃうからさ」
「・・うん」
諒太ちゃんに湊斗くんの家でクラス委員の作業をすると伝えるため、歩きながらメッセージを作っている途中に、なぜか湊斗くんがスマホの画面を覗き込んできます。
「諒太にメッセージ?」
「うん、そうだよ」
「諒太が勘違いするかもだから、言わない方が良いよ」
「そうかな?」
「あいつ、バイト中だろ? 最近、俺を見る目がキツい時あるんだよね・・だから、メッセージ送るの止めとうこうぜ?」
「・・・・そうかな」
「そうだよ」
幼馴染の湊斗くんの言葉をそのまま受け入れてしまった私は、諒ちゃんが瀬田さんと会った時に聞いてしまった時に、私は瀬田さんに怒られれてしまうと思い途中まで作ったメッセージをそのままにスマホをカバンにしまいました。
「とりあえず、練習疲れ用のクエン酸ジュース持ってくるから部屋で待っててね? 絶対にベッドの下は覗き込んだらダメだから」
「何それ・・昔の諒ちゃんと同じこと言ってる」
湊斗くんの部屋で1人待つ私は、中学生の時に諒ちゃんと来たことを思い出していると部屋のドアが開き戻って来ました。
「彩音ちゃん、クラス対抗種目選手を決めるくじ引きの箱は、家にあったこの金属製の箱でどうかな?」
「ちょうどいい大きさだね。お煎餅が入っていた箱?」
「そうだよ。母さんがいらないって言ってたからね。あと、クジに使えそうな紙ももらってきたんだ」
「本当だ・・コレならクラス分の作れるね」
「そうだね・・とりあえず俺はハサミで丁度いいサイズに切るから、彩音ちゃんは中身を書いてくれる?」
「いいよ、任せて」
アタリとハズレを種目ごとに単調作業を続けている私は部活の疲れからか、眠気さえ自覚なく眠りに落ちていたようで、うっすらと目が覚めてきた私は、なぜか身体が揺れていることに気付きながら目の前にいる湊斗くんの顔を見ます。
「・・・・み、湊斗くん?」
「あっ・・起きちゃった? 彩音ちゃん、めっちゃ気持ちいよ」
「えっ?」
下半身に感じる違和感と裸の湊斗くんを見て、私が何をされているのかを自覚し気持ち悪さと恐怖で抵抗しますが、制服の上から身体を触られ久しぶりに感じた感覚に声を漏らし口を覆いながら必死に抵抗を続けるも、彼が果てるまで終わりませんでした。
「はぁ・・はぁ・・彩音ちゃん、気持ち良かった」
「ぅぅ・・ひどい、酷いよ!」
「ゴメンゴメン・・彩音ちゃん、経験済だったんだね? 初めてを貰おうと思ったけど残念だったな〜やっぱり、諒太にあげたの?」
「・・・・」
彼の質問を無視しながら睨みつけ逃げるように部屋を出ようとドアを開ける直前に背後から抱き締められ身動きが取れません。
「気持ち悪い! 離して!!」
「質問に答えてよ? 諒太にあげたの?」
「いや!!」
もちろん諒ちゃんに告白されてから距離が一気に縮まり、私は彼の全てを受け入れました。だから初めてを諒ちゃんにあげれてなかったらと考えると、今の私は生きていく気力さえ失っていたのかもしれません。
「ならさ、コレを諒太に見せて聞いてもいいかな?」
顔の前に出されたスマホには、私が眠っている隙にされた行為が動画が再生されています。
「最悪・・すぐに消してよ!」
「ダメ・・諒太に見せてからな? まぁ、それが嫌なら俺のセフレになれよ? 穂波ちゃん、ガードが固くてヤラせてくれないんだよねー」
「そんな・・消してよ。諒ちゃんに知られたくないよ・・」
背後から抱き着いている彼は、私の胸に手を伸ばしながら笑っています。
「知られたくないなら・・セフレ・・で決まりな。これからは、昼休みに男バスの部室でしようね?」
「・・・・」
「ね?」
「昼休みだと、諒ちゃんに会えない」
「はぁ? 俺の言うことが聞けないの?」
「・・んぁ・・わかった」
頭と心は拒絶しているのに触られた身体が反応してしまうことが悔しい私は、溢れ出す涙をそのままに僅かに彼の力が抜けた瞬間に頭突きをして狼狽えた彼の足先を踵で踏みつけ逃げることに成功したのでした・・・・。
今回で、彩音の立場が理解してもらえたと思います。
とりあえず、湊斗は・・・・という男の子です。
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