エピローグ・・・橘彩音②
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諒ちゃんに告白され想いを受け取った私は、ずっと胸の中に秘めていた好きという想いを諒ちゃんに伝えたれたことに、その日の夜はなかなか寝付けれなかったことを今でも憶えています。
翌朝の登校はいつもと違う気持ちで恥ずかしさの中で、朝練をサボり諒ちゃんと一緒に通学路を歩き学校へと向かい教室に入ると、なんだか湊斗くんの顔は必死だ 。
「おはよ、湊斗・・なんか朝から忙しそうだな?」
「おは・・今はそれどころじゃないんだ諒太・・俺に死が・・死が迫ってるんだ」
「昨日、家でしなかった湊斗くんが悪いんだよ?」
「くっ・・殺せ!」
「女騎士かよ!? って男だったし」
「湊斗くん、あと5分で先生来ちゃうよ?」
「彩音ちゃんは聖女様・・俺に救いの手を・・諒太は、とりあえず宿題見せろ」
「無理、高倉先生にバレたら俺も死ぬ」
「共に死のう、戦友よ・・」
このままふざけたやりとり続けて湊斗くんの邪魔するのが面白かったけど、私は諒ちゃんの背中をツンツンしてアレを催促してみた。
「・・そ、そうだ湊斗」
「なんだ? 急に真面目トーンか?」
「あのな、俺と彩音ちゃん付き合うことになったから」
「なったの」
「・・・・?」
湊斗くんはピタッと右手を止めてやっと顔を上げて私と諒ちゃんを見てくれた。
「そ、そうか・・やっとお前らくっついてくれたか。もう早く付き合ってしまえと思っていたから、なんかやっと肩の荷が降りたーって感じだよ・・・・・うん、おめでとう」
「「 ありがとう 」」
「それならさ、これから彩音ちゃんのこと橘さんに戻すよ。穂波ちゃんに勘違いされたくないしな」
「えっ? 別に彩音のままで良いのに・・」
「呼び慣れるまでは名前で呼ぶかも・・・・穂波ちゃん以外の女の子を名前呼びすると、彼女に嫉妬されそうだから」
「・・そうだね、私も嫉妬しちゃうかも」
「そうだろ? 橘さん」
「ん〜なんか、違和感あるけど慣れるしかないのかな〜」
「湊斗、俺達は幼馴染なんだし変えなくていいんじゃね?」
「いや、なんか俺が納得できないからコレでいく・・・・・」
湊斗くんに彼女ができ私と諒ちゃんが付き合い始めた高校1年生の6月は梅雨になってもジメジメした季節になっても気にならず3人仲良しは変わらずこのまま高校生活を過ごして行くんだなと思って過ごしていたのに、2年生へと進級した日に私にとって事件が起きました。
「諒ちゃん、クラス別になっちゃったね」
「そだな・・俺だけ違うクラスか」
「うん・・・・」
「湊斗も彼女の瀬田さんと違うクラスのままか・・うまくいかないもんだね」
「うん、でもお弁当は今まで通り一緒に食べようね?」
「もちろんさ。昼休みになったら、彩音の教室に行くよ」
「ありがとう。私も早く終わったら諒ちゃんのところに行くね」
2年生のクラス分けを見た日に2で約束したことを守りますが、テニス部の主力メンバーになり朝練も毎日あるため諒ちゃんと一緒に通える日も減り、試合が近づくとそれが日常となり学校で諒ちゃんに会えるのはお昼休みだけになってしまいました。
「・・彩音、週末も部活?」
「うん・・土日も半日練習あるんだ」
「そっか、2年生になってからしばらく昼休みしか会えてないね」
「ごめんね、諒ちゃん」
「良いよ。俺さ、コンビニでバイト始めたんだ」
「そうなの? どこのコンビニ?」
「恥ずいから、まだ内緒。ヒントは、青いとこだから」
「そうなんだ。外からコッソリ探して見るね? 諒ちゃん」
「彩音は、部活だから探せないじゃん」
「そうだったねー」
週末は私の部活の練習と諒ちゃんが始めたんだバイトで、お互いに会える時間がまた少なくなった分を取り戻すかのように、スマホでメッセージや電話をして繋がりを確かめていました。
そんなある日に担任の先生が思い付きで席替えすることになり、くじ引きの結果窓側のいい席になると前の席は幼馴染の湊斗くんの席で少し安心しました。
「橘さん、久しぶりに席が近くなったね」
「そうだね。ここで諒ちゃんが居れば昔みたいでよかったのになー」
「まぁ、これからよろしくな?」
「うん、よろしくね湊斗くん」
席替えでの不安が消えたことで私はこの教室を見渡し、諒ちゃんの姿がないことにため息をついて前の席にいる湊斗くんに見られていたことに、当時の私は全然気付いていませんでした。
あの視線に気付いていれば、この先にある分岐路での選択を間違えなかったはずなのに・・・・。
エピローグの感想評価ありがとうございます。
彩音と湊斗のエピローグの完結までお付き合いお願いします。




